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【転職活動記_6】活動の中での気づきや学び

転職活動記ですが、今回はPart6ということで、活動の中での気づきや学びについて、Part5でまとめた事実情報を元にした考察を中心に纏めていきたいと思います。

※Part5の内容について気になる方は、こちらを参照ください

転職活動記の流れと今回Partの立ち位置

転職活動記は以下の流れで話を進めてきており、現在は★印の通りPart6に入ってきております。

▼ 結論と目次(本記事)
▼ どんな企業での就業を目指したか
▼ 目指した背景
▼ そもそもなんで転職をしようと思ったのか
▼ どんな活動をし、どのような結果となったのか
▼ 活動の中での気づきや学び ★

Part5のおさらいと考察概要

Part 5のおさらい
改めてPart 5で纏めた事実情報を抜粋して記載します。詳細確認したい場合は、冒頭に案内した記事をご確認ください。

(セグメント毎の数率では・・・)
・最終選考通過率以外は、一般的な通過率(※)と大きな乖離はなし
・基幹業務改善を提供価値とする企業へのエントリーが多め
・教育人事を業務内容とするエントリーは通過率が極めて低い
・営業企画/推進/改善を業務内容とするエントリーは通過率が高い

(時間軸では・・・)
・活動3週目にエントリー数のピークが来ている
・活動3週目にマーケティング・教育人事を業務内容とするエントリーの数がかなり増えている
・活動5週目に1/2次選考数のピークが来ている
・1/2次選考〜3次/最終選考迄は調整に時間を要する傾向がある

※一般的な遷移率
・書類通過率    :25〜30%
・1次選考通過率  :30〜40%
・2/3次選考通過率 :30〜40%
・最終選考通過率  :40〜50%

https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/naiteisha

考察概要
Part5でまとめた事実情報を元にした考察をしていきます。

(1)人材/組織開発支援の経験は分かりづらい?
(2)スタートアップでの経験は強みとして捉えてもらえる機会が多い
(3)B2B SaaSの経験は貴重
(4)求人を点ではなく面で捉えれば、ゼネラリストを強みに出来る
(5)5年前から人材紹介会社の提供価値は変わっていない

・・・

(1)人材/組織開発支援の経験は分かりづらい?

これまでの転職活動記で何度か記載をしてきたんですが、自身の経験でいうと、人材/組織開発支援の経験が近年厚みがでてきたので、ここに関しては比較的強みとして打ち出せるのではないかと活動前は感じていました。

ポジションとしては、「業務内容:教育人事」ですね。

ただ結果としては、以下になりました。
▼エントリー:16件
▼書類通過 :1件(通過率6%)
▼1次通過 :0件

書類通過した案件も1次面接は結局行えなかったので、面接まで1件も辿り着けませんでした。
なんでだろうと考えてみたんですが、なんとなく以下に集約されるのでないかなと思っています。

人材/組織開発支援(研修企画等)の仕事は、経験値の共通言語化が出来ていないのではないか
(採用以外の人事業務は、コンサル側からインハウス側へはトレースが難しいと思われる事が多そう)

前提としては、所謂”分かり易い”経歴ではないので、職務経歴書を見た時に出来る・出来ないをイメージするのが難しいと言うのがあるとは思います。
ただ、それを差し引いたとしても、人材/組織開発支援の経験についてはほとんど強みとして捉えていただくことがなかった(他ポジションの面接時もあまりヒアリングの対象にはなりませんでした)ので、同経験自体があまり価値として認知されていないのではないかと考えました。

そして、価値として認知されていないのは、経験やスキルの共通言語化があまり図られていない事に起因するのではないかと。

逆に、採用系ポジションは比較的共通言語化が図られているので、
「エンジニア採用経験の有無」
「DR(ダイレクト リクルーティング)経験の有無」
「採用企画経験の有無」
といったところでスクリーニングを図る事ができるため、キャッチアップ可否のイメージが容易になっているのではないかと思います。

