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言葉のことばかり【じゃんけん】

ある日のじゃんけん

よく居酒屋なんかで、
4人なのに一皿3個だった。
ってことありますよね。
良心的な店だと、
人数分にしてくれるところもあるけど、
たいがいは運ばれてきて
「あ」ってことになるわけで…。
これが3人で4個なら、誰かが2個
食べればいいだけなんですけどね。

で、4人で3個をどうするか…。
「あ、ボクいいですよ。みなさんでどうぞ」
ってのは、せっかく一つの卓を
かこんでいるのに、よろしくない。

それが好物であろうとなかろうと、
ここはひとつ平等にいきましょう。
ってことで、じゃんけんですね。

「そんな、どうしても食べたいって
 わけじゃないんだよねー」
はい、最初はぐー。じゃんけんぽん。
すると、4人ともチョキ。
「おお…」「ははは…」
じゃ、もう一回。
最初はぐー。じゃんけんぽん。
するとこんどは4人ともグー。
「ははは…」
「いやあ、こんなこともあるんだね」
「つぎは全員パーだったりして」
「おいおい、そんなこと言うと
 考えちゃうだろー」
最初はぐー。じゃんけんぽん。
「あーっっっ」
なんと自分以外3人パー。自分はグー…。
しばし沈黙。

「ははは、ボクいいですよ。
 ヨシヒロさんそれ食べてください」

「何言ってんですか。勝負ですから。
 ボクは食べないですよ。
 食べない。
 ぜぇーったいに食べないったら食べない!!」
ああ、なんでこんなに興奮しているんだ。

いや、これ、フィクションですよ。
こういうことがあったらおもしろいなあと…

じゃんけんは戦争より偉い

勝ち負けを決める方法にはいろいろあって
まあ力の強い方が勝つのが基本。
力にもいろいろあって、
年齢が上とか、お金をいっぱい持ってるとか、

だけど必ず遺恨が残りますよね。
これが延々と続くのが戦争ってやつだけど。

そう考えると
じゃんけんのシステムは素晴らしい。

グーはチョキに勝つけどパーに負ける。
チョキはパーに勝つけどグーに負ける。
パーはグーに勝つけどチョキに負ける。

世の中を三つに分けて
必ず誰かに負けるようにする。
それは誰のせいでもない。

こんな簡単なことが普段はできない。

みんな知ってるはずなんだけどね。
じゃんけん。

最初はぐー

じゃんけんって地方によって
呼び方いっぱいあるけど、
「けん」がつくのが多いよね。
三つは平等のはずなのに「拳」。

やっぱり大元はコブシなんですかね。
「最初はぐー」って言うし。

じゃんけんぽん!っていきなりやると
相手は咄嗟に反応できず
「ぐー」を出すことが多いらしいです。
だから「ぱー」で勝てる確率が高い。

「最初はぐー」というシステムが生まれたのは
このいきなり感を消してフラットにするため
ではないかと個人的には考えています。
エビデンスはありません…。

ちなみに考えたのは志村けんさんらしい。

次回の言葉は「しばり」です。

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