日曜劇場 海に眠るダイヤモンドを終えて…
終わってからも涙が止まらない🥺
10月から日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」を見ていました。
実はわたしは2009年あたり、まだ20代半ばだったころから、廃墟写真に魅せられて、今もお気に入りのサイトを時折眺めて、昭和や平成初期の息吹を感じながら、植物のたくましさに感嘆し、生活感の残る家主のいなくなった家屋の聞こえそうな声を聞こうとしてしまう。
最初のきっかけは、ビレッジバンガードで陳列されていた、島ごと閉山で無人島となりかつて日本一の人口密度を誇った炭鉱のコンクリートでできた島「軍艦島」の写真集。
その軍艦島が舞台の1955-2018年。約70年にわたる愛と友情、歴史を紡いだドラマが海に眠るダイヤモンドだ。
生きることに一生懸命…にならなきゃいけないとも言うべきか、1955年の若者と
生きることへの時間つぶし…をせざるを得ないともいうべきか、2018年の若者と。
二つの時代の若者を、神木隆之介くんが本当に本当に天才的な演じ分けをしていて、これは彼の俳優人生の中の代表作になると思います。
2025年。ここから先は何が起こるかわからない…!ともいわれてますが、あるとしたら、
人類滅亡とか、隕石がとか。
そんなノストラダムス的なことではなくて例えばこんなことなんだろう。
日本の富国強兵、欧米の脅威になるほどに日本を栄えさせ、高度経済成長させた石炭。それでも石炭の時代は終わり、日本中の炭鉱が閉山。街が消え、人が去り、それぞれがまた新しい人生と歴史を否応なしに歩んだように。
「石炭は生きる糧だった。けれど本当のダイヤモンドはここに住む島民。命には代えられない」
終戦から10年たらずの日本の中に馴染む、
痛みや、被爆の恐怖、子供を失った喪失感。
「終わらない戦争」
それでも生きて、今を生きてきた人たちからのメッセージがたくさんあった。
あー書いてても涙がにじむ🥹
私は歴史も好きなので、国内、世界の歴史系漫画やドラマも本も読むし、この海に眠る〜も歴史として見ていて、今年は特に感じていたのは
「自由があって、医療があって、衛生環境がある、学をまなべる。これって幸せ。たったこれだけのことに気の遠くなる年月を重ねてきたのが人間」
ってこと。
もしも、主人公とヒロインも今だったら、生きているうちに会えたかも。今だったら、別の人と結婚しないで待っていられたかも。今だったらもっと、司法が主人公を守ってくれたのかも。
「昔はよかった」なーんてことはない。
私たちはその「昔は」よりもずっと自由だ。安全だ。
やりたいことも、できる。
治安が悪くなっただって、本当は昭和の治安の悪さなんてもっともっと悪い。事件も事故もたくさんあった。
間違いなく、人は、人がよりよく歩むために
ちゃんと進んでいる。歴史を知ればそれは絶対言えること。
これもまた、めぐりあわせの言葉が出てきた。
「過去には生きられんやろ?未来にも生きることはできんたいね。だから今に最善を尽くす。」
「過去に意味はなかと?」
「意味のなかことは一つもありません。よかことも、悪かこともすべてね。全てを抱えて、一生懸命、生きていく。それが人間たい。」
これは、私が今年いちばん自分で掴んで得た学びと
体感だったので、この年の締めくくりに
ドラマの中の和尚がこの一年を総括してくれたな🥲✨
見るべくして見たドラマ。胸いっぱい。
主人公とヒロイン、会わせてあげたかったー😖
せつなさは残るなー。これが人生、リアルとも言えるのだけど。
2010年に買った写真集に写る軍艦島の写真と、
今特集された軍艦島は全然違くて、
すっかり台風や経年劣化で朽ちてしまっていた。
ふるさとの街が消え、自然がゆっくりと始まりの無へ還していく。自分の意思で自由に立ち入ることはできなくなる…
海に眠ったダイヤモンドの思い出は、血縁もなく袖振り合わせた人でもないけれど、共有しあうことでバトンとなって受け継がれていく。
ありふれた花は、無常の上にも咲き誇っていく。主題歌は、主人公のヒロインへの真実の愛だったんだね。
もとの岩礁にもどる前に、必ず軍艦島を訪れようと思う。
長くなったけど、このドラマの熱量をここに
のこします!
素晴らしい脚本を、物語をありがとう。
2025年も、今を一生懸命に生きようね。
私たちは、自由で、痛みも愛も希望も抱えて
いこう。