この違いですが、ノウハウ・ナレッジをオープンにしているかクローズドにしているかの違いが大きい気がしています。

採用領域に関しては、
・労働力人口の低下
・特定職種へのニーズの偏り
・多様な働き方の普及(個人事業主・ダブルワーク・副業 等)
の影響で、クローズドにやり取りをしていると事業計画を達成するための人員確保が非常に難しくなっているという、外部環境の影響が大きい気がします。

一方で、人材/組織開発に関しては、兼ねてよりノウハウ・ナレッジの流出を恐れて、周りから見られない事を良しとする風習が、実施企業側・コンサル側双方にある様に感じています。

私自体同業界は外様として飛び込み、お作法や風習は全く知らない中でクライアントと向き合っていたので、上記に関しては閉塞感に近いものを感じていました。
例えば、
「研修の効果を受講者のアンケート結果の良し悪しで判断する」
「選ぶ方も作る方もコンテンツ第一主義で、手段が目的化する」
こういった話がスタンダードになってしまっている感覚でした。

・・・

話を転職活動記に戻すと、考察(1)のまとめは以下になります。
HRの中でも人材/組織開発支援の経験については共通言語化が出来にくい領域のため、同経験をPRしたい場合は、他領域以上に丁寧に分かりやすく説明することを心がける必要がある。

(2)スタートアップでの経験は強みとして捉えてもらえる機会が多い

ここは正直嬉しい誤算でした。
もちろん私としては、スタートアップにいたからこそ育めたスタンス・スキル・経験等がたくさんありましたので、今のキャリアには自信を持っています。一方で、スタートアップで就業するということ自体がマイノリティなため、その経験値を理解できる企業がどの程度あるのかというところについては、慎重さ(というか覚悟)をもって臨もうと思っていました。

さらに、同じスタートアップの企業であればこの経験を魅力として捉えていただけるのは容易にイメージできますが、ターゲットフェーズは『スタートアップ以外』で、実際にスタートアップはエントリーしていません。

そして、一番経験値を理解されない事が活動において影響を及ぼすのは『書類通過率』の低下です。
結果は以下の通り
・私の書類通過率:33.8%
・一般的な書類通過率:25〜30%

面接で話をする機会をいただけさえすれば、スタートアップでの密度の濃い経験をきちんと話せると思っていたので、その後の遷移率は想定通りでした。

「何もないところでいかに自走し、その中で仕組み化をしてきたか」
「刻一刻と変化する事業フェーズに、自己を適応させてきたか」
この辺りは、環境がないと中々手に入りにくいものかなと思うんですが、スタートアップであればそこら中に転がっているので、この辺りを価値として捉えてもらえるかというのがポイントでした。

さて、ここで考察したいのが、”何故書類通過率の低下は起きなかったのか”ということです。

ここは、スタートアップの大衆化(キャリア構築の選択肢の1つとして広く認知されてきた)が大きいと思っています。

一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会の資料

私が最初にスタートアップに飛び込んだのが、2016年ですので、その時の年間資金調達額が2,518億円。上記資料は2021年3Q迄の数字ですが、4Q含めると8,000億円程度の調達額になったという情報が出ています。
(更には、2022年には年間で1兆円程度の調達額になるのは間違いないとも)

"カネ"がスタートアップに集まれば、当然その"カネ"をより良い"モノ"に変えるため、”ヒト”が集まってきます。
2016年時にはキャリアの選択肢として多くなかったスタートアップ企業への参画が、現在においては選択肢の1つとして確固たるものになりつつあるということです。

そうなると、当然スタートアップで働くという事がどういう事なのか(メリット・デメリット)も広く認知をされることとなるため、働いていた企業のフェーズだけで判断されるという事がされにくくなってきたという事に繋がると。

そんな事で嬉しい誤算があった考察をしたんですが、スタートアップの大衆化について少し危惧している事があるので、ここで少し記載をします。

スタートアップでは、経験は掴みにいかないと何も得られない

上記は、大衆化をしようが変わらない事実です。選択肢の1つとして存在感が大きくなってきたのは同環境で育てられた私からするととても喜ばしい事ですが、この環境を活かすも殺すも自分次第です。そこは勘違いしてはいけないポイントだなと、つくづく感じています。

