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Re-post Magazine

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リポスト集。過去にポストした詩をマガジン関係なく拾って落とします。
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2015年3月の記事一覧

花見

桜が散る前に
名ばかりの自由を奪われたくて
ただきれいなものが見たくて
四六時中祈っていた

冷めたコーヒーを零して笑う
泣きそうな顔して放つ
いくつの夜を食べたら
王子様に逢えるんだろう

アルコールで潤む
ピンヒールが折れる
年上の人が絡む
春の歌を歌う

私の魔法にかかった人が
私の毒にあたった人が
落ちる穴

アルコールで集う
ピンヒールで笑う
年上の人が抱く
春の夜が残る

アルコールで

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はる。

握りしめた手をぽっけに隠して
上目づかいを覚えたから
もう戻れない道がある
知らないことの幸せの方が
いつも少しだけ甘い

落ちた花弁が汚した道を
それすら彼は愛でるだろうか

今息を吸った
夜が少しずれた
君に朝をあげる
君に私をあげる

無題

客寄せパンダが国家を揺るがす
青い雨
この風に乗れ
本当の不安だけを持って

悪夢を食べるバクは
都会では忙しい
その海がざわめく
黄色い叫び声があなたを呼んでいる

それを捨てられる?
あなたは抗える?
何の為に
何の為に

恋路

無味無臭の彼らに唇で触れて
頭の中に海が広がる
左から数えて2番目の春
よこしまな罠で捕らえてしまいたい

センスのない嘘に騙されたい
この海が干上がっても
携帯電話は鳴らない
愛すべき3月、彼が大人になる

花束を抱きしめて走る
好きというだけで出来ることがある
貴方が笑うかもしれない
本当にごめんね

夜を泳ぐ
まだ生きるたびに涙が零れる
夜を食べる
囚われたのは私

それで、それで、
あたしは普通の女の子より
ちょっと空に近いだけ
それで、もっと近づきたくて
ハイヒールを望むだけ

純正のあたしは
誰の手中にも収まらない
笑うように生きて
誰にも汚されない

スランプ

最近のあたし達は
胸の中のブラックホールから
上手く言葉を取り出せずに
壊れたおもちゃみたいね

伝わらない悲しみが
ここに来て効いてきた
彼を夢うあたしは
どんな顔してる、盟友よ

何かが詰まったその胸を
撃ち抜いたら薔薇が散る
『選ばれないことは死ぬことなの。』と
彼女の意図がだんだん尖っていく
みえるの、心底まで

きっとひとつじゃ物足りない彼
どんどん欲しくなるでしょ?
だんだん忘れていく

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EVERY

焦がれたイメージの
潤んでいくプロセス
あたしの中の海を
恐れることは無い

せいかつにミュウジックなど必要無い
そんなものはとうの昔に絶滅している
本物の余韻があたしたちを震えさせるだけ

考えて考えた
戻れない場所に思いを馳せることも
共有する者がある人に出会うことも
大事なことなんかじゃない

あたしは誰の体温も知らず
自分の鼓動に怯えたり
懐かしい匂いに微笑んだり
しっぽの行く末を見詰めた

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