50過ぎての再チャレンジ(3)。LPIC Level3 Securityを取得したよ
前回までのあらすじ
LPIC Level2で取りました。
そして、ついにLPIC Level3を取得!
このたび、LPI303-300(Security)に合格し、LPIC Level3を取得しました。
いやー、長かった。
本篇に入る前に
以前、LPICを取得したことがきっかけでIT系の会社に入ることができたと書きましたが、このたびLPIC-3 Securityに合格してLPIC Level3を取得したことを会社のブログにも書きました!!!
なので、概要はそちらを参照してください。
このnoteではそちらにはとても書けない生々しい苦労話をグダグダ書こうと思います。
そもそもなんでLPIC-3 Version3の教材もない状態で慌てて取ったのか
私は201を受ける時「なにがなんでもLevel3まで取ってやる!」と気合を入れ自分を追い込むため3回分のバウチャー(受験チケット)をぽーんと買ってしまいました。その時、LPIC-3はバージョンが上がったなんてまだ把握できてませんでした。
良い子は真似しないでください。まとめ買いしても安くならないのに。
201、202とバウチャーを使って、いよいよ最後の一回分は303に。実はバウチャーには有効期限があるんです。でも、それは2023年7月。余裕じゃん。実はもう一つ制約があって。購入していたping-tの有料コンテンツの期限が4/23でした。ping-tがないと無理です。いや、もう一ヶ月課金すればいいんだけどさ!でも、それでダラダラ先延ばししたくなかったんだよ。そういうわけでなにがなんでも4/23まで受験し合格したかったというわけです。
基本方針を決めた
202があまりにきつかったので、LPIC-3はもう少し人としてまっとうな生活を送りながら勉強したいと思ったんです。
勉強開始時の2月に決めた方針は、
禁酒は継続(ただし、月2回の外のみはOKとする)
載っているコマンドは全部実行
問題に出たコマンドも実行
ping-tは継続
疑問点をノートにまとめる
暗記しづらい点の自作問題集は継続
まあ、2と3は無理でした。
あと、twitterばかりやってしまうつい廃なので、PCにこんなのも貼りました。
tweetするなら問題解け、と。これはけっこう効いた。しかしやっぱり後の方では破綻した。
コマンドオプションとサブコマンドが覚えられなくて、トイレに貼った。
小学生の九九かよ!と思ったけど、これもけっこう効果あったと思います。ping-tで間違った後トイレで「そうだよこのコマンドオプションだよ!!」ってマーカーでぐるぐる。座りながら。
年を取ってからの暗記方法
若い時は、一回見ただけで覚えられたよ、なんて私も言ったりするけどそれは嘘で。高校生の時だって全然興味のない物理とか数学とか地理とか壊滅的にダメだった。
興味があって、脳内で別の形で再生されて咀嚼しないと記憶って定着しないです。
で、年を取ってからはそうやって脳内再構築したものでも、スルスルと記憶から抜けていくので、複数の方法で定着させないといけません。
語呂合わせも、くだらないとか思わず、自分で作って覚える。喋る。(まるでてくとこんふまるでっと!とか呪文だと思って)
202の時のサーバ証明書と同じく、吹き出し付きのマンガにする。
DNSSECがなかなか頭に入らなくてつらかった。がんばったおかげで受験直前にはping-tに問題ミスを指摘するぐらいになりました。
303のテキストがない!Version3はもちろんVersion2もない!
会社ブログにも書きましたけどほんと困りました。テキストはこれぐらいしかないのですよ。
見ての通り、書籍版は、プレミア価格です。
電子版はあるけど。中古でも出なくて。ようやくメルカリで買えたのは裁断済みのもの。結果的に勉強したい章だけ持ち歩けて便利でした。
LPICのテキストって重いんだよ。
仕事しながらの勉強について補足
結局過酷な状況にしないと決めた割には、仕事終わって夕飯食べて「さて…」と思った途端寝落ち。寝ないよう立ったまま勉強しても立ったまま意識が飛ぶ。風呂で寝かけて溺れる。というのは、202の時と同じです。なお、エナドリとかカフェインにはあまり頼りたくなかったです。
栄養学的なアプローチも必要だったかもしれない。若さでなんでも解決できる年齢じゃなくて、体がどんどん朽ちていく年代だからね。いろいろ補わないと。
夜眠い状態の勉強は、酒を飲んでいるのと同じでほとんど頭に入らない、とどこかで見たので、じゃあいっそ夜はやらないほうがいいのでは?とも思いましたがそういうわけにもいかないんですよね。
私は家族もいないので仕事以外の時間は勉強できましたけど、家庭があるとこういう勉強ってほんと厳しいなと思います。
が、実は就業時間中に(もちろん他の仕事をちゃんとやってさらに時間が空いたら)勉強してもいいのでは?と、受かった後に聞きました。なんて素晴らしい会社なんだ弊社。
自分を律する
花見の季節に禁酒してしまったのは辛かった。予定では試験に無事受かって花見だったのに今年は2週間も早く咲いちゃって。
でも勉強時間を捻出するための禁酒は効果があったと思います。「こんなに辛い思いしてるんだから絶対受かってうまいビール飲んでやるんだ!」という気になりました。
こういう、願掛けとか、試験前とかマラソン前にお酒を断つのはもう恒例で、禁酒は趣味になってます。
またもマラソンの予定を入れてしまう