・・・

転職活動記に戻すと、私の分かりにくい経歴を、どの様に見せれば分かりやすい経験やスキルとして伝わるのかというところには、かなり時間をかけて考え作り込みをしてきました。

考察(2)のまとめは以下になります。
スタートアップでの経験は、やりきりったことを明文化できていれば、むしろ強みになる。


(3)B2B SaaSの経験は貴重

今後B2Bビジネスの主流になると言われているSaaSですが、まだまだその環境下で経験を積んできている人材は多くない様に感じました。
自身も強みとして打ち出せるなと思っていたポイントなので、答え合わせがきちんとできたのかなという印象です。

事実として、B2B SaaS企業に絞った活動遷移は以下になります。
▼エントリー  :17件
▼書類通過(率):10件(58.8%)
▼1次通過(率):4件(40.0%)
▼2次通過(率):3件(75.0%)
▼最終通過(率):1件(33.3%)

書類通過率がここまで良い数値で推移できたことは、自信になりますね。
これまでHR Techサービスの経験のみの中で、扱うサービスの領域が異なる企業へのエントリーも多かったのですが、そこ自体は大きなネックにはならないという事が分かりました。

どの様な仕組みで顧客に対して価値提供をしているか
ここが見られているということになりそうです。

この章の冒頭でSaaS市場の盛り上がりについて少し書きましたけど、改めてどんな状態なのかも少しご紹介です。

富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2020年版」

昨今でいうと、急速なテレワークの普及を受けてWeb会議システム、電子契約サービス、電話関連システム、プロジェクト管理ツール、ナレッジ管理ツールなど、オンラインでのコミュニケーションを支援するサービスへの関心が高まっていると。

私は、SaaSモデルは非常にフェアネスなビジネスモデルだと思っています。
・継続的に費用を頂戴する代わりに、持続的なサービス成長が求められる
・顧客は短いスパンで継続・解約の意思決定を行う事ができる
・ベンダー側はサービス導入ではなく顧客成長への貢献をゴールとする必要がある
等々、あらゆる面から売り手と買い手が公平である点も、今後さらなる普及を後押しする要素となっている様感じています。

・・・

転職活動記に戻すと、考察(3)のまとめは以下になります。
B2B SaaSは今後期待がもてる市場だが、まだまだ経験者不足で需給バランスにGAPがある状態。

(4)求人を点ではなく面で捉えれば、ゼネラリストを強みに出来る

考察(3)の続きになるんですが、B2B SaaSになると、ビジネスチームの組織形態をThe Model(※)に倣い組成している組織が圧倒的多数のため、分業化が進んでいます。
分業化が進むとスペシャリストが多く求められる印象がありますが、分業体制ならではの『間に落ちてしまう問題』がどうしても発生してしまうため、その問題をいかに早期に発見し・解消させるかが、ポイントとなってきます。

この『間に落ちてしまう問題』を解消するのが求人ポジションにおける役割として捉え直し、自身のこれまでの経験や強みと紐づけるというアクションを実行できたことが、今回の転職活動において一番のダイジェストだった様に思っています。

事実として、B2B SaaS企業に絞った活動のエントリー数は以下になります
・該当企業全ポジション:17件
・つなぎ目ポジション:14件
大きなミッションはあるが、決まったタスク等はないつなぎ目ポジションのエントリーがほとんどでした。(その後の遷移率は考察(3)とほぼ同様のため割愛します)

活動初期においては、つなぎ目ポジションにおける自己定義ができず、結構面接の中で苦戦をしました。
「今回のポジションにおいて、貢献できる経験はどの様なものがある?」
「〇〇の様なケースにおいて、私だったらどの様な手順と判断軸で解決策を模索する?」


