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「ま わる おんがく」ライブ 感想

オジフェス2016(詳しいことはひとつ前の記事で)、行ってきました。

とても幸せな一日で、帰ってからなかなか寝つけないくらい。

「ま わる おんがく」ライブ、2曲参加させていただきました。

楽しかったな。

楽しかった、だけでは終わらないよう、特等席で見ていたライブの感想など、振り返りながら、書きたくなりました。


秋田県の潟上市(秋田市のちょっと北、“なまはげ”がいる男鹿のお隣)。

なかなか行く機会も少ないのですが、静かで穏やかでいいところでした。

花をはじめ、植物への取り組みがすごかったな、道の駅に、鑑賞温室までありました。


会場となる小玉会館へ向かうと。

可愛い狛犬ちゃん達がお出迎え。

遊び方のセンスが抜群ですね、この子たちの将来が楽しみです。

写真では見てましたが・・・すごい外観。

もともとは酒蔵さんの宿舎だったらしいのですが、廃墟になっていたそうで。

赴きあるアートスペースとして再利用。

しかも、使えるよう工事をした人の中に、高校生の頃に大好きだった秋田のインディーズバンドのギターさんがいるという、当日知ったすごい偶然。

この日も来られていて、久々にゆっくりお話できてうれしかったです。

道路側からの見た目もインパクトがすごいですね。

中は、1階はいくつかの展示用の部屋と喫茶室。

部屋ごとに各作家さんの作品が展示されていて、まさにお部屋にお邪魔する感覚で見ていく感じ、楽しかったです。

2階は広いイベントスペースになっていて、この日はいろんな制作体験ができる日のようで、フェルトで小物を作ったり、石を積んで街にしたり、絵をコラージュしたり、銀を叩いてブローチにする音が響き渡っていました。

展示されている作品含め、中の様子もとても良かったのですが、それは来場された方の特権ということで、言葉だけで。

部屋のひとつに、本当にこの建物に住んでそうな謎の生物(作品)がいて、まじまじと見てしまいました。

写真の部屋、壁の雰囲気と相まって、とても綺麗だったな。


夕方から、1階の喫茶室にて、「ま わる おんがく」ライブ。

リーダーの tko (オムトン) さんがドラムやパーカス。

東京で音楽活動していたとき、circe というバンドの企画で知り合って。

(たしかその企画はシークレットゲストが 宮内優里 さんで、あの日もすごく楽しかった)

オムトンの音楽すごく好きですし、東京で知り合って、お互い田舎にいるタイミングで一緒に演奏できることも、よく考えたらすごいこと。

後述しますが、自分にとっても新しい挑戦の機会になったので、誘っていただいて本当に感謝です。

- オムトン : web site


声とギターから、民族楽器的なものまで、僧侶で音楽家の、英心 (coloridas,英心&The meditationalies)さん。

ご一緒したエフエム秋田のコンピレーションでお名前と楽曲の雰囲気は知っていましたが、お会いしてみると、音源で聴くよりさらにお声が綺麗で、そしてさすがお坊さん、話がお上手。

