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「辞めたい」でなく「辞めようかどうしようか」だったなんて~無力でも微力ながら力を尽くすと心が決まった~

以前、「なぜ今の仕事をするようになったん
ですか?」とよく聞かれると話しました。
仕事の原点は2つあって、今日は2つ目の体験について書きますね。

わたしの仕事・働き方は、大学職員
として英文事務や、秘書・総務の事務サポー
トからスタート。

その後約12年、国立・私立の大学、
短大、民間企業など複数の職場で働きました。

どの現場でも、仕事のメインは、
問い合わせ・相談対応です。

そんな中、社会人1年目の頃。

プライベートで学生時代の
後輩・友達に頼まれて相談に乗った時のこと

です。

ちょうど4月の下旬に入り、桜が散って
新緑の季節に移り替わる時期に。

しのぶくん(仮名)は、心臓の病気を抱え
ながら通学。卒業を控えた最終学年でした。

しかし、症状が重く、進路選択が八方塞がり
に。

卒業後の目標にしてた家業を継ぐのも、
治療に専念するのも、厳しい。
研究を続けるのも厳しい。休学するか、など
苦渋の選択を迫られている局面でした。

その話を聞いて、わたしがしたこと。
質問やアドバイスに終始してしまったんです。

本人は何に一番困っているのか、
ホントはどうしていきたいのか、

わたしは、肝心のことに理解不十分なまま、
「どう解決したらいいのか」焦って、
十分には力になれなかった。

話を的確に受けとめ、その人の気持ちと意思
を尊重する力が欠けてしまっていました。

それから…その友達は大学に来なくなり
中退、他の学生や先生方とも音信不通に。

おそらくは病状が悪化したか、少なくとも
大学での先生や友達・ゼミ仲間には
理解が得られなかったのかもしれません。
(事実はもはや分かりませんが)

その後「そもそもあの時、しのぶくん(仮)
は、ホントは何て言っていたんだっけ?
何を訴えてた?」と思い返すことに。

「あ…『大学を辞めたい』なんて言ってなか
った……!

言ってたのは、
『辞めようかどうしようかと思ってるん
です』だった。

ってことは、考えられる可能性を模索したい、
複数の選択肢を整理して決めたいってこと
だったんだ…!

そう気づき、相手は伝えてくれていたのに、
わたしがその思いを汲み取れていなかったこと
に愕然としました……。

【相手が】話していたこと・伝えたかった
気持ちや意思に集中することが、何よりも
大事なことなんだ!と痛感しました。

人に自分の言葉で伝えたいことを伝えること
ができた。それを人に理解してもらえた。

たとえすごく困難な時でも、
自分の力で納得した選択をしたい・できた。
人に尊重してもらえた。

そうした体験は、体や心が弱っている
時であればこそ、

人が前を向いて自分らしく生きる・
進んでいくための力になるものです。

その時のわたしは、相手の気持ちと意思より
も、自分がどんなアドバイスで解決したら
いいかばかりで、頭がいっぱい
でした。

後から気づいたそのことに、
「何てことをしてしまったんだ、
取り返しがつかない……」

悔やんでも悔やみきれませんでした。

しばらくすると、ホントはどうなっていたら
よかったのか?改めて考えるようになりまし
た。

やむを得ない事情を抱えていることを
配慮して、ホントは思いを
ちゃんと汲み取って理解したかったな…

本人が納得して選べるように、
力になりたかった
のに…」

音信不通だから、生きているか亡くなって
いるか、分かりません。

もし生きていて会えるなら、今度は、
話を受けとめて寄り添える人でありたい。

もし生きていて会えなくても、
似たような境遇の人に会うかもしれない。
その時には学びを活かして力になりたい。

もし亡くなっていても……。

難しい事情や制約、
人と分かり合えないストレスを抱えている人
が、その人なりに生きて、

仕事・働き方・生き方を
納得して選択できるよう、役に立ちたい。

そういうことができる力をつけたい。

【たとえ無力でも、微力ながらベストを
尽くすんだ。そうできるだけの人になるんだ。】
と心が決まりました。

友達が身をもって教えてくれたことを、
ムダにしたくない。次の機会に、これから
次世代の人たちのためにも生かしていきたい。

そうして、トレーニングを受けるため、
心理カウンセラー・鈴木雅幸さんにスーパー
バイザーをお願いすることにしました。

トレーニングを始めたのはいいのですが、
最初からそう一朝一夕に、人とその話を
しっかり受けとめて、相談に的確に対応でき
るようにはならないもの。

「どうやったら人を支える力が身につくのか
な…道のりは遠いなあ」
と思うことも
しばしば……。

何とか根気強く進めていく時に、鈴木さんが
話されていた次のメッセージが響きました。

「人に寄り添うためには、寄り添えるだけの
力が要る
(専門性、スキル、経験値、姿勢
など)。
寄り添いたいという思いだけでは、
寄り添えるものではない。」

心理カウンセラー・鈴木雅幸さんのお話より

最初はグサッと刺さったんです(笑)
痛い失敗をした身には、なかなかキツイもの
だったから^^;