上記の様な質問に、最初は芯食った回答ができていなかったと思います。「個社毎に目指す姿や問題や与えられるミッションが違うのに、どうやってチューニングすればいいんだろう・・」って感じです。

ただ、ポジションと経験値の重なりは”つなぎ目”であると置き換えてからは、これまでの経験をベースに具体と抽象を行き来させる事がスムーズに出来る様になりました。
「このポジションはマーケとセールスのつなぎ目の役割が求められているから、自身の●●の経験と紐付けができそう。具体的な現状はわからないからケースとして伝えれば良いかな。」
みたいな感じです。

どの様に自己定義をしていったかは転職活動記Part2で記載していますので、気になる場合はそちらをご確認ください。

考察(4)のまとめは以下になります。
ポジションは点ではなく面で見ると、自身の経験値との共通点が見えてくる。分業体制=スペシャリストの固定観念から抜け出せる。

※The Modelとは
営業プロセスモデルのひとつで「お客様の成功と共に、売上を拡大する仕組み」と位置付けられる。営業プロセス及び部門を4つの段階に切り分けて運営するため、各部門間が連携して、一貫した顧客対応をとる体制を整えていく事が求められる。

https://www.salesforce.com/jp/hub/sales/the-model/#what-is


(5)5年前から人材紹介会社の提供価値は変わっていない

1社目(人材紹介会社)から離れて5年以上経ちましたが、私がエントリーをした案件の中では、大きな在り方(仕組み)や提供価値に変化はなかった様に感じました。

これは、『だから良い・悪い』ということを議論したいわけではなく、濃淡はあるにせよ、『現在の採用プロセスは一定成熟した方法によって選考をしているものだと各社内で評価をされている』という事を伝えられればと思っています。

そう思った背景として取り上げたい事実としては、
・活動3週目にマーケティング・教育人事を業務内容とするエントリーの数がかなり増えている
と言う点です。

Part5で記載の通り上記のタイミングで複数の人材紹介会社に登録をして、案件紹介をしてもらい、そこからのエントリーが爆発的に増えています。
<人材紹介会社経由ステータス>
▼エントリー:26件
▼書類通過 :3件(11.5%)
▼1次通過 :3件(100%)
▼2次通過 :2件(66.6%)
▼最終通過 :0件

この数字を見ると、改めて多くの人材紹介会社が採用企業に提供できている価値は多くの候補者の情報を届ける事なんだなあと感じました。
(採用企業が求めている・求めていないという話ではなく、事実として提供できている価値の話です)

これは、書類選考基準(スクリーニング)において、スキルマッチング以上の手段が現状ないという事なのかなと思っています。
▼紹介会社:候補者・求人側双方に、ヒアリング内容・レジュメ情報を元にDB上にスキル情報を入力
▼紹介会社:案件を紹介(基本は自動マッチング)
▼候補者:興味がある案件にエントリー

当然紹介会社によっては自動マッチングは行わず、1件1件案内しているところもあるかと思いますが、それは私が1社目に行っていたマッチング方法から変わっていません。

『候補者と採用企業のマッチ度合いを何で図るのか』

当然”これだ”という唯一解があるわけではないと思っていますが、とても難しいテーマだなということを改めて感じた次第です。
勿論採用企業で独自観点でマッチングを図っている企業もある事も認識していますが、あくまで転職活動をした候補者から見た景色としては、紹介会社を通じ独自色を感じることはなかったので、書かせてもらいました。

・・・

以上、『活動の中での気づきや学び』についてまとめてきました。

結構いろんな事実情報を洗い出せたので、多面的に考察ができました。
採用周りの話って理屈だけで頭でっかちになりがちな感覚があったので、自身の転職活動を通じて生きた情報のお伝えができたのかなと感じています。

何かこの記事を見ていただいた方の転職活動の一助になるような情報がお伝え出来ていれば嬉しいです。
(具体的なご相談等をいただくケースも多いのですが、その場合はtwitterでご連絡をいただければと @satoaki0928 )

それでは!!

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