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金のメッキが剥がれた時

愛を返してくださいと
あなたは言ったのだろうか?
歳月の中で
盲(めしい)になって
私のせいにすれば
全て片付くね
でも 言っておく。

あなたには
初めから
選択権があったはず

道標もあったはずだし

枝の別れた道にも出会っている

そして指標は
常に あなたの指が示したはず
わたしがそうしたように。

失敗

過程に過ぎない日々を

嗚呼!
愛を返してくださいと貴方は言ってはいない

時間を返せ と言ったのだ

そこで初めてわたしも
わたしの人生を返してほしいと
思いました。
自分が選択したすべてが
失敗に終わったとき
目の前にいる人のせいにするのは
簡単だから

あなたの優しかった幻は
実に軽薄なものだったのだと
知ったし、
私のメッキも剥がれ落ちて
愛などどこにも見当たらない
日の落ちゆく夏の終わりに
わたしは
死んだように生きた

美しいもの は所詮、夢でしかない

幻想の中で
あっちを向いてひとり踊っていただけだった

わたしは早く死出の旅に出ようとおもいます

お望み通り

醜悪なあなたは

醜悪なこの世で

百までも 千までも 長生きすればいいのです

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