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感情は勘定できない

スキという評価

「あ、ここのラーメンはすごくうまい」
と思って、人にすすめると
「ぜんぜんおいしくなかった」
なーんて言われてしまうことがあります。

ボクの評価がぜんぜんあてにならない。
ということもあるのかもしれませんが、
多分これは「ボクが好きだと思った味を
そのひとはぜんぜんスキではなかった」
ということなんではないか。と思うんですな。

もちろん「絶対評価」というのはあるはずで、
おそらく本当に「まずい」ものは
ほとんどの人が「まずい」と感じるんでしょうが
ある程度以上になると、「うまい」と「スキ」が
ごっちゃになってくるのではないか。
と思うわけです。

ラーメンでいうなら、
こってり系が好きな人は、どんなにおいしくても
あっさり系はスキではない。ということです。
もちろん逆もあります。

感情は数値化できない

この「スキ」という尺度は、困ったもので、
その人個人にとっては、
かなり絶対的な評価なわけですが、
他人にとってはまったく意味のない
評価だったりします。

とくにこの「食べ物の味」については、
そういうことが多いような気がするわけです。
数字とかで表すことができないですからね。
目で見える差ではなくて、非常に感覚的です。

美術品の評価などもそうですよね。
この焼き物のこの微妙な曲がり具合が…
とか言われても、興味のない私にとっては、
なんのことだかわかりません。
正解、到達点、正しい見本
などというものが存在しないわけです。

冷静に考えてみると、
世の中のほとんどのものは、
そういうものなのかもしれません。

みんなが「コレは最高だよ」と言っているのは、
実は「自分がコレが一番スキだ」
と言っているだけなのかも。

勘定は数値化できる

仕事上、これは結構たいへんな問題で、
自分のつくったもののよさが
「なんでわからないんだろう」
なんて言ってみたところで、
スキではない人にとってみれば、
しょうがないことなのかもしれません。

怖しいのは世の中のほとんどの人が
「スキ」は数値化できると思ってること。
思わされてるって言った方がいいか。

スキを数値化することで、
商売しようとしてる人がいらっしゃいまして、
あの星ってやつですね。
別に星が悪いわけではないです。
「スキな人がこんなに多い」ってことは
評価が高いことに間違いはない。
だけどそれは「正しい」ではないってことね。

この「スキ」という評価方法が
いちばんわかる素材。それは人間です。

人に対する好き嫌いって、
ホントにいろいろありますから。
なぜあの人があの人と結婚?ってやつね。

だからこそ、
自分の「スキ」を理解してくれる人間が
人間はホントに好きなんですよね。

あの結婚は正しくない、なんて
言ってもしょうがないもんなあ…。

次回の言葉は「おやじギャグ」です。


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