機材の話、音楽の話、ずっと楽しかったです

- coloridas : web site / 英心&The meditationalies : web site


様々なバンドを兼任されている、ベースの さちや (英心&The meditationalies,Watanabeach&more) さん。

以前、大曲の花火の会場で演奏されていたのを見かけたことがあり、上手いバンドがいるなぁと思っていましたが、ここでお会いできるとは。

僕が参加した曲でも、めちゃくちゃグルーヴィーに弾いてくださってて、隣で聴いていてにやにやしました。

- Watanabeach : web site


PA兼トロンボーン、さらにドラムもと、大忙しの、もってぃ (halos,Watanabeach&more) さん。

以前、鴉というバンドをサポートされていたとき、東京のライブハウスで対バンしたのですが、ずいぶん前なのに覚えていてくださって、うれしかったです。

楽器の演奏だけでなく、PA業務も専門にされているとのことで、すごいなぁ、大尊敬です。

- halos : web site


前半は、こちらの4人でのアヴァンギャルドなセッションがメインでしたね。

ある有名な絵本のお話を読みながら演奏されていたときは、役作りに熱が入っていて笑ってしまいました。

会場には子供さんも多くいたので、いい演出だな思いました。


ゲストさんも続々と登場し。

まずは、トランペットとフリューゲルホルンの 鈴木雄大 (Multi purpose studio) さん。

先日の“AOKI,hayato と haruka nakamura” さんの東北ツアーにも参加されてましたね。

吹いている姿がかっこよく、曲に合わせて温かい音から激しい音まで、とにかく音に表情がたくさんでした、即興なのにすごいなぁ。

- Multi purpose studio : facebook


さらに、フルートの 石川真由子 (hanauta) さん。

綺麗な旋律から、エフェクトを使って天候の変化を音にするような不思議な空気を作られてました。

秋田の音楽・アートイベントの情報発信サイト「hanauta」を運営、オーガナイザーとしてご活躍とのことで、すごい人達の集まりだな、本当に。

- hanauta : web site


ちょうど陽が落ちてきて、薄暗い会場にライトの光が強く見え始めた頃、管楽器の3人がメインの、穏やかな曲が始まりました。

本当に綺麗な光景で、お客さんもみんなうっとりされているように見えました。

そんな中、最後にすごい人が登場、陶芸家の 田村一 さん。

ギターに、陶芸で使う、ろくろを繋いでいます。

・・・・?

まずはギターを弾いて、エフェクトをかけて、ループさせて、ここで、ろくろスイッチオン。

ろくろが回ると、ピッチが変わる!!どういう仕組みだ!!

「まわるおんがくライブ」だから、ろくろを回したそうです、お見事。

そして、ギターを置いて、ループに乗せてろくろの上で作品を作り始める田村さん、もはや独壇場です。

終わる頃には、高く伸びる塔のようなものに、曲線美の装飾がされた作品が出来上がっていました。

乾くのにこのあと一週間かかるそうです。

- 田村一 : facebook


そして、自分のことを。

今回は、初挑戦、サンプラーで音をどんどん重ねて曲にしていく演奏にチャレンジしました。

秋田に戻ってから、一人でどんな音楽ができるかなと考え、DTMを始め、音メモという景色の音+アコースティックな音の公開を始め、サンプリングを始め。

ただ、曲は公開できても、それが演奏で再現できない、という状況でした。

tko さんに誘っていただいたとき、よし、がんばって音メモを再現するような曲を演奏させてもらおう!と思い、昨日に至りました。

どうだったのかな、初めてなので、よくわからないや。

ただ、「まわるおんがくたい」のみなさんが、僕が出す音にどんどん素敵な音を当てて、重ねてくださって、ものすごく幸せな空間でした。

後半、お客さんの肩が揺れているのをみたときは、ほっとして、トライしてよかったなと。

そうそう、秋田に戻って初めて人前で演奏でしたが、緊張もあまりせず、重なる音をただただ楽しむことができました。

会場の雰囲気、イベントの空気感、お客さんの「どんな演奏かわからないけど不思議なものを楽しもう」という気持ち、いろんなものに導かれたのかな、なんて。

- satohyoh : web site


最後に、イベントのテーマソングのような曲をみんなで演奏して、終了。

会場の椅子が埋まるくらいお客さんが来てくださってましたが、こういう演奏が、秋田のもっとたくさんの方に聴いてもらえたらいいのになぁと、ステージ横の特等席から見ていて、思いました。


帰り際、オジフェスの主催、写真家の 高橋希 さんとお話をしました。

出演者のみなさんもそうですが、秋田で何ができるか、考えて、行動して、かたちにしていること、すごくかっこいいです。

自分がやりたいからやる、でもその先に、誰かの何かのきっかけがある。

そんな初心のようなものを、改めて考えた、いろんな人との出会いの日でした。

都会といちいち比べるような時代ではないですが、日常と同じ目線で音楽やアートに触れる、そんなイベントは、田舎の方がきっと向いている。

古くなった建物を再利用して、人目を引くイベントを作る、そこで作品や人を紹介して、どんどん楽しむ空気を、声を、内外に大きくしていく。

イベントで使われている、「まじわる」、「まわる」、には、そういう思いもあるのかもしれないなぁと、思いました。

- 高橋希 : web site


オジフェス2016は、6/25(土)まで続きます。

まだまだイベントもたくさん開催されますので、秋田の方、ぜひぜひ足をお運びください。

オジフェス : site / facebook


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