【コラム】西武園ゆうえんち「夕日の丘商店街」に見る娯楽としての文化継承
こんにちは、宮寺理美です。
先日、2021年5月にリニューアルオープンした西武園ゆうえんちに行ってきました。
今回のリニューアルオープンでは、1960年代の商店街が再現されているエリアが新設されるとのニュースを見ていたので、
とっても楽しみにしていました。
チケット売り場はこんな感じ。
平日の午前中に行ったのですが、それでもチケット売り場は混雑していました。
もうこの時点でBGMがド昭和!
並木路子さんの「リンゴの唄」、美空ひばりさんの名曲たちや、
植木等さんの「スーダラ節」…
おかげさまで全く退屈しませんでした。笑
Webチケットの方が入場が超スムーズなので断然オススメです。
Webチケットの詳細はこちらをご覧下さい。
西武園ゆうえんちに入場してすぐに、
1960年代の商店街を再現したエリア「夕日の丘商店街」があります。
大きなアーゲードは、実際の1960年代には存在してなかったでしょうけど、
雨でも濡れないのがありがたいですね♪
1日中ショーやらフラッシュモブやらが開催されていたのですが、
これなら「ショーが雨天中止」なんて事もないでしょう。強い!
商店街が再現されているエリアは全長150mほどなのですが、
150mにぎっしり昭和が詰まっている様は大変感動的でした。。。
商店街の各所で、昔の看板が目を惹きます。
どうやらこれらも、再現して作ったり、それっぽいレトロなポスターを作ったりしているようです。
木製のベンチやアンティーク風の雨どいなど、
細かいところまで凝っていて素晴らしい…
こちらは可愛い新聞社さん。
撮影&掲載許可ありがとうございました。
こちらではオート三輪と一緒に写真を撮ってくださるサービスもあります。
(サイズが大きい写真は有料だけど、小さいのは無料です。優しい)
商店街で働かれている皆さん(「フレンズクルー」と呼ばれているんだそうです)のファッションにも是非注目して下さい!
みんなすっごく可愛いんですよ。。
可愛いエメラルドグリーンの建物!
こちらは郵便局…なんですけど、実態は「両替屋さん」でした。笑
西武園ゆうえんち内の専用通貨。
郵便局で現実世界のお金をこちらの専用通貨に両替できます。
※専用通貨を現実世界のお金に戻すことはできないので、使いきれる分だけ両替しましょう!
お買い物のお会計時に「●●西武園になります」って言われるし、
通貨にアンティーク風の加工が施されているのを…私は見逃しませんよ…
すごく凝ってますよね。
あと、自分がいくら使ったのか、いい感じに分からなくなります。
海外旅行みたいな感じですね。笑
(撮影時だけマスクを外させていただきました)
この手のテーマパークでちょっと珍しいな、と思ったのが、
「触らないで下さい」の看板があまり無かったこと。
もちろん触れないエリアもあるのですが、
ガラス戸で完全密閉されていたり、
景観を損なわないレトロな看板を作ったりして工夫していました。
あと、めっちゃスマホの画角に特化しているな…って。笑
インスタグラムユーザーへの訴求もきっと考慮されているんでしょうね。
あ、ちなみに、レトロな可愛い電話はみんなが触るので、笑
触った後は手指消毒をオススメします。
こちらは中に入れない銭湯。
いつか内部も公開してくれないかな…とちょっと期待しています。
そうそう、ポン菓子を販売している出店?もありました。
大阪弁のお嬢さんがポン菓子の歴史なんかを爆喋りしてくれるんですが、
これが意外なほど勉強になりました!
(そしてイジられた)
できたてのポン菓子、ほんのり甘くてあったかくて、
めっちゃ美味しかったです。
夕日の丘商店街、すごく楽しいんですけど、
飲食店がちょっと少なめなんですよね…
レトロ可愛くて大人気の「喫茶ビクトリヤ」は、ずっと大行列で1時間待ちでした。
ガラス戸で密閉されたエリアも少しご紹介したいと思います。
こちらはお豆腐屋さん。
窓から覗き込むと、可愛いタイルや懐かしい道具がいっぱい…
あと、鉢植えの再現性が高くて笑いました。芸が細かいぞ…
こちらはレコード屋さん。
壁にびっしり掛かっているのはレコード針です。
イスや灰皿も、もしかして誰かのコレクションなのかな…?
レコード屋さん。
各所のドアに水道なんかのシールが貼ってあるんですけど、
良く見ると全部オリジナルっぽいんですよね。
本当に芸が細かい…
昔の映画館を再現した「夕日館」で上映されている、
「ゴジラ・ザ・ライド」も見て来ました。
館内には昔の映画のポスターを再現したポスターがずらり。
私は最期に「ゴジラ・ザ・ライド」を見た(というか乗った)のですが、
すっごくすっごくエキサイティングで楽しかった…
のですが、
モダン東京がマジで容赦なくゴジラとキングギドラに破壊される。。。
胸が痛い&喪失感ヤバかったです。
※ミストが結構容赦なくてしっとりでした。着物で行こうとしている方はご注意。
(多分そんな人は私くらいですが。笑)
こんな感じで、1日ものすごーく楽しんできた私ですが、
最近ずっと「レトロブーム」には疑問を感じていました。
新型コロナウィルスの感染拡大による影響で、昔ながらの飲食店や旅館も経営が難しくなり、
2020年~2021年中に閉業したお店もたくさんあります。
加えて、それ以前から「近代建築」等と呼ばれる、明治時代以降の建築物は
常に取り壊しの危機にさらされ続けているのが現状です。
日本は地震国だとよく言われますし、耐震強度は人命に関わります。
「本物の昔の建物や文化」はなくなるのに、
「それっぽく作った」ものはどんどん増えていくな…
と感じる機会も多かったです。
仕方ないな、と感じる部分も多々あります。
文化財などに指定されても、個人資産の場合は
「壊した方がお金がかからない」なんてケースも多々あります。
また、空襲被害を避けられた地域の多くは、
交通の便などの兼ね合いで、資源としての活用が難しかったり、
観光地化できても、古い建物だけが活用されて、
「ガワだけが古いカフェやお土産屋さん」になっている観光地も大変多いです。
文化を守るには、継続的にお金がかかります。
コロナ禍でクラウドファンディングを試みるケースも度々見かけますが、
継続的な収益はずっと課題になり続けるでしょう。
その点、テーマパークなどの施設は、継続的な収益を確保し易いという強みがありますよね。
正直、行く前には「またレトロブームか…」と思っていたのですが、
実際に足を運んでみて、細部の作りこみやちょっとした展示スペースなど、
めっちゃ拘りや愛情を感じて、少し反省しました。
古い物をそのまま持続・継続する事だけが文化継承ではない、という事を、
西武園ゆんえんちを通して再確認したように感じました。
西武園ゆうえんちのホームページはこちら
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