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恋心日記【勝手にリレーエッセイ2023春#5】

まえがき

イトーダーキさん主催「勝手にリレーエッセイ」に初参加することになった。右も左も分からないが、とりあえずテーマである『有意義で無意味』について書いてみることにする。

私はグループBの第5走者。じゃむむさんからこのバトンを受け継いだ。

じゃむむさんは歴史好きならではの視点で、偉人の「有意義で無意味な日記」について書かれている。

超越した知識量と歴史愛、理路整然な文章に「え、このあと俺?無理ムリむり!」ではあるが、せっかくだからリレーをしたい。偉人日記のあとは、凡人(私)日記だ。

それでは……
レッツ凡人日記!!!


本文

日記というものを続けられた試しがない。最初は「よ~し、書くぞ!!」と意気込んでいるものの、1日とサボり、2日とサボり、3日とサボる。3度目のサボりのあとには、日記の存在を忘れて放置。そのうち「もうメモ帳にすっか~」となる。飽き性が嫌になるのはこういうときだ。

けれど、私にもたった一度だけ、日記を1冊完走できたことがある。それは好きな男の子への恋心を綴った日記だった。

小学6年生の頃、好きな人がいた。隣町の小学校でミニバスケットボール(以下ミニバス)をしていた香川真司さん似の男の子。そうだ、ここでは香川くん(仮名)にしよう。

香川くんと私はミニバスの練習で出会った。私のチームの先生と、香川くんのチームの先生が仲良しで、よく練習を一緒にしていた。出会ったのは小学5年生。たしか一目惚れだったと思う。

香川くんとは小学校が違うから会えるのは練習、もしくは地区全体で行われる試合のときだけ。多くて週に2回。少なくて月に1回会えるかどうか。私は会える日が待ち遠しくて仕方が無かった。会える日も、会えない日も、とにかく香川くんのことばかり考えていた。

あの日記を書き出したきっかけは思い出せないが、毎日書いていた気がする。いや、書いていたではなく、「書き殴っていた」が正解だ。

「目が合った!!!幸せ!!!」
「パーカー姿が可愛すぎた!!!!」
「バスケうますぎ!!!ムリ!!」
「かっこいい!!!」
「早く会いたい!!」
「話してみたいけど話したら死んじゃう!!」

誰に見せるわけでもない、私だけの日記。ニヤニヤしながら書きまくった。ノートの線や枠なんて無視。どうやら想いの丈は文字の大きさに比例するらしい。

歓喜の叫びやお気に入りの顔文字、大量のハートが羅列されていた。そのくせやたらと字は汚かった。ただ、大人になった今よりもはるかに速く文章を書けていた。それだけ感情が爆発していたからだと今なら思える。

書いたからといって、想いが実るわけでもない。アプローチする方法?そんなの分かるわけもない。ただ、書きたかったから書いていた。恥ずかしがり屋で、話しかけることすらできない私の最大限がそれだったのだ。

今思えばめちゃくちゃ無意味な日記。それでも、書いていたあの時間は切なくて、嬉しくて、幸せだった。

あの日記だけは誰にも見られたくない。でも、多分捨てていないんだよな。どこにやっちゃったんだろう。(完)

987文字


あとがき

『有意義で無意味』な文章を書けたかどうかは謎ですが……ダーキさん直伝「いいこと言おうとするのだめ!」ルールだけは死守しました。

絶対に自分では思いつかないテーマ。書いていて楽しかったです!
ありがとうございました!!

お次はヤス(ウエダヤスシ)さん。よろしくお願いいたします!!!





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