独立前の準備2

前回、集団指導塾or個別指導塾、そして将来教室展開をするのかどうか…ということをきっちり決める必要があることを書きました。

この次に実は大切なのは「教育理念」です。ここを軽く考えている個人塾の先生は意外と多いですが、最初の段階で戻るべき原点の指針を思いも込めて策定するのは絶対に必要です。

AにするかBにするか、これからどれほど選択を迫られるか…そういったときに確固たる理念があるとそれをよりどころにして進むべき道を決めることができます。

逆接的ですが、僕の場合、作った学習塾を辞める決断もその理念の実践が不可能だと悟ったから…というのもあったかもわかりません。(会社そのものは借金もなく、その頃は毎年黒字収支でした。しかも個人の一人だけが経営していて、僕自身の報酬は同年代のサラリーマン平均よりかなり多く、苦労が報われた時期に…です。この辺は後々書き記していこうと思っています。)

次に塾の制度設計です。

僕は①集団指導&②将来教室展開をベースにしましたので、その前提でお読みいただければ幸いです。

★これは経験上、絶対にそうして欲しいと思うことなのですが、だれかパートナーがいてお互いに出資しあって起業するとかそういうのがなければ

開業当初は人は雇わないこと

です。

理由は簡単です。開業当初どこまで資金に余裕をもって始めるのかは別にして、採用に係る費用は馬鹿になりません。

塾のモデルをよく

塾の損益分岐は簡単で固定費(人件費、家賃)を低くすれば利益が出る業態だ

と書く書籍や記事を見かけますが、その人件費を発生させる前の採用にかかる費用の部分が抜けています。

よし!塾を作ろう!人はまず一人だけ雇おう!給料はこれくらいで…では話になりません。その一人を雇うまでにどれだけお金がかかるのかが運しだいだということを知っておかなければなりません。

少し脱線しました…本題の制度設計ですが、基本的に学習塾は1週間のサイクルで動きを見ていけばよいので(経営ではなく運営です)

①開講学年をどうするか (僕は小5~中3→これはのちザ個人塾に切り替えたときに中1~高3の大学受験に切り替えることになります)

②1週間の時間割 (月曜日は何年生の科目が何で時間が…という1週間の動きです)★ここにそれぞれ起業を考えるみなさんの思いも反映されます。小学生は1コマ50分でいいや、という人もいれば小学生だからこそ週3日、1コマ90分いるだろ!という人もいるでしょう。

③ホームページの作成(これは必須です。今はワードプレスで簡単に作れるので決して業者に作成を依頼などしないように。ランニングコストを考えると業者に作成してもらうきれいなものは黒字になってからでも遅くありません。きれいなホームページで生徒が集まるわけではありません。中身が何かが問題なのです。これも後々書いていこうと思います)

④授業料設定(もしかしたらこれが最も腐心する項目かもしれませんね)

★自分が塾を出す地域の相場は必ず調べてください。

★安売りはしないでください(開業当初に認知度を高めるためにキャンペーンは必要ですが。僕の場合は、開業時を除くと昨今の巷でみかける講習会新規入学者無料うんぬんというのは一切やったことがなく、4月~3月までの通常の授業料、加えて春夏冬の講習会すべてで費用をいただいていました。個人塾の強みは逆張りでここにあるんです)

※授業料の設定は近隣の塾などをできるだけ事前にリサーチし、「年間でかかる費用」に視点を持つことが大切だと思います。自分が作ろうとしている塾と競合するであろう他塾を参考にその年間費用を算出し、「月当たりは少し安く、年間では少し高く」が僕のはじき出した答えです。これは僕の起業地域でうまくはまったパターンなので、もしかしたら塾を作る地域のライバル他塾が「通常授業料年間0円」みたいなことをしてるとあてはまらないかもしれません。(そんな塾はない気もしますが。そんなことしたら人件費削減するしか方法がなくなってその塾に「良い先生」がいる確率がぐっと下がるのでむしろやりやすい気がする)

あとは…捕らぬ狸の皮算用をよくしてました(笑)

これくらい生徒が集まるから売り上げはこれくらいになって…だとすると経費をこれくらいにしたら自分の報酬はこれくらいか…

みたいな。自分で起業するのでこれくらいの楽しみはあってもいいかな~と思います。

最後に、僕は教育理念のところで他塾の養分になっている子どもたちに全うな塾教育を、のような意味をうたいました。

何を偉そうに…と言われそうですが、個人塾はこれくらいの気概が欲しいと思いそうしました。同じ看板を掲げている塾でも校舎によって「子どもに対する熱」の温度差がさまざまで(これは同じ人間はいないので当然なのですが)、中には「いや、それはダメだろ」という人が混じっているケースを目の当たりにしてきました。ですが、保護者や子どもたちには盲目的にその塾に通塾しているケースもあります。あまり具体的に書いてバレるのがまずいのですが、授業が終わると生徒の愚痴ばかり述べる人や、自分の短期(講習会など)の売り上げ記録を周りへの自慢としていて、いざそれが抜かれると講師以下にひたすら営業を強いる人などなど。少なくとも僕自身は成績UPは必達として、そこから大学受験に向かえる精神力、社会性をもって卒業してもらうという、子どもたちを預かる「大人」として「親」が子どもに求める「幸せ」を「学習面」から真剣に向き合います。というメッセージをこめたかったのです(これがのちに大学受験も対応い始めるきっかけになったわけですが)。

最後の段落は人によっては納得できない部分もあるかと思いますが、個人で塾を作ることとは他人の思想ではなく、自分の思想を具現化することですから個人の考えの一つとして受忍いただければありがたいです。

ま、その思いが地域に受け入れられなけでば閉めるしかなくなるわけですが…(泣)


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