見出し画像

失恋から始めるわたしのはじめ方⑭~第二章

あけましておめでとうございます🐰
ゆっくりですが、自分のペースで今年も更新しますので
宜しくお願いします。(笑)
ここから大学院に通いだすので、第二章の始まりです。

🌸ここまでの流れ
失恋をきっかけに自分探しをすると決めた私は心理学に出会い、地元の愛知県を離れ、東京の大学院へ行くことに決めた。

前回の記事↓

さて、東京の大学院へ通うと決めた私にはたくさんやることがあった。
住む場所を決めたり、自転車を買ったり、その他もろもろの手続き。
父や母に手伝ってもらったり、都内にいる叔父叔母に協力を得て一緒に物件巡ってもらったり。

もろもろが終わって、東京へ行く準備ができた時、3月に定年退職の父と私の進学祝いが行われた時、妹は妊娠していた。

妹は12月に結婚していた

*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*

私の大事な大事な妹。
高校の頃、妹が病気してからは特に私は妹の母親ぐらいの気持ちで妹と接してきた。この家族の中で一番私が精神的に妹のそばにいられたからだ。妹が望むものは何でも叶えてあげたかったし、妹に何かあれば、自分も死ぬだろうと思うくらいに大事だった。でも、お姉ちゃんからのそんなに重い愛を見たら引くだろうから、ちょっと隠しつつ、妹と接していた。
その愛を隠すのが下手なせいで、妹が困っていれば自分の用事はすっ飛ばして妹のもとへ行くけど、大事なところでいつも隣にいれない自分が嫌いだった。なのにいつも妹は「お姉ちゃん大好き」と言ってくれる。

そんな妹には、大学から付き合う彼氏がいた。
私は最初すごく嫉妬していたが、出会った瞬間妹の彼氏が好きになった。
だって、本当に気さくな奴で、最初に出会った時から私を「おねーちゃん」と呼んでくるのだ。どうも、彼女が甘えているお姉ちゃんだから甘えていいと思っているらしかった(笑)私が部屋の断捨離するときも妹と共に手伝ってくれて、良く動く、よく食べる、よく笑う、私の大事な妹を大事にしてくれるとてもいい子で、私は妹が彼氏の前で本当に自由に大爆笑しているのを見て、とても安心できた。私は妹夫婦が二人まとめて大好きだ。

大学が信州の私が実家の愛知県で就職を決めたのは、妹のそばにいてあげたかったのが大きいが、一人にするのが心配だった妹を愛知県において、私が東京へ行けると思えたのは義理の弟のおかげだった。

私が東京へ行く前の12月に結婚を決めてくれて、すごく嬉しかった。

でも私は、妹の結婚式も、まだ母親ぐらいの気持ちでいた。妹の友達にあいさつ回りをして(私も妹もお互いのことをすごく人に話すのでみんな私のこと知ってる。)誰よりも自分の一番大事な子が家を出ていく悲しみと幸せで泣いていた。あんなにきれいなお嫁さんは見たことがない。

その一方、足が悪い父方の祖母の杖代わりとして、隣にずっと寄り添えたのも嬉しかった。父方の祖母は、唯一ずっと私たち孫を、ただ生きているだけで愛してくれた人だったからだ(それに気が付いたのは父方の祖母が死んだ後でした。本当に遅いよね。)。父方の祖母とはなかなか会う機会が少ないため、結婚式前日の夜、父方の祖母と同じ部屋で久しぶりに寝て、朝起きてほぼすっぴんなのに口紅だけするおばあちゃんがかわいくてたまらなかった。長く一緒にいられてすごく嬉しかった。

もう認知症の母方の祖母のもとには妹がサプライズで花嫁姿で病院へ行った。昔から家にいない両親の代わりに私たち孫の世話を全部見て大事にしてくれた祖母に、認知症になる前に花嫁姿を見せてあげたかったが、私にはそれができなかったから、妹がやってくれて嬉しいやら、申し訳ないやら、悔しいやらいろんな気持ちが渦巻いた。母みたいな気持ちではなく、姉としての気持ちだった。

母方の祖母が結婚式に来れないからといって、水谷家を立てるために父に言われて自前の着物を着てこれなかった父方の祖母も、きっと、色々感じていたものがあっただろうから、父方の祖母の杖役の私はちょっと遠くから一緒に遠くから眺めていた。私にはその位置がちょうどよく、その時に少し、妹の母みたいな立場から少しおりれて、妹の姉にちゃんとなれていた。妹のそばに絶対に妹を守ってくれる人ができたから、私もまかせて自分の人生を歩もうと思えた。

*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*

父と私のお祝いが終わり、私ももう東京へ行くため、なかなか会えなくなってしまうため、妹とバイバイするとき、妹と私は泣けて泣けてしょうがなかった。が、義理の弟も横で泣いていたので、笑ってしまった(笑)
まだ委縮するだろう嫁家族の前で、妹のために素直に涙が流せる義理の弟の存在が本当にありがたかった。「私の大事な妹を宜しくお願いします。まかせた!!!」と義理の弟の背中をバシッと叩いて二人を送り出し、私も東京へ旅立った。

