見出し画像

キラキラした紙ってテンション上がるよね

星空、ガラス、宝石、イルミネーション、ラメ…。
キラキラしたものって何か人を惹きつける魅力がありますよね。

私の場合、小学生のときはラメ入りペンを集めたものですし、今でもプラネタリウム大好きです。(それはただ星好きなだけかもしれない)

紙も一緒ではないでしょうか?
キラキラした紙に触れると何だかテンションが上がるというか。ちょっと他の紙とは存在感が違うんですよね。

というわけで今日は、キラキラした紙について好き放題に語ってみたいと思います!

キラキラした紙とは

キラキラした紙と聞いて、皆さんはどんな紙を思い浮かべますか?
私の場合は、こんな紙たちです。

いわゆるパール加工紙と言われるものです。

紙は元々キラキラしているわけではなく、まず原紙と呼ばれる元の紙が作られて、後からキラキラに加工されます。
パール加工紙の場合は、原紙にパール顔料が含まれた塗料を塗工します。

紙によってはパール加工されているのは片面だけなので、裏返すとよくわかりますね。

シャインフェイス ゴールドという紙。左が表で右が裏面。裏はキラキラしていない

実はこのようなパール加工紙の種類はかなり多くて、全部は紹介しきれないほど。しかもパール顔料を塗工した紙以外にも、ガラスフレークやメタリック顔料を塗工してキラキラさせている紙もあるので、それも入れると膨大な数に…。

というわけで今回は、独断と偏見で選んだ、私の好き・気になるキラキラ紙を一部ご紹介します!

スタードリーム-FS

まずはイタリアのキラキラ紙、スタードリーム!
両面パールで、色数が15色と豊富な点が魅力です。
あと名前が良いですよね。覚えやすいし、「キラキラしてる感」が名前から伝わります。

個人的には、淡い色よりも濃色の方がキラキラが際立って好きです。

以前「青い本から探る、紙と印刷の世界」という記事を書いて、自分が紺色好きであるということを自覚したのですが、スタードリームでもナイトブルーが好みです(笑)。

あとブロンズも良いですね。スタードリームは貼り箱に使える薄い厚みがあるので、特にチョコっぽい色をしているブロンズは、バレンタインのパッケージでよく見かけますよ。

左がナイトブルー、右がブロンズ


リアクション-FS

続いてはドイツ・グムンド社の紙、リアクション。

よく見ると、キラキラしているだけでなく、表面に細かいエンボスが施されています。このエンボスは高級感を演出するだけでなく、指紋がつきにくいというメリットもあるんですよ。

リアクションの魅力の1つが、ちょっと変わったカラーバリエーション。なんと蛍光色がラインナップされています。

いやー、派手ですね!!

左からシトラスブライト、パッションピンク、スパークリングレモン、シグナルレッド

特にスパークリングレモンとシグナルレッドの存在感はすごい。
この2種類のみ両面キラキラで、きらめき感も他の色と違います。他の色が全面キラキラに対して、こちらはキラキラの粒が散りばめられている感じでしょうか。

いったい何に使うの…?という声が聞こえてきそうですが、私の知る限りでは名刺やタグに使われていました。一度目にしたら忘れられないほど強い印象を残すので、インパクト大の紙モノを作りたいときに活躍してくれますよ。

ちょっと話が脱線するんですが、リアクションには実は黒い紙もあって。その紙の名前がなんと ‟GO to Hell Black″ !!

