過大情報日記 京都にて 後編

婆さんの打つ水がぼくのツレにモロにかかってしまった。
ばあさんの水をかけえてしまって「あっ!」と言ってしまったその一瞬だけ婆さんは趣深くなくなっていた。
ツレは完全に頭から水を被り、ぼくもスプラッシュマウンテンの真ん中の席にくらいには申し訳程度にかかった。

するとその時、僕らが歩いている後方から笑い声が聞こえた。
大きく高らかに嘲笑う声の方を振り向くと、
大柄な男の金髪の外国人だった。ツレが笑われてしまってはこちらも黙っていられない。ぼくは睨みを聴かせて大柄な外国人に近付いて行った。
そして、近付いている途中で気づくのだが、その外国人はペンタトニックスの比較的センターをやることが多い金髪の大柄な外国人だったのだ。
メンバーの女の人みたいな声の出る男の人とカップルなあの大柄な金髪の外国人だったのだ。
「ちょっと待てどうゆうことだ。」
狼狽えるぼくを見て彼は鼻で笑う。
そうしていると、
「イェエエッ、イェエエッ、イェエエッエー、イェエエッエー、オーオーオー」
という声が彼の後ろから聞こえてきた。
このフレーズは「Can't hold us」のサビに入る前のやつだったことはすぐにわかった。
サビになると
後ろからその他のメンバーが現れて、一曲歌い切りやがった。

ぼくのツレもぼくもそれ以上彼らを責め立てることはできなかった。
音楽のちからはそれほどに強い。

ぼくらはそのまま立ち尽くしていると、
ばあさんがペンタトニックスに向かって
「パズドラのやつ歌ってや!」
と言い出した。
ばあさんはyoutubeの見方もわからないだろうし、歌番組とかでも見たことはないのだろう。
唯一CMで見たパズドラのやつだけ知っていたから、それをリクエストしたのだろう。
だが、これはまずい。ぼくには結果は見えていた。

道の奥の方から黒いスーツを着たホワイトカラーがこちらに近付いてくる。





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