エジプト王朝最後の女王「この世を支配するのは男。その男を支配するのは私。」:その2 女王様マインド
こんばんは。
Satoimosanです。
クレオパトラのご紹介・その2です。前回は、クレオパトラの激動の生涯をご紹介いたしました。
今回は、クレオパトラを「女王様マインド」の視点からご紹介いたします。
「受け取り、与える」成熟した大人のマインド
強靭な男性性
クレオパトラは、「エジプト王朝と国民を守り抜く」という揺るぎない信念によって、時に手段を選ばない大胆な行動に打って出ます。
男尊女卑が激しい時代、クレオパトラは、危険察知能力・瞬時の判断力・統率力・推進力・行動力・決断力・実行力を最大限駆使して、エジプト女王として君臨します。これらは、クレオパトラの強靭な男性性が成せる業です。
クレオパトラは、恋愛・妊娠・出産・結婚すらも「エジプト王朝を守り抜く」為の政治的戦略手段として利用しました。
窮地に追い込まれても、機転と知性と美貌を武器に、2人の権力者の心を魅了して愛人かつ同盟関係を結ぶ。彼らから絶大な援助と寵愛を余すことなく受け取り、クレオパトラ自身も彼らに癒しと安らぎと愛を惜しみなく与えています。
①並はずれた知性
クレオパトラは、地中海に面した国際都市アレクサンドリアで、プトレマイオス王家の長女として生まれ育ちました。
アレクサンドリアは学問を重視した街であり、当時では珍しく一般階級の女性も学校に通い職業に就くことを推奨されていました。「世界最大で最高の図書館」が、アレクサンドリアには創設されています。クレオパトラも哲学・科学・数学・弁論術など様々な分野において最高峰レベルの教育を受けます。肉体的な鍛錬も怠らず、乗馬の名手にもなりました。
クレオパトラが、ずば抜けた能力を発揮したのが「語学」でした。彼女は十数カ国語を操り、アレクサンドリアに訪れる人々と通訳なしで会話ができたと言われています。
冒頭のクレオパトラの名言は、外交面でも優れた手腕を発揮したクレオパトラの人間の本質を突く言葉です。悲しみとは、愛するカエサルを失ったことを指しているのかもしれません。
②優れた経済政策
クレオパトラは、エジプトを統率するために、様々な経済政策を実施します。
その一つが、現在の貨幣の起源となるコインの発行です。表に自らの横顔を描いて、その存在と影響力を民衆に知らしめます。
当時エジプトは、コインの価値を素材の質や重さで決めていたため貴重な鉱物の流出が止まらず、国は頭を悩ませていました。そこでクレオパトラはコインに数字を意味する文字を刻み、コインの価値を数字で表す仕組みを取り入れます。
また、当時のエジプトは、世界有数の小麦の生産国でした。ローマは、そのエジプトに小麦の大半を依存していました。
クレオパトラは、エジプト国内の穀物すべてをアレクサンドリアに集める指示を出します。国内の小麦を一ヵ所にまとめ、ローマへの輸出も自らがコントロールしました。さらに、他国よりもローマには格安販売で優遇することで、ローマを味方につけます。大国と敵対することなく、関係性を築き上げていくクレオパトラの交渉術は見事です。
出典:謎多きエジプト大解剖!<第3回>『世界三大美女 クレオパトラ』【好奇心で旅する海外】<歴史の時間>
クレオパトラは自らの豊かさや才能(地位、財宝、知性、美貌、人心掌握術など)を受け取り、エジプト国民の豊かさのために惜しみなく与えて活用しています。この姿勢こそが、心理学でいうところの「女王様マインド」です。権力者の娘や妻として豊かさを受け取るだけの「姫」の座には収まりませんでした。
際立つ女性性・「受け取ること」
クレオパトラは、「男性性」のみならず「女性性」も際立って豊かでした。
①絶世の美貌を創る美意識
世界三代美女の1人に挙げられるクレオパトラ。「39歳で亡くなるまで、肌は15歳のままだった」と言われているほど、美しかったそうです。
彼女は、美意識も相当に高く、食事やフェイス・ボディケアも入念に行なっています。クレオパトラは、自分自身に最高のものを惜しみなく与えています。以下が、クレオパトラの美容法です。
②自らを魅力的に魅せる術
クレオパトラは、装飾品や服装・メイクにも力を入れて「自らを魅力的に魅せる術」を磨き続けました。クレオパトラの髪型や服装は、クレオパトラルックとしてエジプトやローマで流行したそうです。