黒の地獄へ行け…ってこと?
日本では考えにくいネーミングですが、深みのある黒色とマッチしていて、不思議と不自然には感じません。

写真はメーカーの見本帳なんですが…めちゃくちゃカッコいいデザイン。

黒い部分が紙の色です

ちなみに黒はキラキラしていません。残念ながら日本では流通していないので手に入れるのは難しいですが、いつか見本帳以外で見てみたい、ちょっとした憧れの紙です。

タントキラ

続いては2021年に発売された比較的新しい紙、タントキラです。

名前の通り、タントという紙にパール加工が施されています。
タントはこのnoteでも何度か取り上げたことがあるのですが、色数の多い特殊紙の代表格で、なんと全200色!
書籍、パッケージ、名刺、メニュー表、パンフレットの表紙などなど、街のいたるところで見かけます。

タントは1987年に発売され、2019年にリニューアルしました。その際に50色増えて、カラーラインナップも今の時代に合ったものに体系化。
タントキラは、そのとき増えた新色から中心にベースとなる色が選ばれています。

裏面はパール加工なし

実は元々、タントキラに良く似たきらびきTという商品がありまして。

メーカーの営業さんにお会いする機会があったので、「この2つの違いは何ですか?」と聞いてみたところ、きらびきTが少し黄みがかっているのに対し、タントキラは紙本来の色が生かされているクリアな輝きとのことでした。

比べてみたら確かにそうかも…。(ベースになっているタントの色が違うので、ややわかりにくいですが)

左がタントキラ、右がきらびきT

カラーラインナップもきらびきTは和風な印象でしたが、タントキラはペールトーンで爽やかな感じ。和風にも洋風にも幅広く使えそうです!

ペールトーンが可愛いタントキラ


ミランダ

やっぱりミランダにも触れておきたい!

この紙は、赤・青・白の3色のガラスフレークが塗工されています。写真では難しいですが、よく見ると赤・青・白が識別できると思います。

他のパール加工紙に比べるとキラキラが派手!
キラキラというよりギラギラ…?笑

80㎏と100㎏の薄い紙は片面キラキラ、130㎏・170㎏・210㎏の厚い紙は両面キラキラです。


スペシャリティーズ

スペシャリティーズ147-S

今まで紹介してきた紙は比較的薄い紙が多かったですが、たとえば化粧品のパッケージを作りたいときなど、厚紙が欲しいときもあります。

そんなときに活躍してくれるのが、厚紙×キラキラの代表格・スペシャリティーズ!!

厚みがあるのが伝わるでしょうか

スペシャリティーズにはパール加工紙以外にも金・銀、ホログラムなどたくさんの種類があります。というかありすぎて…すみません、把握しきれません…(笑)

私の中では光り輝く厚紙=スペシャリティーズの印象がありますね。


キラキラした紙っていったい何に使うの?

さて、ここまで様々なキラキラ紙を好き勝手に紹介してきましたが、実際はどのような用途で使われることが多いのでしょうか?

個人の主観ですが、

・ウエディング(招待状・席次表など)
・同人誌(主に表紙)
・化粧品のパッケージ

あたりが多いと感じます。

同人誌については、同人誌専門の印刷会社さんが使用できる紙をいくつかラインナップされていて、デザインによって表紙や遊び紙をキラキラした紙にすることができるんですね。
今回触れた紙以外にもペルーラキュリアスIRスノーエッセンスCoCキラシェルルックNなど、主に白いパール加工紙がラインナップされていることが多い印象です(イラストを印刷するため)。そんなわけで、同人誌を作られる方はとてもキラキラ紙に詳しいように思います。


さいごに

キラキラした紙のマイナスポイントを挙げるとすると、やはり価格が高いところ。ですが、生産するのに手間がかかりますから、仕方のないことだと思います。

実は紙屋さん時代に、リアクションのメーカー・グムンド社さんのお話を聞く機会があって。
そのとき、「私たちは高い紙を売っているわけではない。紙に合った、適正な価格をつけているだけだ」というような旨のお話があったんですね。

なんて素晴らしいマインド…!!
今でも心に残っています。

ついついコスト優先になってしまいがちな世の中ですが、やっぱり安さを追求するだけじゃ素敵なモノは生まれないですよね。(普段、スーパーでつい安売りの商品を探してしまう自分を反省…)

キラキラした紙は価格以上の高級感を演出してくれる、特別な紙でもあります。普段使いはなかなか難しいかもしれませんが、ここぞ!というときにきっと活躍してくれますよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?