見出し画像

これが私のやりたかったこと

朝起きて、部屋のカーテンを開ける。

まだ人の気配が少ない凛とした空気と
鋭く差し込むオレンジ色の朝日ではなく
私がいつも浴びるのは、だいぶ高く登った太陽の光。

軽くスキンケアをして、
一応パジャマではない部屋着に着替える。

リビングで湯を沸かし
トースターでパンを焼きながら
ヨーグルトにジャムをよそう。

コーヒー豆をミルに通したあたりで
ケトルがカチッと合図をし、
ほどなく食パン、ヨーグルト、
コーヒーがテーブルに並ぶ。

ぼーっとしながら流れるように過ぎる
起きてからの30分、9時半から10時の話。

これが、私のやりたかったこと。

体調を崩すまで
前の仕事を辞めるまで、
誰がこんな生活を想像しただろうか。

自分を責め、疲れ、どんどん心が消耗し
小さく小さく消えそうだったあの頃。

自分が生きる理由さえ分からなくなっていた。

けれどとにかく悲しい場所から離れて
自分の心と過ごして
あの頃から日々遠ざかるにつれて、

あの経験は私へのプレゼントだったのかと
そんな調子のいいことまで思えるようになった。

おかげで私は今、好きな仕事をしているし
泣きながら出勤していた大嫌いな朝を
少しも苦痛にならずに過ごせている。

あの時私に寄り添ってくれた友達、家族を
生涯大事にしようと思えている。

時間というのは私たちを焦らせもするけれど
時間だけが押し流してくれる記憶もある。

だから私が今思うのは、
たった今日のこの1日が
上手くいっても行かなくても
何も気にすることはないということ。

あんな日もあったなぁと
いつか思える時が来るから。

社会のレールを踏み外してみたら
前よりも生きやすくなったという話。

今日も1日、お疲れさまでした。

この記事が参加している募集

#転職してよかったこと

5,956件

#朝のルーティーン

15,958件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?