見出し画像

FORZA!ITALIA ! ! ==熱すぎるカルチョ愛が故に・・・==

「セリエA、無観客で試合再開へ」
私は、最近伝えられたこのニュースに
イタリア再生の僅かな希望を感じました。
今すぐ再開という訳ではありませんが
2019-20年シーズンを再開・完了させるため
予定試合を全て無観客で実行する方向で
検討を始める。それが、イタリアにとって
小さな復興の光になると思えたのです。

そこで、FORZA!ITALIA ! ! 第1弾
サッカーの話をする事にしましょう。

実は私、サッカー大好き!
プレイする方ではなく、もっぱら観る方では
ありますが、
1998年 フランスW杯の応援観戦でリヨンへ
2000年 シドニーオリンピックでは
オーストラリア・キャンベラへ
2002年 日韓W杯では札幌と横浜へ
試合を追いかけ、わざわざ旅をするほど
その魅力に取り憑かれていたのです。

私も、あの頃は若かった・・・

イタリアといえば世界でも有名な
サッカー大国です。
ご存知かもしれませんか、サッカーは
イタリア語で「calcio(カルチョ)」
人々は毎週末に行われる試合に一喜一憂。
カルチョが生活の一部と言っても過言では
ありません。
私がイタリアに行っていた時期は、
ちょうど中田英寿選手がペルージャに
在籍していたので、イタリアに行く前から
ワクワクドキドキ。
現地でホンモノのカルチョ熱を体験すべく
その時を楽しみにしていました。

道を歩けば、お土産の屋台でカラフルに
舞うユニホームの数々。
街角のキオスク(売店)やバール(イタリア流
喫茶店)で皆が楽しむトトカルチョ。
週末には地元ご贔屓チームのユニホームを
着たサポーターが熱くカルチョを語り出す。

そうそう、コレこそ見たかった風景。
頭の中で思い描いていた
カルチョの国イタリアだったのです。

しかし、コチトラお仕事で来ている身。
そうそう試合観戦なんかできません。
(´TωT`)

そんなある日。
仕事の下見や打ち合わせが一通り済み、
台本を書くために一日ホテルに籠る日が、
試合のある週末に当たったのです。

「ラッキー!! ٩(*´︶`*)۶」

早い時間から仕事を始め、試合のある
時間だけはテレビに集中!
それが自分に課したこの日の任務。
イタリア語なんて分からなくても、
サッカー用語だったら何とかなるさ。
放送チャンネルが分からなくても
片っ端からチャンネルを合わせれば
そのうち見つかるはず。
こうして、試合開始時間を迎えることに
なったのです。

ところが・・・

「?????」

どこのチャンネルに合わせても試合映像が
出てこない!
チャンネルを巡らすこと3~4周。
気持ちを落ち着かせ映っている番組を
もう一度見ていくと・・・
Milan、Juventus、Roma、Perugiaという
見たことのあるチームの文字。
しかし、そこはテレビスタジオで、
試合が始まっているのにも関わらず、
何やら興奮した出演者たちが喋りまくって
いるだけで、全く試合が観られません。

「これって、ただのサッカーショー?」

すると、いきなり叫び出しガッツポーズ
喜びだしたかと思ったら、
試合会場の映像に切り替わり、
ゴールパフォーマンスをする選手と
スタジアムで喜ぶサポーターの様子が
飛び込んできた。

「なんだ、中継繋がってるじゃん」

しかし、その後すぐにスタジオに
切り替わり、またまたスタジオの解説へ。

そんなことの繰り返しを観ているうちに
徐々にこの番組の内容が掴めてきました。

どうやら、スタジオに集まっていたのは
その日試合のあるチームの解説者と
レポーター、サポーターのようでした。
彼らはスタジオでそれぞれイチオシの
チームの試合を観ながら解説and応援。
ゴールがあるごとに直後の映像を一瞬だけ
映し、試合経過を伝えていたのです。

イタリアのサポーターは本当に地元愛が
強く、ライバルチームのサポーターとの
熱い戦いは、街中でも普通に見られるほど。
日本でサッカー解説者といえば、冷静に
試合を分析し、どちらのチームにも平等に
話すタイプがほとんどですが、この番組の
出演者達は皆ご贔屓チームを持ち、
試合経過とともに一喜一憂。
誰はばかることなく、喜んだり悲しんだり。
対戦チームの出演者には遠慮も何も無く
舌戦を繰り広げる。
そんなところが如何にもイタリアっぽい
感じでした。

まさにその時間、各地のスタジアムで
試合をやっているのに、
生中継をしないサッカー番組
この国では普通に人気の番組だそうです。

では、なぜ試合を放送しないのでしょうか?

聞いたところによると、実はサッカー中継は
今も昔も有料チャンネルでは放送している
のだそうです。
ところが一般地上波では放送されません。
その訳は、スタジアムに自ら脚を運び、
直接その声、その身体で応援して欲しい。
そうすれば、みんなの力が選手に伝わり
試合はより面白く白熱する。
そんな気持ちが込められていたのです。
もちろんスタジアムに来てもらえれば入場料
などでチームも潤います。
イタリア全体でカルチョを盛り上げ、
熱心に守り続けてきた。
その結果が、この番組に現れていたのです。

全てはカルチョ愛が強い故になせる技・・・

その後、私は2度程試合観戦をする機会に
恵まれました。
場所はローマのオリンピコスタジアムです。
ホームチームのサポーターは、
ユニホーム姿でバックスタンドだけでなく
スタジアム全体を埋めつくしていました。
対戦相手のサポーターは緩衝ゾーンで区切り
一見守られてはいましたが、その数は少なく
実際は、あちこちでイザコザが・・・
選手には熱い声援とともに、失敗すれば
罵倒が飛び交い、花火あり、楽器あり、
試合はもちろんサポーターを見ているだけで
本場カルチョの雰囲気を楽しめました。

さあ、無観客ながら試合が始まるのは
いつになるのでしょうか?
期待は高まります。

そうなれば、試合中継のない番組は更に
活気づき、一般家庭を元気にしてくれるに
違いありません。

数日前、グラスを物干し竿の先に附け、
家の窓からお隣さんたちと乾杯する映像も
放送されていました。

早くレントランでテーブルを囲み
本当に乾杯できる日が来ますように・・・

祈りを込めて

continua alla prossima volta
(次回に続く)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?