自閉症スペクトラムにおける当事者と 他者との認識の違いについて -溝を埋めるために-
・・・目次・・・
<1章> はじめに ・・・4
1-1. 定義 ・・・4
1-1.(1) 自閉症スペクトラム ・・・4
1-1.(2) 「障害」の変化 ・・・5
1-1.(3) 定義とは異なる障害観 ・・・6
1-1.(4) 定義から ・・・6
1-2. 自閉症の障害について ・・・7
1-2.(1) 発達障害 ・・・8
1-2.(2) 自閉症の3大特徴 ・・・8
<2章> 自閉症の内在的論理 ・・・10
2-1. 細分化される情報について ・・・10
2-2. 私自身の自閉症 ・・・10
2-2.① 「社会相互関係の問題」について ・・・11
2-2.② 「コミュニケーションの問題」について ・・・12
2-2.③ 「想像力の問題」について ・・・12
2-3. 2章まとめ ・・・12
<3章> 社会の論理 ・・・13
3-1. 関わりのない人たち ・・・13
3-2. 家族 ・・・13
3-3. 療育の現場 ・・・14
3-4. 3章まとめ ・・・16
<4章> 認識の違い ・・・17
4-1. 他者からの認識 ・・・17
4-1.(a) ステレオタイプ ・・・17
4-1.(b) 観察者バイアス ・・・17
4-1.(c) 幻想の中に孤立させる ・・・18
4-1.(1) 他者からの認識のまとめ ・・・18
4-2. 当事者の認識 ・・・18
4-2.(1) 社会性への困難 ・・・19
4-2.(2) 耐えがたい排斥や冷笑 ・・・19
4-2.(3) 当事者の認識のまとめ ・・・20
4-3. 相互の認識について ・・・20
4-4. 「自閉症」というもののとらえ方 ・・・21
4-5. 現象学から学ぶ ・・・23
4-5.(1) 視線触発 ・・・23
4-5.(2) 差異の感覚 ・・・23
4-5.(3) 世界変容 ・・・24
4-5.(4) 潜在的な視線触発 ・・・24
4-5.(5) 葛藤 ・・・25
4-6. 4章まとめ ・・・25
<5章> 自閉症スペクトラムと社会とのつながり ・・・26
5-1. 自閉症スペクトラムであるということ ・・・26
5-2. 溝を埋めるために ・・・27
5-3. おわりに ・・・29
<参考文献>・・・31
< 1章 > はじめに
本論では、「自閉症スペクトラム」側を当事者視点で、「社会性」側を他者視点とし、それぞれの認識の違いを考察していく。最終的な位置づけとしては、どちらの側にも偏ることのない「中間」に位置づくことを目的とする。しかし、私自身に認識の歪みとして当事者主体の視点があると自覚し、さらに、そもそも「当事者」と「他者」とで区分けをしていることに本論との矛盾を感じることがある。そうした矛盾も「認識の違い」や「溝」となり顕れている。認識の違いを自覚し、溝を埋めるための作業として、「障害」、「自閉症」、「社会性」、「内在的論理」などをキーワードに自身の認識について考え、見直すきっかけとなればよいと考える。1章でおおよその概念を、2章では自身の自閉症体験を内在的論理として記述しているため相当の理解しがたさがあると思うが、3章以降と全体を通じてそれぞれの視点を照らし合わせる目的があることを考慮している。
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