どこへ行こうかな。
髪の毛を切りたいのに、行きたいと思う美容院がなく、もう毛先はバラっバラ、髪はだーだーと伸びたい放題。
髪を縛っても毛先が跳ねてうまくまとまらず、肩甲骨がかくれるくらいまで長くなってしまった。
ここまで伸ばしたのはいつぶりだろう?
このままいくと、二度目は出来ないだろうな、と思っていたヘアドネーションがまた出来てしまうかもしれないよ。
もういっそのこと目指そうか。
おこんばんは、てっちゃんです。
美容院の事を考えていたら、中学時代の友達を思い出した。
彼女とは中学1年生の時に出会った。
仮に彼女の名前は、さつき、と呼ぶことにする。
さつきと仲良くなったきっかけは何だったのかはすっかり忘れてしまったのだけど、気づいたら仲良くなっていた。
さつきはシャイで口数も少なく、ちょっと影があって、とても繊細で、男の子を意識しているというかどこか男子のようだった。
そしてさつきは女の子が好きだった。
それはさつきにとっては自然な事で、私もその事に違和感もなく不思議とも思う事もなく一緒にいた。
さつきは違うクラスのトモコさんが大好きで、女子が好きな子の話をし合うように、よくトモコさんの話を聞いたし、私の話も聞いてもらっていた。
そのうち、さつきの思いはトモコさんに通じ、トモコさんと付き合うようになり、その頃から少しずつ私とは遊ぶ時間は少なくなってしまったような気がする。
そりゃそうだよな、彼女との時間の方が大事だ。
一度さつきの部屋でトモコさんと私と遊んだ事があったけど、今思うとなんてお邪魔だったんだ。気が利かないねぇ。
そして、2年生になってクラスが変わり、部活もさつきはソフトボール部、私はバスケットボール部と違っていたから段々と遊ぶことも無くなり、卒業。
次にさつきと会ったときは成人式の時だった。
式場の外にちょっと目立った怖そうなグループがいて、よく見るとその中にさつきがいた。
さつきは金髪?茶髪のオールバックに紋付き袴でキメていて、一緒にいる子達も(ちょっとケバいけど)かなり大人びていて随分と周りからは浮いていた気がするが、私は久しぶりに会えたのが嬉しく、慣れない着物でバタバタバタと駆け寄って行ったら、挨拶もそこそこに「オレらとは一緒にいない方がいいよ」と私を置いてさっさと行ってしまった。
仲間と思われないようにしてくれていたのだろうけど(そのグループの周りは何気に人が近寄ってなかったからねぇ)、別にそんなの関係ないのにね。でもさつきにはそういう配慮をするところがあった。
大学を卒業し地元に戻ってきたある日、中学時代には一度も話したことがなかったけど教育実習先で一緒になり、それをきっかけに仲良くなった友達から連絡があって、美容院に行ったらさつきが務めていて、実習で一緒だったと私の事を話したら凄く会いたがっていたよ、と教えてくれた。
またその時に、さつきが独立する事、新店舗の事も教えてくれたので、独立後にさつきのお店に髪を切りに行った。
その時の彼女は成人式の時のような尖ったところはなく、若干柔らかくなっってバリバリと仕事をしている彼女がいた。
その後もさつきの美容院に通い(とはいえ、ショートヘアじゃないし不精なので、年に3・4回だけど)、美容院には行くけど、休みも合わないし、平日は1時間半の通勤時間だったので、美容院以外で会うことも一緒に呑みに行くこともなく数年が過ぎた。
さつきの店は大家さんの事情で移転することになり、移転後初めて行った時に初めて連絡先を聞かれた。
そういえば私もさつきの連絡先知らなかったな、と思い
「さつきの連絡先も教えて」と言うと、
「どうせ連絡してこないじゃん」、と返された。
カチンときて、それ以上は何も言わなかったけど、
なんでそんな言い方するの、そんなのわかんないじゃん。連絡するもん。
とは言えず、そしてそれきり美容院に行くのはやめてしまった。
美容院に行けばさつきには会えるから特に連絡先を知ろうとも思ってなかったし、今みたいに呑みに行く事なんてほとんどなかったし、それに元々さつきに対してだけじゃなくて、誰にでもあまり私からは連絡しないかもしれない。
けど、そうじゃなくて、さつきと私の間にはたぶん見えない壁があったんだと思う。
私はなんというか、お気楽で深く考えていなくて、ちょっとなんというか能天気というか、いい年して世間知らずというか、甘ちゃんだった。(あ、今もかも...お恥ずかしや)
彼女は繊細で傷つきやすいからごく限られた仲間にだけ心を開き、その仲間たちと深く繋がっている。
その仲間は中学時代からの友人で、成人式の時も一緒にいた彼女らだ。
彼女らは見た目も中身も大人びていた。
まわりが見え、状況を的確に把握、判断し、配慮ができる。
団結力があり、それぞれの役割がわかっていて何かあっても迅速に対応できる。
さつきを見ているとそんな気がするし、特にさつきが信頼していて仲の良いリーダー格のかよさんは一見怖そうだけど、姉御肌で面倒見がよく情が深そうだから、そうなんだと思う。
・・・・・私とはあまりにも違う。
まぁ、壁もクソもないし、さつきには全くそんなものはなく、私が勝手に感じていただけなのかもしれない。
そして、もしかしたら、連絡してこないじゃん、は連絡してくれてもいいじゃん、だったのかもしれない。
もう何もかも想像だけど。
行かなくなってしまったさつきの美容院はいつの間にかなくなってしまい、今さつきがどこにいるのかさっぱりわからないのだけど、まだどこかで美容院をやっているのならまた行きたいな。
今なら呑むのスキだから、一緒に呑みに行こうよ、って言えるのに(コロナだけど)
あぁ、美容院どこにしよう。
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