新海誠「秒速5センチメートル」と山崎まさよし「One More Time, One More Chance」

今や日本を代表するアニメ映画監督の新海誠氏。氏の映画「秒速5センチメートル」は一昔前ではあるが、記憶に残っている人も多いのではないだろうか?

新海氏は処女作「彼女と彼女の猫」から「一人で制作する」ことのすごみを世間に見せつけたと言える。そこで表現されているものは日本人ならではの「狂おしいまでの繊細さ」といえる。制作スタッフが増えた後に発表された「秒速5センチメートル」だったが、この映画は登場人物の青年期の思い出を描いており、新海氏の繊細さは他の映画より色濃くなっている。テーマ曲は山崎まさよし氏の「One More Time, One More Chance」。新海氏の繊細な映像美にある切なさを音の世界でも表現してくれている。

誰もが若かりし頃、色々な思い出をかかえている。今とは全く違うメンタリティであり「あの時ああすればよかったのに」というようなことは誰しもが思うものでもある。山崎まさよし氏のテーマ曲の歌詞にはそれがまさに表れている。

大人になってしまうと、どうしても今までの自分の生活は何かの言葉で片付けたくなるし、だからこそ明日取り組むべきことに取り組むことができるともいえる。しかし、大人になっても日々の現実から一時逃れ、純粋な若々しい気持ちで過去を振り返るのも人生の一服の清涼剤になるようにも思う。

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