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あきばれとくりばやしのある暮らし

「元気ー!!」
いつもと変わらない笑顔で迎えてくれたエイミーとは数年ぶりに会った。
出産を機に退職。今は農場とお店の経営をしながら子育てをされている。
いつか彼女のお店に行ってみようと思っていたところで、くりばやしの写真の投稿を見た。
行くしかない!
Google mapを頼りに、あきばれの道のりをドライブ。
農場が見えて来た。

駐車場に車を止めると、その横を子供達が四駆で通り過ぎる。人懐っこい笑顔はお母さんとソックリだ。

外で写真を撮っていると、中から彼女が出て来て驚いた顔をしている。いつもなら直ぐにハグだけど、ここはグー?エルボー?と頭で考える間もなく、彼女は私に抱きついて来た。
大きなハグ!(まぁ、いいか、笑)
店内でしばらく2人とも興奮状態。
「くりばやしに行って見る?」
お客さんとして来ていた友達に店番をお願いして、2人で散歩に出た。歩きながら、お互いの近況報告をして数年間の空白を埋める。

「柿って知ってる?」と彼女。
「もちろん!日本ではポプュラーな果物だから。」
「あ、でもこの柿は甘いのかな?」と聞くと
「食べたら、なんと説明していいか分からないけど好きじゃない。」と可愛いらしい顔をしわしわにして見せる。
「あー、渋柿ね!」

「これは皮を剥いて干し柿にするか、良く熟すと甘くなるよ。」と教えてあげると、
「じゃあ、ディーハイドレーターでも出来るかな?」
「大丈夫じゃない?」と話しながら牛舎の横を通り過ぎる。
くりばやしに到着。

2列に綺麗に並んだ栗の木は全部で44本。
農場を購入した時にはもう既にあったそうだ。
さっき四駆で遊んでいた子供達も集まって来た。

みんなで、栗拾いの始まり。
遊ぶ時もカーボーイブーツの子供達は、くりばやしの中で走り回っている。
「こんな場所での子育ては最高だね!」
と言うと、子供が生まれてからこの場所に引越した、と説明してくれた。カウボーイブーツにカウボーイハットが良く似合っていた彼女らしい。
旦那様は会社員として働きながら農業に取り組まれている兼業農家。地域食材のよさや「地産地消の考え方」を広める活動を近隣の農家さん達と一緒にされている。

栗拾いの帰り道
「もう少し早かったら、娘が飼育していた豚さんにも会えたのに...」
と空っぽになった柵の中を見せてくれた。
「自分達で育てたの?偉いねー!」
と言うと、少し複雑な顔をしていた子供達は、コクンと嬉しそうに頷いた。
この子たちは毎日の生活で、命の尊さや、食への感謝の心を自然に感じながら育っているのだろう。どんな教育より素晴らしい。

ここのお肉は全て、グラスフェド、ホルモンフリー。肥育ホルモン剤、成長促進抗生物質等を使用していない自然な環境で育っている。翌日の投稿には、豚肉のソーセージや、ばら肉の写真が載っていた。
子供達が育てた、あの豚さんだろう。
もし購入したら大切に料理して、食べる前には自然に手を合わせてしまう様な、そんな神聖な気持ちになりそうだ。
スーパーで買うお肉よりも数倍高い。
でも、数倍の感謝の気持ち、有り難さも味わえる。

次回はお肉を買いに来よう!

振り返りながら、子供達にもサヨナラして
また、このあきばれの道を
来た時よりも少しゆっくりと走る。


どこまでも広がる青空を眺めながら....


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