活版印刷機を間近で見て浪漫を感じた日
ん~!!カッコいい。歴史の香りが漂い、浪漫という単語が似合います。
こんにちは。いきなり個人的に気に入っている写真を載せてしまいましたが、これは活版印刷機の一部分です。
先日、「活版印刷とコーヒーは似ている。」という記事で、活版印刷所に足を運んで、活版マスターと話すことでもっと活版印刷が面白くなると書きました。
書き終わったあと、やっぱり私も活版マスターに会いたい!と思い、記事の最後で紹介した桜ノ宮 活版倉庫さんのOPEN STUDIOにお邪魔してきました。
ふと気づいたんですが、活版印刷所がどんな雰囲気で、どんな機械を使うのか。前回の記事では触れていなかったですし、色々なサイトを見てみても意外と紹介されていないですね。たくさん写真を撮らせていただきましたので、先日の記事の補完の意味も込めて、紹介していきます!
こちらが桜ノ宮 活版倉庫さん。
向かって左が印刷所。右が打ち合わせスペースになっています。この日はオープンスタジオということで、外で物販もされていました。
シンプルで使いやすいクリップボードとノートパッド。このほか、打ち合わせスペース内でも商品販売がありましたよ。
活字をおさめるすだれケースも販売されていました。インテリアにも使えそうですね。
味わいある看板。
それでは印刷所の中に入ってみましょう!
どーん。入ると目に飛び込んでくる黒い大きな物体。こういったザ・マシンといった出で立ちのものを見ると無条件にワクワクしてしまう…。冒頭の写真はこの機械の一部分です。
一口に活版印刷機といっても、実はいくつか種類があります。こちらの機械はドイツのハイデルベルグ社が製造したプラテン機と呼ばれる自動の印刷機。残念ながらすでにハイデルベルグ社は活版印刷機の製造を中止しており、さらに活版印刷の衰退とともに廃業していく活版印刷所が頻発。絶滅の危機を迎える中で、桜ノ宮 活版倉庫さんでは廃業された印刷所から印刷機や活字を譲り受けられ、現在もこちらの機械で印刷されています。
この機械では自動で給紙され、紙がインキのついた版に押し付けられることで印刷されるのですが、イメージとしては下記の写真のような感じになります。(※この記事内の写真は、実際に印刷している最中ではありません)
パタン!と閉じると紙にインキが転写されるわけですね。
この作業が高速で行われていきます。
写真ではわかりにくいと思いますので、ぜひ実際に見てほしいなと思います!オフセット印刷機に比べて、活版印刷機は見学のハードルがぐっと下がるのが魅力の一つかもしれません。
ちなみに下記は「格好いいけど何なんだろう…」とずっと思っていたパーツでして。
せっかくなので活版マスターに聞いてみたところ、ストッパーとしての役割を果たしていて、持ち上げると印刷機がストップするとのこと。あと覗き込みすぎてケガをするのも防げます。なるほどー!
「テキン」と言われる小さな機械もありました。活版印刷のワークショップなどで触れたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。プラテン機と異なり手動なので、特別な訓練を受けなくても手軽に活版印刷をすることができます。
丸い部分にインキがつきます。左にあるレバーをガシャン!と降ろすと印刷できる仕組みです。手軽といえども、結構力が要ります。
他にも活字を間近で見れたり。
木活字も撮らせてもらいました。木活字とは、その名の通り木できた活字。
今でも現役で使えるそうです!
今回の戦利品。
台紙:GAファイル、本文:レイドプリンティングのレシピカードを購入!もちろん桜ノ宮 活版倉庫さんで活版印刷された一品です。
実際にレシピを書いてみました。(字が汚いのは目をつむってください…)
レイドプリンティングはステーショナリーペーパーと言って筆記性に優れた紙なので、適当なボールペンを使いましたがするする書けました。ツルツルし過ぎず、適度に引っ掛かりのある紙は書きやすいですね。現在庫限りで廃盤なのが悔やまれる…。
台紙のGAファイルのチェック柄のへこみは、いつまでも撫でていたい心地の良い手触りを生み出しています。
当日は人も少なめで、印刷や紙について色々とゆっくり相談できる環境でした。
あとやはり、機械を生で見れるのも良い…!今はもう生産されていない機械が、受け継がれ新しいものを生み出し続けているというのは、なんだか浪漫を感じるんですよね。最新の機械ももちろん良いですが、何十年と様々な印刷物を生み出してきた機械は歴史の味わいが加味されている気がします。桜ノ宮 活版倉庫さんの機械と、別の印刷所さんの活版印刷機を見比べたら、また趣が違うんだろうなあ。
次回は3/28開催とのことですので、近郊の方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
生で見ることで得られる強さは確実にありますから。
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