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人間関係は電話帳の整理から ~いまを変えたい人へ~

電話帳、整理していますか?
私は普段、していません。
少しだけ自分のいまを変えたいときに、電話帳を整理します。

大学時代になまぐさ坊主さんと仲良くなった。
なまぐさ坊主さんは、お坊さんやりながらIT関連企業で働いて、毎晩飲み歩く人だった。
人間関係を相談したときに、そのなまぐさ坊主さんが酔っぱらいながら言った言葉を、いまでも覚えている。

「友人を選ばないといかんよ。いつも誰とつるんでいるか。人生変えたかったら携帯の電話帳を変えなはれ」

当時のケータイは電話帳に入れられる人数の上限が低かった。
気がついたら上限ギリギリまで登録されていた人たちを見て「誰を消すか」でなく「誰が大切か」を考えながら1件、また1件と削除していった。
すると残ったのは30件程度になっていた。
次に会ったときに、あんまり酔っぱらってないなまくら坊主さんはこう言った。

「全ては縁によってなりたっている。あなたも良くないと思う縁があるなら、相手と同じ行動をとらない保証はないです。大切なことは、縁を断ち切る勇気です。大変な勇気がいるかもしれません。けど、そのために命をもらったことを自覚してください。誰のせいにもせず、自分がやる。次の世代にその縁を引き継がないことです」

えらく壮大な次元になったなと、その頃は思っていた。
年をとるごとに、なんとなく感覚としてわかるようになってきた。
縁を大切にすることは意外とみんな意識してできる。
それは平穏に暮らすためかもしれないし、単に寂しいからかもしれない。大切にすることをあまり深く考えずにする。
けれど、縁を切るのは勇気がいる。
本当に切って良いのか考える。そして恐い。
そういうことを考えているときは困っているときや、トラブルにあっているときや単純な転機(就職、結婚、出産、転居等)が多いだろう。

そんな時に電話帳を開く。
私が最後に電話帳を整理したのは退職時。
登録されていた件数は約500。
整理したら約40件に減っていた。
心が少し軽くなった。
電話帳を整理したら人間関係が変わるんじゃない。自分が少しだけ変わる。
変わった自分が新しい人間関係を築いて、また電話帳が変わっていく。

なまぐさ坊主さん、良いこと教えてくれたなぁ。
「次の世代に悪い縁を継がせない」こと、私みたいなちっぽけな人間にできるかなぁ。
少しずつやってみよう。
そんなことを思いながら、新しい縁に感謝してる。

みなさんは、最後に電話帳を整理したのはいつですか?
いまに満足してますか?
いまを変えたかったら、ためしに電話帳を整理してみてください。
少しだけ、自分が変わったことに気がつくかもしれません。

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