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缶スープの温もり

日本テレビ系で平日の夕方、「news every.」という番組が放送されている。その日にあったニュースだけでなく、話題となっているテーマを掘り下げて伝える2時間。伝えるべきニュースをしっかり伝えつつ、バラエティに富んだ内容になっている。

その中の「ヒモトクッ」というコーナーで、今日は缶スープを特集していた。この時期の自動販売機でよく見かける、温かいスープ。当たり前のように売られているけど、そのバリエーションの幅が広がっているらしい。

特集によれば、定番のコーンスープはもちろん、クリームシチューやラーメンの汁、カレーも売られているという。「カレーは飲み物」という人がたまにいるけど、それがとうとう現実になったわけだ。自動販売機によって、売られているスープは微妙に異なる。ただ、その日の気分に合わせた缶スープを選べるのは、私たちのQOL(生活の質)向上につながる。とても素敵なことだ。


缶スープの特集を見て、私はふと大学時代を思い出した。

私は大学時代、福島で過ごした。趣味や就職活動のために東京へ行くこともしばしば。新幹線で行くと交通費が高くなってしまうので、節約のために高速バスで移動することが多かった。特に、安価で移動できる夜行バスに、当時の私はとてもお世話になった。

東京から福島に戻り、電車の始発を待つまでの数十分。特に冬は文字通り、凍えるような寒さ。その時によく、自動販売機で缶スープを買っていた。節約しながら生活していたので、毎回ではないけど。やっぱり寒さに勝てず、コーンスープを買って暖をとっていた。身震いしてしまうくらいの寒さ、とうもろこしの甘さ。そして、スープが喉を通って胃に到達した時の、体内からじんわりと感じる温かさ。あの頃感じたものを、私は今でも鮮明に覚えている。


私にとって缶スープは、心も身体も温めてくれる冬の強い味方。自動販売機での売れ行きはお茶やコーヒーが大部分を占め、缶スープの売れ行きはその足元にも到底及ばないという。

でも、もっと缶スープが売れてもいいのに、と私は思う。確かに、缶飲料のわりに割高かもしれない。しかし、心も身体もスープの温かさに包まれる感覚は、一度経験したら忘れることができない。

今度、自動販売機で缶スープが売られているのを見かけたら、また買ってみようかな。

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