妹を守っていた私のイメージ

東京では、その年退職の父と東京に住む兄の手伝いを借り、家具もろもろを整え、赤提灯系の店で父と兄と酒を吞みかわし(父がめちゃくちゃ幸せそうだった笑)これからの再スタートを祝ってもらった。

大学院の入学式は、大学の入学式と合同で行われた。
そのため、他校からも人が来てサークルの勧誘の花道ができていた。
東京の女子大の入学式でのサークルの勧誘はものすごい!!
有難いことに、大学生の先輩方は、見た目が若く見られる28歳の私をちょっと大人っぽく見える18歳の大学の新入生と勘違いしてくれて、次々とサークルのビラを配ってくれた。リクルートスーツの力ってすごい(笑)すごくいい気分になったので、”サークル何にしようかなぁと本気で迷っている大学一年生”を演じて、ウブなふりをして「(若く見てくれて)ありがとうございます」とほほ笑むだけで「かわいい~」と言ってもらえて気分よく花道を歩いた(笑)
実際に私が本物の大学生新入生だった10年前もサークルの勧誘はすごかったが、女子校陰キャあがりな18歳だった私は、勧誘が怖くて怖くてしょうがなくて、下向いてなるべく人と目を合わせず、早歩きでその場を去って家に逃げ帰って、その結果、みんながサークルのコンパへ行っていても私はどこへも行かず友達ができずに泣いていた…
でも、今となっちゃ大学でも社会人でも男性もいる社会にこちとら10年もいるんだから、全然へっちゃらで、しっかりとあざとさも身に着けて生きてきたからとても楽しい気分で勧誘を受け、どの部活に入ろうかな~♪などと湧いた気持ちを持っていた。

その後、大学院の同期と顔を合わせて話してみたが、多分私が一番勧誘に浮かれてビラをもらいに行っていた(笑)。

これはほかの大学の過去のニュースより持ってきた画像です。イメージ

その時までは楽しかった。
自分の力で築いた道で、やっとスタート地点に立ち、同期も仲良くしてくれそうなメンバーに恵まれ、妹は義理の弟に任せられ、憧れの東京の生活がスタート。
しかしその後一週間ほど、授業が始まるまで、一人で過ごさなくてはいけなかった。

それからがきつかった・・・!

一人暮らしは大学時代からなのでかれこれ10年以上で慣れていたが、
何よりきつかったのが、自分が無職であるという事実だった。

自分が何もしていなくて暇している時に、元職場の人や他の働いている人達は普通に仕事をして何かしらの形で社会と関わっている。

普通に仕事して、普通に患者さんや職場の人と話して、給料をいただき、普通に誰かとご飯食べて、普通に休む、という循環に慣れきってしまっていた私は、仕事をするという行為にどれだけ依存していたかということを思い知らされた。

仕事がないと、やることがない、話す人もいない、お金も手に入らない…。

朝何時に起きても誰にも迷惑をかけない。ぼーっとして何もしなくても社会は普通に回ってる。そして、明日も、明後日も、その次も…。
今まで一生懸命に働いてきた日常が、実は何もしなくても社会は何も変わらなかったという事実にショックを受けた。すごく。

働いていた時は、やれ、忙しすぎだの、もう帰りたいだの、さんざん文句たれて働いていたが、そんなどうでもいい、ただ同じ気持ちになって言いたいだけの愚痴を言える存在が、当たり前に近くにいないことがすごく悲しくて、職場シックになった。

社会の輪から突然外されたような気持だった。
突然、誰にも自分が見られていないような感覚になった。

私ここにいるよ、と必死に言っても誰にも気が付かれないような焦燥感に襲われていた。

働かざるもの食うべからず。
これから、大学院の授業料を払い、家賃光熱費を払い、生活費を賄っていく。それだけの貯蓄はしてきたし、バイトもするつもりだが、今後2年間ただただ貯金が減るのか…と思うと、お金を使うのが怖くてしょうがなくて、カフェにすらいけない。

すごい、感じたことのない無力感だった…。

大学院が忙しくなって、タイミングもつかめてきて、バイトもやってみたかったパン屋さんのバイトやほかのバイトも始め、失業保険をもらいだしたら落ち着いたのだが、お金が無くなる、社会とのつながりがなくなる、というのがこんなにも怖いものかと、仕事をやめて初めて分かった。。

それは、私が自分の前の仕事に誇りをもって働いていたからかもしれないし、実はすごく選民思考をもって働いていたからなのかもしれない、とも考えたが、同じく定年退職した父が同じ気持ちになっていたと聞いたので、きっとこの怖さは私だけのものではないのだと思う。

人は、知らない間に、当たり前にそこにあるものに依存していて、それに依存していると気が付くのは、それが失われた時なのだろう。

当たり前にそこにあってくれるものに感謝しなきゃいけないな、と感じる出来事だった。

人間は社会的な生き物だ…。

⑮へ続く


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?