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言葉のことばかり【泣き虫】

泣きの男女差

男の人がどんどん泣き虫に
なってるんだそうである。
そう言われてみれば、
徳光さんはよく泣いている。

逆に女の人はどんどん泣かなく
なっているんだそうである。
そう言われれば、
女の人が泣いているところを
あんまり見なくなったような気はする。

男の中でも、
泣き虫になっているのは「おじさん」だ。
おじさんの泣きは、
子供が「ぎゃーっ」と泣くのとは違って、
なんだか「じわっ」と来て「ぶわっ」と
ナミダが出る感じである。(と思う)

そのときおじさんは、まず間違いなく
何かを思いだしている。
過去の何かがアタマをよぎって、
ナミダが出るのだ。

「あのころはよかった」だの
「あんなにちっちゃかった娘が」だの…

つまり今のおじさんは、
いつも過去を振り返っているのである。
未来をあんまり見ることができないのだ。
(見る未来がないのかもしれない)

それに引き替え女の人は、前を見ている。
過去を振り返って
感傷に浸ることがなくなってきている、
という気がする。

前に見るべきモノがいっぱいあるんだろう。

泣き虫おじさんの郷愁

と言ってる自分もおじさんだから、
最近けっこうこの
「じわっ」と「ぶわっ」に悩まされている。

特に「昔の歌」が危険である。
カラオケで自分が歌ってる途中に
自分の歌に感動して
泣きそうになったのにはまいった。
まるで昔のレコード大賞
最優秀新人賞のアイドルみたいである。
もうどうしょうもなくバカである。

ことわっておくが、決して自分の歌唱力に
酔っているわけではなく、歌詞の中身に
思いっきり同化してしまったのだ。

ちなみに曲は
「風」の「君と歩いた青春」である。
(名曲。まあ知らないと思うが…)

思いっきり過去を振り返っている…。
図らずも自分で自分の
理論を裏付けてしまった。

泣き虫はなんで虫。

泣き虫だけじゃなく、
「弱虫」とか「腹の虫」とか、
芸の虫、苦虫、金食い虫、点取り虫なんてのも。
なんで「虫」って言葉は意外と多い。

腹の虫なんかは
ホントにいそうで気持ち悪いんだが、
なんとなく想像するに、
昔の人はなんだか理由がわからないものを、
とりあえず「虫のせい」にしたように思う。

なんかわからんけど泣いちゃうとか、
なんかわからんけど怒りが収まらないとか、
これは絶対自分のせいではない。
どっかに悪さをしてる虫がいるに違いないって。

現代だと理由を解明しないと納得できないと
考えてしまいがちだけど、
昔は、わからんものはわからん。
考えてもしょうがないってことだらけで、
そう思うと人のせい、いや、虫のせいにして
とりあえず次に行こう。ってのは
生きてく上での知恵だったんだと思った。

この方法、今でももっと使った方がいいよね。
だけど殺虫剤がこれだけ進化したら
虫だからしょうがないとは思わないのか。
なんかめんどくさいね。

次回の言葉は「カタカナ」です。

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