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タイトル付けられない症候群のあなたへ。『心をつかむ超言葉術』

最近、noteのタイトルに気を遣いはじめました。
「スキ」の数が伸び悩んでいたことがきっかけです。

コツを盗むためにnoteサーフィンをしたところ、「スキ」が多い記事には共通点があると分かりました。
それは、読者を惹きつけるタイトルであることです。たしかに私も、書いた方のファンでない限り、タイトルで読む読まないの判断をしています。

クリックされないと始まらないと悟ったものの、タイトル付けに苦手意識があった私。
焦っていたときにたまたま読み始めたこの本は、ヒントの宝庫でした。

著者は、電通のコピーライターである阿部広太郎さん。人事配属だったものの、クリエーティブ試験を突破して今の活動を始めた経歴の持ち主です。

阿部さんはきっと、言葉を愛している人。
辞書を常用していることからも感じ取れるように、言葉が持つ意味や影響力を理解したうえで発信している印象を抱きました。

一方で私は、言葉に無責任でした。ライティングでも日常生活でも、なんとなくで言葉を選んでしまうことが多々あります。
ハッとした私がその後タイトル付けで意識しているのが、次の2つ。

記事のゴールを意識すること

阿部さんは講師を務める講座にて、「あなた自己紹介を伝わるように1枚にまとめてください」という課題を出したそうです。
課題に関して、印象的だった一文がこちら。

ゴールがわからないままひたすら走っても、永遠にゴールできないように、「伝わる」に対する定義を持たなければ、「伝わる」なんてありえない。(P23)

阿部さんは、「伝わる」とはどのような状態か自分なりに仮説を立てること、つまり「マイ定義」を持つことが重要だと述べています。

私の心に刺さったのは、この文の前半です。永遠にゴールできない……それ私のnoteじゃん。
書き進めるうちにゴールがわからなくなり、伝えたいことがまとまらなかった結果、タイトルを付けられないのではないか。そう思ったのです。

意識改革はすぐに始まりました。次の記事を書く際、ゴールをかなり意識しました。

この記事のゴールは、「失恋した方だれかが、旅に出ることで前を向けるようになる。そのきっかけになること」

下書きの際のタイトルは、「想い出は、新島の海に捨てた。」でした。選定理由は、なんとなくノスタルジックだから。(いい加減すぎる……。)
しかし、これでは「失恋」の要素が伝わりにくいですね。

次に思いついたのが、「失恋したら、旅に出よう。」です。「失恋」を先頭に持ってきたことで少し良くなりましたが、ありきたりすぎてつまらない。

最後に、「失恋したら、上書き旅へ。」にしました。苦い記憶に楽しい記憶で蓋をする。そのニュアンスを「上書き」に込めました。

周りからの評判も良く、女性数人から感想をいただくことができました。「失恋」の集客力が異常。
ゴールを設定するとタイトルに入れるキーワードを選びやすくなり、結果的に人を惹きつける記事ができあがるのだと学びました。

記憶に残る5つの法則を意識する

阿部さん主宰のBUKATSUDO講座「企画でメシを食っていく」にて、コラムニストの犬山神子さんはひとつの課題を出しました。
「あなたの身の回りでよく見掛ける事象に名前を付けてください」。
いくつもの回答を見てきた阿部さんは、次の法則を見つけます。

記憶に残るための5つの法則
①異なる単語を組み合わせる
②みんなが知る強い文脈を
③見立てて名前を付ける
④すでにある名前に違う意味を持たせる
⑤真逆の言葉を同居させる(P186-196)

これらの法則に当てはまる名付けは、インパクトのあるものばかりでした。
法則の具体的な内容には触れません。実際に手に取っていただきたいので!(知り合いの皆さま、騒ぎが落ち着いたらお貸しします)

タイトル付けにおいて、インパクトは重要です。
noteサーフィンの中で埋もれないか。そこから先は内容次第だけれど、どんなに内容が良くてもタイトルが平凡なら読まれません。

少しだけ法則⑤を意識して考えたタイトルがこちら。

夜。手放す。
真逆ではないですが、違和感のある言葉を同居させました。下書きでは「夜型人間が朝起きる決意をした。」だったことを考えると、かなりの進歩です。
阿部さんに感謝しかありません……。

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この本を読んでから、言葉選びに慎重になりました。今までがいい加減すぎただけに、かなり良い傾向。私も辞書買います。

センスがないから良いタイトルをつけるのは無理。そんな意識も変えることができました。
大事なのはセンスではなく、テクニック。
タイトル付けに自信が持てない方にはぜひ、いや必ず読んでいただきたい一冊です。

P.S.

11年前から『いきものがかり』のオタクである私は、リーダー水野良樹さんのツイートを通してこの本を知りました。

大好きな人が教えてくれた「運命の一冊」。大事に保管して、たまに読み返そうと思います。

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