けれど、その経験した事実と、
そこから学んだことから出発するより他ありません。

「落ち込んだ」「悔しい」「申し訳ない」
などの感情の底を打ったら、


その後は、ごちゃごちゃ混乱した
【気持ちをじっくり丁寧に整理】し、
【自分なりの納得解をつかんでいく】ことができるようになっていきました。

この体験は、確かにキツイ・つらい現実だった。
だけど、ここから何を学んでいくか?
何に気づき、気づいたら、何をどうしていくか?

「話を聞く・理解する・相談に対応するには、
確かに今は力不足だ。

けど…、力がないなら、つければいい。
今はこういう自分もOK。こんな自分でやって
いくしかない。ここからスタートするしか
ないんだ…!

着実に身につけるためには、
プロセスと時間がそれなりにかかるもの。

そう思って、トレーニングを
少しずつ積み重ね、今も続けています。

今年は、あの失敗から18年目、トレーニングは
気づいたら9年目に入りました。

わたしはこの経験から、

気にしすぎ・敏感な気質、
口下手・ネガティブ思考・内向的な性格で
それぞれの事情を抱えている働く方たち、

仕事や職場の人間関係での「苦手」をOKに
し、人と触れ合い理解し合うことを
あきらめたくない新人~若手社員
さんたちに向けて、

自分らしくその人らしく輝き、
職場で伸びのびイキイキ成長・活躍できる
よう、メンタル面~就職転職・ライフキャリ
アの両輪でサポートする仕事をしています。

中には若手リーダーとして、
新人後輩~部下を支える・成長活躍を促す
のに試行錯誤している方もおられるでしょう。

あるいは、看護師・介護士、言語聴覚士・
理学療法士、栄養士や、教員・保育士の方の
場合。

病気やケガ、障害あるいは気質・特性など、
それぞれの事情や制約を抱えた方向けに、

その人がやりたい・できる・大切にしたい
ことに向き合う時、自問自答や試行錯誤を
繰り返しながら、支援を工夫されている方
もいることと思います。

これから、対人援助のお仕事をしている方が、
人の生きる・働く・成長するのを促し、
支える際にもお役にも立てるよう、
さらに専門性やスキルを磨いていきます。

この時の失敗と後悔から立ち直っていく経験
をしたからこそ、今の自分があるんだな、と
改めて思います。感謝しかない。

身をもって教えてくれたことをムダにせず、
1歩でも2歩でも次につなげていきます。

この記事を読んでいる読者の方たちにも、
自分が大切にしたい人がいることと思います
(仕事仲間、ご家族、お友達、趣味で出会っ
た方など)。

わたしのこの話を聞いた方たちからは、

「自分も、新人や部下から、
仕事を辞めようかなという話を聞いた時、
その人に寄り添えていなかった

似たような経験してます…
あとあとすごく後悔しました。」

「ホントは力になりたかったのに、
イザという時分かり合えないのは、
申し訳ない気持ちでいっぱいになりますよね
…」

「微力でも、その人の理解者になって、
支えられるだけの力をしっかり身につけて
おくのは大事なことんですね。

せめて、佐藤さんがおっしゃっていた、
「無力感よりも、微力ながら向き合う」、
自分もそういう姿勢で向き合ってみます。」

こんなふうにお話を伺うことがあります。

こうして自分自身が痛感したことから、

また、セミナーやカウンセリングを通じて、
サポートしてきた相談者約1,125名の方
たちの取り組む姿から教えていただいたのは、
こんなことでした:

◆仕事や職場の人間関係でつまづき・葛藤を
 抱えても、

気持ちを整えると、
 自分なりの納得解をつかめる。

もっと伸び伸び成長・活躍できるように
 なるし、生きてく糧の1つになる。

体験から得た学びを糧にして、
大事な仕事の原点に立ち返りながら、

カウンセリングやセミナー、
気持ちのセルフケア習慣のトレーニングで
サポートし、必要な皆さんにしっかり提供していきます。

それでは、また。佐藤さおりでした。

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