(過去の連載を転記しています)【新連載】育児、夫婦生活、ご近所付き合い…その悩み、法律で解決できるかもしれません

2017.07.11 08:00
こんにちは。

 大阪で生まれ、滋賀で弁護士をしています佐藤正子といいます。通称サトマコ@SATOMasakoです。今回からwezzyにて、育児やママ友とのトラブル、夫婦生活などで参考になる法律知識を紹介する連載を担当することになりました。

 2013年にTwitterで知り合った夫と2回目の結婚(夫は初婚)をして、2015年末に女児を出産しました。今は午後5時に事務所を出て保育所までお迎えに行っています。夫は大阪にある会社まで通勤しており早出遅帰りなので、育児は基的に私のワンオペ。兼業主婦生活に体力と、ときに心も削られています。

 最近の悩みは、晩ごはんの献立を考えることでしょうか。うちの夫は、唐揚げが大好きで、いつ「何べたい?」と聞いても、「唐揚げ!」としか返ってこないのでいつしか聞かなくなりました。仕事での悩みはもちろんいろいろあるのですが、なかなか肝心のことは言えないんですよね。

 さて、結婚後、しばらくは夫と二人暮らしでした。正確には同棲してから結婚したのですが、思い返せば一緒に暮らし始めた最初の3ヶ月くらいは夫婦げんかや話し合いばかりでした。一般論ですが、家を借りるときに敷金礼金はどうするか生活費はどちらがどれだけ負担するのか生活費は足りなければどうするのか買い物はいつ誰がするのか掃除・洗濯(干し方や乾燥機を使うか)家電や家具は買い換えるのか、夫婦間で決めることがいろいろあるんですよね。引っ越しにはお金もかかる上、趣向や趣味で意見が合わないこともしょっちゅうでした。結婚して4年経った今も、未解決のところもあります。

 もちろん、夫婦どちらかの両親と暮らせばその軋轢(いわゆる嫁姑問題その他いろいろ)も問題になるでしょうか。ただ、うちはどちらの両親もほどほどに離れており、結婚してもそう行き来もなく、大きな問題も生じていません。
 夫と暮らすことにだんだん慣れてくるにつれて、つまり、地雷を避けて生活するようになりましたので、けんかの頻度も減り、お互いなんとなく補って、あるいは都合の悪い部分は無視して、生活できていたように思います。ただ、子どもを妊娠してからつわりなどでしんどかったときもあり、そして子どもが生まれてからはさらにいろんなことが不自由になり、夫に文句を言うことも増えたように思います。里帰り出産するのか、病院はどう選ぶのか、費用はどれくらいかかるのか? 初めての出産はわからないことだらけでした。生まれてすぐ、3時間ごとの授乳(ミルク)、子どものおふろなど、待ったなしの育児のたいへんさも経験しました。
 子どもが生まれてからは、Twitterでママ友もできた上、産後100日で保育所に預けたこともあって私たち夫婦の人間関係が広がりました。保育所への送り迎え、そこで使うものの準備や連絡帳の記入もあります。生活費も保育所代がかかるようになりました。毎日のように子どもはケガをしますし、先日は他のお子さんから腕を咬まれたそうです。痛々しい傷がしばらく残っていました。私がお迎えをしているので働ける時間はぐっと減りました。私の収入も減っています。
 弁護士をしているので、離婚したい方から結婚生活のトラブルはいろいろ伺っていましたが、自分が実際にその中に置かれると確かに細かく困ったことはたくさん起こるものですね。そして、弁護士業というのは、ある意味、他人のことだから冷静に対応できるというものであって、自分のことだと冷静になれず、夫に八つ当たりしたり、子どもに対してイラッとしたりすることはしょっちゅうです。
 それでも過去の相談者の話から「これはあのときに聞いたことと似ている」「こういうことが起こるのはある程度は予想していた」と思うことも多いのです。そして「こんなとき誰にどう言えば話が早い、あるいはお金を払ってもらえる」「こういうふうに言うと逆に向こうはいやな気持ちになるだろうからうまくいかないかも」といったテクニックも法律知識と経験があるのでわかります。また、事前に予防したり、対応しておくこともできますし、仕事で知り合った方に少しなら相談もできます。
 今までは、Twitterで思いついたことをつぶやくだけでしたが、この連載ではこれまでの経験と知識を活かして、育児や夫婦生活などで悩みを抱える読者の皆さんに「こういうふうに考えると少しは気が楽になる」「こうなる前に、こういうふうにやっておくといい」ことをお伝えできたらいいなという次第です。
 次回以降、上に挙げたようなトラブルについて、少しでも楽になるような考え方や事前に予防する方法を取りあげていきたいと思います。


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