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生産者訪問#6|塩|越前海岸志野製塩所

福井ツアーレポ④ 越前海岸で塩を作っている志野製塩所。代表の志野佑介さんの生き方は、塩をつくりたいのではなく、生きる上で欠かせないコト・モノ・ヒトの循環の中のひとつとして塩づくりをされている。

塩の結晶である◇、緑の山と波の青、eとnで塩と縁
製塩所内に大きく描かれた志野さんが目指す循環型の暮らし方

原材料「海」。以上!

「塩の作り方をご説明する前に、まずは原材料を見に行きましょう」と案内してくださったのは海(笑)。

海水のくみ上げポイントから日本海を臨む

越前海岸には雄島、亀島、鉾島という3つの神々の島があり、それらを一望できるのは、志野製塩所の海岸からのみ!(島々の神話の話は後半で。)

この景色に惚れたことと、越前海岸で海水をくみ上げられそうな場所の海水を舐めてみて、ここの海岸の海水が一番おいしかったことから、この場所に製塩所を作ろうと決心したそう。
この辺りは山と海が近く、湧水が海に流れ出ているから、海岸によって塩分濃度が違うらしい!志野製塩所の汲み上げポイントは塩分濃度が低く、まろやかな味。

薪でひたすら煮詰める

塩の作り方にはいくつかあって、イオン交換膜法が最も一般的で大量生産の塩に使われている。古くは塩田で塩づくりがされていたんだけれど、海水を塩にするにはとても時間がかかるから、かん水といって、濃度の高い海水を作った後に煮詰める方法が取られていた。

(愛知の塩歴史については以前こちら↓でまとめました)

志野さんの塩の作り方というと……ひたすら煮る(笑)!しかも薪を使って。

あえて薪を使うことで、間伐材を利用することができ、山もよみがえる!
将来的にはそういう循環でやって行きたいのだけれど、今はまだ間伐した薪は使っていないそう。
ただ、この地域で空き家になった家の廃材を利用しているんだって。

百笑の塩

志野さんは奥さんと仲間とで、塩の他にもお米や畑、梅、ヤギ、ニワトリ…たくさんのことを手がけていて、塩はその暮らしの中の一部。

「たくさんやっているように見えるけど、ひとつひとつはそんなに作業時間内から効率よくやれば全然大変じゃないですよ。」と笑顔で話す。

百姓とは、百の姓(いろんなことができる)を持つという意味があるけれど、志野さんは百の笑顔を作り出す、百笑。

海そのものの百笑の塩は四季で味が変化するらしい

海100%の塩はまろやかでとっても優しい味。結晶のままの塩は、サクサクとしていて、かけ塩で使えばアクセントとして最高!

キレイな四角。ピラミッド型の塩の結晶

商店〈しの屋〉

製塩所に隣接している、ヒトモノコトを伝え繋がる商店『しの屋』。

塩を始め、ニガリや野菜や卵などを購入できる。

産地情報

以下、オマケ

観光スポット①:神話が残る島々

志野製塩所から臨める雄島・鉾島・亀島は神々の島。
雄島は島の中に大湊神社という神社があり、昔から海の神様の島として崇められている。鉾島は島の頂上に不動明王が祀られていて、亀島は仙女の弁財天をまつった社殿があり、別名「弁天島」とも呼ばれているそう。

今回時間が無くて島には渡れなかったけれど、雄島も鉾島も島に渡れる。車から海岸を眺めたけれど、見たことがないような自然の風景美が広がっていた(ちょっと怖いくらい)。

神々の島をバックに

島には自由に渡れるんだけれど、

その昔、鉾島(不動明王がいる)に女性が登ったところ、弁天様(亀島)が焼きもちを焼いてしまい、近くにある水分(みずわけ)神社で湧き出ている湧水を止めてしまった。
「相撲をとれば湧水が復活する」というお告げを元に相撲を取ったところ、無事に水が湧きだした。

という地域の言い伝えがあるそう。それ故に、今でも水分神社には土俵があり、毎年6月の奉納祭りの際には相撲が開催されるのだとか。

水分神社にある土俵

”焼きもち”ではなく、「尼さんが沐浴したから」説が一般的らしい。「所説あり」歴史あるある。

観光スポット②:モネの池・水分神社

水分神社の前には池があり、そこでは色とりどりの錦鯉が優雅に泳いでいる。何とも言えない美しい風景。

モネの池!

「ふくいのおいしい水」に認定された湧水(神話の湧水ね)を汲むこともできる。

観光スポット③:豆乳ソフトクリーム

志野製塩所から車で15分のところにある〈ごーる堂〉。大豆の製粉会社が営むかわいらしいお店で、牛乳・卵を使わない豆乳ソフトクリームや福井の郷土食「呉汁」に欠かせない生の大豆粉が手に入る。

卵や牛乳を使っていないと思えない!クリーミーだけどさっぱり。甘すぎなくておいしかった。
顔ハメパネルあったらやるよね。

その他福井の訪問地


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