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私も天下を取りにいきたい(噂の本屋大賞)【読書のキロク・Audible】
こんばんは、"もっちゃん”です。
記事に興味を持ってくださり、ありがとうございます。
以前から気になっていた本をAudibleで見つけたので聴きました。
今年の本屋大賞の受賞作品です。
さすが本屋大賞、とても読みやすく(聴きやすく)、面白かったです。
あっという間に終わってしまいました。
◯今回読んだ本:『成瀬は天下を取りにいく』 著者:宮島未奈 新潮社
最近巷で(私の周辺で)話題になっている本です。
なんでも、本屋大賞をはじめ、いろいろな賞をとっているようで、かなり売れてもいるようです。
Audibleはこういうところにも手を伸ばせるのが良いところで、値段も何も気にせず選ぶことができました。
◯概要
2020年、中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。
コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。
M-1に挑戦したかと思えば、自身の髪で長期実験に取り組み、市民憲章は暗記して全うする。
今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。
2023年、最注目の新人が贈る傑作青春小説!
舞台は滋賀です。
ほとんど滋賀に行ったことのない私ですが、そんなことは全く関係ありませんでした。
主人公成瀬あかりを中心とした、その周囲で巻き起こる人間ドラマ的なものを描いた作品です。
◯全体的な感想
シンプルに面白かったです!
軽快なテンポで話がどんどん進み、無駄な話がほとんどないように思います。
だからといって、壮大なストーリーがあるかといえばそうでもなく、どちらかというと主人公を中心としたショートストーリーの集まり的な感じでした。
私の中での感覚としては【サクッと本】の1つです。
一つ一つの話をサクッと読み進めることができるのがよかったです。
もちろん、全体としてのつながりはあるのですが、一つ一つを単品で読んでも十分おもしろいようにも思います。
個人的にはそれまで第三者視点から描かれていた主人公が、最終章にて1人称視点で描かれるようになるあたりに秀逸さを感じます。
◯なぜ本屋大賞?
なんとなく歴代の本屋大賞と比べて本作は意外ではありました。
ものすごく主観的なイメージですが、本屋大賞って、
"しっかりとしたストーリーがあり、1冊で完結している作品”
が多かった気がしていたからです。
それに対し、今作はそうではありません。
なぜ受賞したのだろう、ということも疑問に持ちながら、まずは本屋大賞について調べてみました。
書店員の投票だけで選ばれる賞です。
「本屋大賞」は、新刊書の書店(オンライン書店も含みます)で働く書店員の投票で決定するものです。過去一年の間、書店員自身が自分で読んで「面白かった」、「お客様にも薦めたい」、「自分の店で売りたい」と思った本を選び投票します。 また「本屋大賞」は発掘部門も設けます。この「発掘部門」は既刊本市場の活性化を狙ったもので、過去に出版された本のなかで、時代を超えて残る本や、今読み返しても面白いと書店員が思った本を選びます。
https://www.hontai.or.jp
投票は書店員の投票によるものです。(この辺は知っていましたが。)
改めてそれを考えてみると、書店員の求める書籍として、こうした本が求められているようです。
個人的には【サクッと本】(サクッと読める本)が大好きなのではありますが、それは個人的なものではなく、ひょっとすると世間の流れでもあるのかもしれません。
そういえば、音楽シーンでも、イントロが長い曲は敬遠されがちだったり、サビのみ聞くスタイルがあったりする、なんてことを聞いたことがあります。
確かに、TikTokとか、一部を切り抜いて、さわりだけを楽しむ方向にシフトしてきているのかもしれません。
書籍においてもそういった風潮があるのかなぁと考えた次第です。
◯魅力的な主人公:成瀬
とはいえ、読んでみると本書が推される理由もよくわかります。
自分としては、“主人公の魅力”に尽きるのかなぁと思います。
特に主人公に感情移入して読むわけでもありません。どちらかというと、主人公の成り行きを別の視点から眺めていく感じです。
主人公はおそらく読者のほとんどの方と似つかわない雰囲気。
ただ、遠すぎる人物でもない。
憧れるわけではないが、憧れている。
そのあたりの絶妙な距離感が、主人公の成瀬に魅力を感じるポイントなのかもしれないなぁと思います。
なんというか、読者の心の奥底にあるけどやっていない、という願望を体現している主人公、となるのでしょうか。
中高生のときに読んでいたりすると、また受け取り方は変わるのかもしれません。
娘が中学生くらいになったら、読んでみてもらいたいなぁと思いました。
そんなことを考えた1冊でした!
本屋大賞の本は、Audibleとかで聴いても遜色ないですね。
むしろそれを活かして、たくさん聴いてみたいなぁと思いました。
自己紹介はこちらから。
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