こんにちは、宮寺理美です。
2018年に中国のSNS微博を始めてから、
着物を軸にした視点で民族衣装や、各地の文化の事を再考する機会がとても増えました。
こちらは友達のナナちゃんと一緒にお出かけした時の記事。
漢服と着物を交換しました。
実はこの日、出かけた先でベトナムの女の子達と出会って、
あまりにも綺麗だったので一緒に写真を撮ってもらったんです。
これをきっかけに、アオザイにも興味が湧きました。
レースのアオザイ!すごく可愛いですよね。
私の隣の女の子のひらひらドレスも、
詰襟のデザインでちょっとアオザイ風?でした。
最近、漢服と韓服の起源の事で、
中国と韓国のネットユーザーを中心にSNSでバトルが勃発したりしていたんです。
それを見ながら私は思ったんです。
「これ、日本のネトウヨの人達がいつもやるアレに似ているなぁ…」と。
要するに、自分の言論の材料になるならなんでもいいんですよね、アレ。
その韓国の人達は、
「着物も含めた各地の民族衣装は韓国が起源だ!」
と主張するはちゃめちゃな歴史的論理を展開していたのですが、
書いている韓国の人達って、多分、民族衣装好きじゃないんですよね。
買ってもないし、着てもいないだろうし。
「じゃあ韓国の民族衣装が好きな人ってどんな人なんだろう?」
と思ったんです。
私は着物を日常的なファッションとして選択しています。
ちょっと少数派ではあるけど、
もしかしたら、韓国にも私みたいな人がいるかもしれない、と思ったんです。
という訳で、以前と少々違う方向性でアンテナを張ってみました。
そして、思い切って、各地の民族衣装を愛好する人、
民族衣装ラバーのみなさんにコンタクトを取ってみました。
今回は、
・アオザイ(ベトナム)
・インド(サリー)
・韓国(韓服)
・中国(漢服)
を愛好する方に、5つの質問をしてみました。
質問内容は、
という超シンプルなものです。笑
その結果、各地の色々なナマの声を伺うことができました!
各地の民族衣装事情を解説しながら書かせていただきました。
アオザイを愛好するMoonさんに聞いてみた!
①簡単な自己紹介をお願いします
MoonさんはInstagramアカウントで知り合ったのですが、
ベトナムの景色にぴったりなアオザイ姿をたくさん投稿されています。
コーディネートがすっごく可愛いんですよ…!
ザ・南の国!という感じで。
②民族衣装のどんなところが好きですか?
少し補足させていただきますね。
現在のベトナムは中国の唐・漢王朝の時代に、漢民族による支配を受けていた背景があります。
このため、ベトナムの伝統衣装と中国の伝統衣装は共通点で多いです。
現在のアオザイが出現したのは1930~1940年代、
目新しさゆえに批判された時代もあったようですが、
都市化に伴って定着していった、という背景があります。
ベトナム情報総合サイトVIETJOに、アオザイの記事がありました。
ご興味のある方はぜひ!イラスト付きで分かりやすかったです。
③アオザイはどんなどころで買っていますか?可能でしたら、価格帯も教えてください。
価格のゼロの多さに「えっ!?」と思って、
思わず時価を調べてしまったのですが、合っていました…!
それにしても、自家製造文化がまだあるなんて!!
日本でも戦前くらいにはワラジや着物を自宅で製造する文化があった
とは本で読んだり、話に聞いたりしますが、
ベトナムではまだ「ママが作ってくれた」が健在なんですね。
カスタムオーダーの値段もすごくお手ごろに感じますよね。
手放しに喜んでいけない部分でもありますが、
観光に行った時に外国人も手軽に購入できる、など、
良い点もたくさんあるなぁ、と感じました。
④日常生活でアオザイを着ている人は、周囲に何人くらいいますか?
Moonさんも寺社に訪れる際によく着用されている印象です。
「誇り」だと明言するMoonさん、本当にかっこいい…
テトホリデーというのは旧正月の事で、
ベトナムで1番盛り上がる休日なんだそうですよ。
旧正月は家に花を飾る習慣があるので、フラワーマーケットがたくさん出るんですって。楽しそうだなぁ…
⑤ コーディネートのこだわりを教えて下さい
景色とのマッチングやカラーコーディネートに拘っているとの事、
Instagramの投稿からもバッチバチに伝わってきます。
そして故郷への愛も。
Moonさん、ありがとうございました!!
インドサリーを愛好するAkemiさんに聞いてみた!
①簡単な自己紹介をお願いします
もう13年もお住まいなんだとか…!
Tiwtterでは暮らしの事をメインに投稿されているので、
ご興味のある方はぜひぜひ。
②民族衣装のどんなところが好きですか?
巻き方が分かり易い動画を見つけたので、合わせてご紹介します。
サリーってこんな風に自分で巻き巻きして着用するんですよね。
確かに、布として美しい!
