【Vol.508】縦軸と横軸で思考を深める!
【本のタイトル】
武器としての図で考える習慣
【著者】
平井孝志
【インプット(引用文章)】
「田の字」は、とてもシンプルな2次元の枠組みなので、本質を切り取り、思考の整理をするのに役に立ちます。また、そこから解決策を導き出す手助けをしてくれます。
もちろん、仕事や業務以外でも役に立ちます。たとえば、「将来何をしたいか」について考える場面を想定しましょう。
考えられる軸は「やりたいこと」「できること」あたりでしょうか。それを組み合わせると図50のような「田の字」ができます。
もちろんベストは右上。ただ、なかなかそうもいかないとすると、現実的には右下「現実解?」か、左上「不幸な選択?」。どちらを選ぶべきか。
テレビで活躍している某予備校の先生は、多くの人は左上の「やりたいこと」×「苦手なこと」を選ぶから不幸せになる、やりたくなくても、得意なこと(右下)を選ぶべきだと主張していました。
たしかに納得感はある。ただ自分の経験を振り返ると、長い目で見れば、意外に左下の「やりたくないこと」「苦手なこと」も重要ではないかと思えます。その時々の状況を受け入れ、「やりたくないこと」「苦手なこと」にもチャレンジしてきたから、やりたくなかったことがやりたいことになり、苦手なことが得意なことになって、自分の幅が広がってきた気もするのです。
私は物理が好きだったので、物理学者になろうと思っていました。でも大学院卒業の時、訳あってよくわからないビジネスの世界に飛び込みました。その後、最初に書いた本が「組織」の本。ビジネスの中でも組織はふにゃふにゃして捉えどころがなく、一番興味がなかったのに、です。また、米国にも留学しました。でも、学生時代一番苦手だったのは英語でした。結果、今では多少なりとも英語を話せるようになりました。
「あれ、、、ちょっと嫌だな・・・」と思うものにも前向きにチャレンジすること。それが、自分の持つ意外な能力の発見につながったり、人生を豊かにすることにもつながるのかもしれません。
このように2次元の「田の字」を使うと、色々と発想を膨らませることができます。シンプルな田の字でも、自分の将来を考え、人生論を語ることも十分可能になったりするのです。
他にも「田の字」がパワフルだという理由があります。その理由は、こんなにシンプルなのに、結構たくさんの要素をうまく盛り込めるリッチな図だというところにあります。
例えば、
・性質の異なる2つの要素を縦軸と横軸に自在に取り込める
・結果として、物事を4つに分けることができる
・さらにはその4つのマス目に、タイトルをつけたり、事例を分類したりできる
・あるいはマス目のどれかに色をつけると、それを強調することもできる。
・矢印を足すと、動きも表現できる
田の字はシンプルでいて、非常にリッチ。これがこの図の魅力です。
【アウトプット(具体的アクションプラン)】
思考を深めるために、縦軸と横軸の図で考える!