アイシャドウの起源も、クレオパトラが孔雀石などの宝石を砕き、目の周りを真っ黒に囲ったことにあると言われています。虫除け日焼け止め魔除けの役割も担っていました。
③巧みな話術と甘美な声、優美な仕草
クレオパトラは、外見・内面・所作からも、人を惹きつける魅力に溢れ出ています。「外見、内面共に、人々の印象に深く染み込み鋭い印象を残した」と「プルターク英雄伝」に記されています。彼女自身が、自身の魅力と才能を自覚していたからこそ、人々を魅了することができたのでしょう。
④喜怒哀楽の激しさをも魅力に変える。
この言葉は、クレオパトラの喜怒哀楽の激しさを表しています。ころころ変わる気分屋なところも、泣き喚き激しく怒る気性の激しさすらも、魅力的であることを述べています。
「一般的に女は、男を満足させると飽きて捨てられるが、クレオパトラは満足させた途端に更に欲しがられる」といった意味合いも含んでいます。
自身の気性の激しさもそのまま受け入れて、ありのままの自分を曝け出すクレオパトラ。そこもたまらない魅力のひとつです。
⑤威厳と自信
ローマの民衆から「エジプト人娼婦」「ナイルの魔女」など、いかなる批判を受けようが、クレオパトラはエジプト女王としての威厳と誇りを失うことはなく、正々堂々と振る舞いました。
「エジプト王朝と国民を守り抜く」という揺るぎない信念
権力者を魅了し寵愛を受けとる「女としての自信」
内面・外見・知性を磨くために「最高のもの」を惜しみなく自らに与える
これらが、女王としての威厳と自信を創り上げていました。
⑥男娼の存在
熊川哲也さんのバレエ「クレオパトラ」には、クレオパトラを拝めるのならば、自らの命を捧げても構わないという男性娼婦達が登場します。
クレオパトラに選ばれた男娼は、狂おしい一夜を過ごした後に「蛇の毒」をクレオパトラに飲まされて息絶えます。男娼に命を捧げさせるクレオパトラ。クレオパトラが、自身の存在価値の偉大さを受け取っているからこそできる行動です。
⑦金銭的豊かさの享受
エジプト王朝の豊かな財宝、権力者たちから与えられる領土、クレオパトラは金銭的豊かさをも目一杯受け取っています。しかし、どんなに豊かな女王であっても、幸せはお金では買えない寂しさを表現しています。お金よりも「愛」を求めたクレオパトラの心の叫びにも聞こえます。
突出した「男性性」と際立つ「女性性」から放たれるカリスマ性
男性性は、植物の幹を成す部分。ブーケで言うところの「スパイラル」に相当します。軸となる「スパイラル」があるからこそ、花々は優然と大輪の花びらを開花させることができます。
人も同じように、自らの「男性性に」よって大人の女性として自身を成熟させていくことができます。クレオパトラも、突出した「男性性」と際立つ「女性性」の絶妙なバランスを有していました。女性性と男性性のバランスが取れた大人のマインドこそ「女王様マインド」なのです。
クレオパトラは、魅力・地位・才能を受け取るだけでなく、エジプト国民や家臣、愛する男や子ども達のために「与える」ことを生涯を通じて行っています。彼らの幸せは、クレオパトラ自身の幸せでもありました。
クレオパトラは、自身の莫大なエネルギーを解放することで、自国エジプトを超えた権力者達を魅了する「大輪の花」を咲かせました。エジプト女王としての「リーダーシップ」と「カリスマ性」も存分に発揮しています。
常に「もう一段上のステージ」を目指しながら、セクシャリティ(生命力・人間としての魅力・性的魅力)を解放し続けていました。だからこそ、2人の権力者を魅了して、彼らの寵愛を受け取り、彼らの喜びとなって癒すこともできたのです。
ブーケ・セッション当日は…
花は、そこにただ咲くだけで美しい存在です。例えば、街中でイイ男を発見して、そのイイ男の胸ポケット目掛けて飛び込む花など存在しません。ただ大輪の花と芳しい香りを放ち、イイ男が吸い寄せられてくるのを優雅に待っています🤍
セッション当日は、15種類近くの草花に触れながら、次のイメージを描いて頂きます。
そして、更なる大人の成熟した女性としてのマインドを発揮した時、どんな雰囲気・表情・仕草をしてブーケを束ねているでしょうか?
これらをイメージしながら束ねる「女王クレオパトラのブーケ」とともに、更に美しくご自身の華を咲かせて頂ければと思います。
Satoimosanでした。
おまけ
熊川哲也さんの「クレオパトラ」世界観をご参考までに💛