4/23まで受かりたいと決めたのは前述のとおりですが、その4/23に他県でのハーフマラソン大会の予定を入れてしまいました。しかも翌日有休を入れて遊ぶつもりで。
予定入れた時は、3月に試験受けるつもりだったんですよ。でも、全然思うように勉強が進まなかったんです。だから、マラソンの一週間前の16日に試験日を予約。そしてもしそれに落ちたら、有休のレジャーも中止でその日に再受験しようと。もちろん、マラソンの後のビールも禁止ですよ!だから、なにがなんでも16日受かりたかった。再受験を考えながらハーフマラソン走りたくないよ!そして当然、マラソンの練習で走らなければならないわけですよ。4日に一回くらいしか走れなかったけど。練習はたしかに気分転換になります。でも、自分でこんな日程にして、バカじゃないかと思いました。
帰省時の移動時間を勉強時間に
2週間に一回の新幹線での帰省は、母の状態がだいぶおちついたので3週間に一回位になっていました。これはかなりありがたかった。
帰省中はずっと親の相手をしてほとんど勉強できませんが、新幹線の中ではなるべく勉強するようにしました。
試験直前のメンタルと勉強法
試験3週間くらい前に、ping-tで重なっている部分(旧範囲)は8割取れるようになってきて、これまでの試験の経験からあと1週間やりこめば100%まで持っていけると思ってました。
しかし改めてVersion3の出題範囲を見直した時、自分が計算を間違えて、思った以上に新範囲が広いことに気づきました。パニックです。新範囲を全部間違ったら旧範囲を全部正解したとしても合格点に届かないらしい。これはやばい。
無謀だったんだやっぱり。バカだ私は。と鬱になってEvernoteに謎のポエムを書きました。
もう時間がないから、行けそうなものに絞って問題集を作り、他は捨てることにしました。旧範囲は満点、新範囲は半分を目指しました。
本当に受かる気が全然しなくて、twitterで「受かる気がしない」、ばっかりツイートしてました。(あれ?禁ツイートはどこへ)
合格体験記とか見ると、2回とか3回とかで受かっている人もけっこう多くて、そんなに難関だったのか、これは1回目はVersion3の偵察だと思って落ちる前提で受けた方がいいんじゃないかと思えてきました。しかしマラソンの関係でなんとしても1回で受かりたい。ああやっぱり無謀だ…
しかし旧範囲はパーフェクトに近づいていたので、新範囲を勉強しつつ時々ping-tをやって自己肯定感を上げたり下げたりしていました。
LPIC-3 Security (303) Version3の勉強方法補足
GitLab Pagesで勉強ノート作った、の他の補足。
openvas(コマンドがVersion2と変わってるしGVMになってるし!!)とstrongSwanの情報がなくて困ったので、早めに捨てました。
UsbGuardはVirtualBoxでも気軽に試せるので、ぜひいじくりましょう。
まるっと新範囲の脆弱性(335)は、なんとなくの基礎知識をいくつかのセキュリティの専門会社のサイトの解説で補強しておけば(そして自分なりにノートにまとめたりして記憶に叩き込めば)Okです。MetasploitやKali Linuxは実際にやっている人がたくさんいてブログも動画もあるので、見て楽しんでおく。nmapも実際にローカル環境で試してみるとよいです。
ホストハーデニング(332)がまじでわかんなくて、コマンドいくつか実行してみたくらい。大きいので捨てたくなかったけど結局点も取れませんでした。もしコンテナの知識があったらもうちょっと行けたのかなと思います。
ChatGPTで問題を作ってみたけど使えませんでした。しれっと嘘ばっかり言う。
試験当日、そしてその後
試験前恒例ですが、息子と親に「試験受けるんで励ましてくれ!」とお願いしました。息子に「かーちゃんなら行ける!!!」と言われると嬉しいし、息子かわいい…
試験前日になると、もう脳が疲れすぎて、絶対忘れないと覚えていたものがスコーンと真っ白に抜けたりするんですよ。どうかそれだけはないようにと願いながら、頭に水が一杯溜まったのをこぼさないようおそるおそる歩くような気持ちで、会場へ。5回目のテストセンターはもう勝手知ったる感じで。
試験終了のボタンを押したあと「pass」の文字を見た時は信じられない気持ちでした。640/800。
終わった…これまでの苦労が…報われた…
202の時と同じく、受かったら午前から飲める店でビールを飲もうと決めていました。でも、まずは近場で脳にご褒美の糖分。
そしてビール!
自己肯定感爆上がりの状態で飲むビールは最高です。
無事試験が終わったので一週間後のマラソンも完走。完走後と翌日のビールもおいしく飲めたし、有休もしっかり楽しみました。
最後に
お願いします、バージョン3対応のLPIC-3の参考書や問題集、早く出して下さい。
ping-t様も、お願いします!
LPIC-3 Securityを取ったというと、けっこういろんな人に「すごいね」って言われるんですけど、実務経験がなくてもLevel1から順に受けたら取っていけるので、資格マニアの人もとったりしてます。暗記だけでもいけちゃうからね。
逆に言うと、現場では役に立つのか?というとやっぱり即戦力ではないかなと思います。
次はAWSかGCPの資格をとりたいですね。こちらも実務で必要になってきそうなので。
試験への挑戦はまだまだ続きます。
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