【フォントメモ】クロワッサンのデザインかっこい〜い と思ったので明朝のフォントについて調べてみた。part1:秀英明朝編
クロワッサンのデザインがかっこいいので分析してみる。
あと、いつも明朝体を選ぶとき迷うので迷わないように資料としてまとめておく。
2019年1月号のクロワッサン。
かっけえですね〜
【見出しで使っているフォント】
結論から言うと
漢字:秀英明朝
かな:アンチック
の、合字フォントを使っているようだ。
かな文字にあたるアンチックの「な」の左上部分は
作り込んで「くるっ」とさせている。
普通の平打ちだと「な」の左上の部分は繋がらない
クロワッサンのアンチック
ベタ打ちのアンチック
比べてみると一目瞭然だった。
ここがつながっていることで上品さと情緒が出ている気がする。
(アンチックじゃないorアンチックでつながっているやつがあれば教えてください。)
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2020/3/9追記
→アンチックではなくA-1明朝でした。
なんでA-1明朝比べなかったんだろう。
アンチックと比べて自然なカーブと優美さ。
並べてみると特に「な」の3~4画目が全く違ってた
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あと全体的に長体をかけているのが特徴だと思う。
以下、私の思う長体のイメージです
・スマート(賢そう)
・綺麗(女性っぽさ、スリムな美しさという感じ。ただこれはフォントにもよりそう)
・軽やかさ(スキップしてる感じ しなやか)
【なんでクロワッサンの見出しは(秀英明朝+アンチック)なのか】
手元のモリサワフォントをいくつかピックアップして比較してみる。
合わせて、モリサワの公式サイトで成り立ちを調べてきた。
【秀英明朝】
秀英体は、大日本印刷株式会社が、その前身である秀英舎の活字書体を100年以上にわたって引継ぎ、開発を行ってきた書体です。「秀英明朝」は、書籍の作り手と読者の双方から高い評価を得てきた本文用書体で、秀英体独特の連綿を持ち、目に優しい黒みを備えつつ、明るく整った落ち着いた雰囲気の組みができるのが特長です。本文組や見出しに利用しやすい L, M, Bのファミリーです。
気になったポイントを抜粋した。
<本文用書体>
基本的には本文用の書体なので、見出しなどに使用する場合は
今回のように合字で組んであげるのが適しているのかもしれない
<連綿(れんめん)を持ち>
Wikipedeaで調べました
連綿(れんめん)とは、切れ目なく延々と続く様
漢字だとあんまり分からないけどひらがなは確かに繋がりまくっている。
この文字の筆跡のつながりのこと「連綿」ということを初めて知った。
今回の表紙にも使われている「な」の連綿は特に強烈で、二画目と三画目が横断するようにつながっている。
試しに、秀英明朝のみで表紙のコピーを組んでみた。
「な」のとこ、目立つ〜〜〜〜。
あと、「し」でっか〜い。
本文用書体だから小さなQ数でも耐えられるよう
ひらがなが大きめにデザインされているのかなと思った。
<目に優しい黒みを備えつつ、明るく整った落ち着いた雰囲気>
ここで改めてほかの明朝と比較する。
「万」という字で比較してほかのフォントと異なるな〜と思った点を挙げる。
・右下の余白の大きさ(3画目のしなやかさ、キュッと左に寄っている)
→余白があくことで、白地の面積の印象が強くなっている
→たくさんの文字が並んでも、余白が確保されて読みやすそう。
・リュウミンや黎ミンと比べてフォント全体がコンパクトにまとまっている
→全体的に小ぶりで可愛い。大声というよりかは落ち着いた話し声、という印象
→ひらがなは連綿のおかげで自然なつながりを感じさせて自然と文字の流れを読み取りやすくなりそう。
→ただ、見出しなどで使うときには連綿の面積もでっかくなるので目立つなあ
・フォント平打ちして一番衝撃的だったところ、このフォントの「やさし〜い印象」を決定付けていると感じた点がある。
2画目の入り口に注目する。
<秀英明朝>
<黎ミン>
<リュウミン>
秀英明朝、圧倒的にやさし〜〜〜〜〜〜い。
黎ミン→キリっとしている。<俺がシンプルです、モダンといえば俺>
リュウミン→親しみやすさを支える圧倒的な<バランス感>が<美>って感じ
この<万>の2画目を比べただけでも、
なぜクロワッサンの見出しの感じは秀英明朝なのか?が少しだけ分かった気がした。
次回は比較として取り上げた<黎ミン>を少し調べて行きたいと思う。
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