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言葉のことばかり【議論】

酒場の議論ごっこ

酒を飲んでいる時、なんだかわかんないが
『議論』になることがある。

それが、人生について
なんてことになるとたいへんなのだが、
どーでもいいことが議題だったりすると、
それはそれで楽しい。

その日の議題は
「どうしてヨーロッパの中でイタリアだけに
 麺料理が普及したのか」だった。

具体的な内容については
酔っぱらっていてよく覚えていないのだが
こういうときに
「盛り上がる条件」というのがあって、

そのうちのひとつは『断定する男』が
いることだったりする。

なんの根拠もないことを、
とにかく断定するのである。

さっきのテーマだとすると、いきなり
「ああ。それはトマトですよ」と言う。
まるで見てきたかのように、
まるでイタリア人だったんだよオレは。
という感じで堂々と言うのである。

その場合、
あくまでも「サラッ」というのがよい。

役割分担が重要

盛り上がるもうひとつの条件は
『反論に燃え上がる男』の存在だ。

この男は「断定する男」の「断定」が
とにかく許せないわけである。
もう、命がけ(な気分)で反論する。

ボクの役割はというと、
すきますきまに茶々を入れて、
議論をさらに白熱させることだ。

これはこれでかなり技術のいることで、
個人的には相当うまいと自負している。

こうもりみたいなヤツだ。
と言われればそれまでだが、
完全にどちらの味方もすることなく、
議論をすすめていかなくてはならない。
だから、むずかしいんである。

しかしそれでもなぜか
議論はいつのまにかずれて、気がつくと
「韓国に焼き肉が普及したのは
 朝鮮戦争以前か以後か」
になっているから不思議だ。いやホントに。

揺さぶって粉々にする

日本語の「議論」って単純に
それぞれの「論」を相談することだが、
これが英語の「discussion」になると
打楽器のpercussionと同じで、
物事を叩いて壊すという意味があるらしい。

ラテン語のdis(分離)とcus(ゆさぶる)が
合わさってできた言葉。
「言葉を揺さぶって粉々にする」って
なかなかに刺激的。

そういえば冒頭の
「どうしてヨーロッパの中でイタリアだけに
 麺料理が普及したのか」
どんな結論に至ったのか。全く覚えてない。

揺さぶりすぎて粉々になったみたいだ。
粉チーズみたいに(うまいこと言ったつもり)

次回の言葉は「ガッツ」です。


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