巻きつけた後も、布の質感で表情が変わりそうですよね。
③サリーはどんなどころで買っていますか?可能でしたら、価格帯も教えてください。
シンプルに1枚の布だからこそ、質によっての価格差がありそう。
リアルな価格の情報までありがとうございます…!
最近Akemiさんがご購入されたという「Gifu(岐阜)サリー」
なんと日本製タイルから着想を得たのだそうです。和印折衷…!?
ブランドのサイトも教えていただきました。
全部すっごく可愛いかったです!!
④日常生活でサリーを着ている人は、周囲に何人くらいいますか?
⑤ コーディネートのこだわりを教えて下さい
実は、Akemiさんの投稿したこの着こなしを見て
「かわいい!こんなコーディネートがあるなんて!」
と大興奮でフォローさせていただいたのです。笑
Instagramにはこんな投稿も。
日常生活に溶け込んでいてすごく素敵だなぁ、と感じました。
私はボリウッド映画に出てくるような豪奢なサリーばかり見ていたので、
日常生活に溶け込んだスタイルがとても新鮮でした。
サリーってこんなに色々な楽しみ方があるんですね…
Akemiさん、貴重なお話をありがとうございました!!
(※見やすくするために、一部改行させていただきました。)
漢服を愛好する熊猫ちゃんに聞いてみた!
熊猫ちゃんの微博アカウントより。
(転載のご許可をいただいております。)
② 漢服のどんなところが好きですか?
熊猫ちゃんが好きなブランドとして後述してくれているのですが、
十三余という漢服のブランドがあって、
オーナーの小豆蔻儿さんは美貌の実業家でもあるんです。
スケールのでかいロケ写真や動画でも有名で、
熊猫ちゃんが彼女の商品写真を「作品」と呼んでいるのも、
こういうPRをしているからなんです。
微博ではロリータファッション愛好家とコラボしたり、
簡単にできる可愛いヘアセットを紹介したりもしています。
ファッションアイコンと経営者もやっている凄腕っぷり。
熊猫ちゃんも旅行がお好きなようです。
③ 漢服はどんなどころで買っていますか?可能でしたら、価格帯も教えてください。
Twitterで漢服の解説をアップしているシャチョウさんに教えて頂いたのですが、
この「西塘の漢服文化祭」というお祭りは、
アジア圏で人気の台湾歌手・周杰倫(Jay Chou)の相棒で作詞家の方文山さんが2013年に発起したのだそうです。
周杰倫さんと方文山さんがコラボした中華風楽曲は中国で大人気なんだそうです。
周杰倫さんの美しい歌声と、方文山さんの中国伝統詩詞の美しさが魅力なんだとか。
方文山さんは台湾語出身で、ご自身も漢服愛好者なのだろうです。
最近は、漢服ブランドやアクセサリー、伝統工芸品、化粧品などの宣伝の場とでもなっているのだそうです。
参加者のワクワクが伝わってくる動画。
めっちゃくちゃ盛り上がってますね!
日本でも注目されている中国コスメブランド花西子も、こんな動画をアップしていました。
⑤コーディネートのこだわりを教えてください。
(翻訳ソフトを使用して回答を日本語に翻訳しました。
細かいニュアンスが違うかもしれませんが、
ご本人の意図と全く違う翻訳はしていないと思いますので、ご了承下さい。)
熊猫ちゃん、丁寧に質問に答えてくれて本当にありがとう!
韓服を愛好する賢美さんに聞いてみた!
① 簡単な自己紹介をお願いします
賢美さんが仰っている「生活韓服」というのはこれのこと。
日常生活に合うように改良されたチマチョゴリですね。
ワンピースみたいで可愛い…!
学生さんたちとの交流の様子も温かい雰囲気でほっこりしますね。
そして賢美さん、
「日本語は初級レベルです」とご謙遜されてましたが、
全部日本語で回答して下さいました。
すごい…本当にすごい…
ほぼ毎日着るのが負担にならないくらい利便性が高いの、
めちゃくちゃ羨ましい…!
②生活韓服のどんなところが好きですか?
賢美さんのコーディネート。
靴やアクセサリーまで凝っていて、すごく素敵だし、
ハッピーが周りの人に伝播している…
きれいな服パワー、すごいぞ!
③韓服はどんなところで買っていますか?可能でしたら、価格帯も教えてください。
生活韓服ブランドのインスタグラムアカウントを紹介してくださったので、
各ブランド名の箇所にリンクを貼りました。
どのブランドも可愛くて新しい…!
本当に色々なデザインの生活韓服があるんですね!
④日常生活で生活韓服を着ている人は、周囲に何人くらいいますか?
なるほど…!
SNSだといっぱいいるように見えるのですが、
やっぱりちょっと特別枠なんですねぇ。
⑤コーディネートのこだわりを教えてください。
賢美さんのコーディネート。
日常生活にも馴染みやすく、
伝統的な文様やデザインも取り入れられていて、
まさに「伝統と現代ファッションの融合」という感じがします。
賢美さん、丁寧に質問に答えてさって、本当にありがとうございました!
(読みやすくするために加筆・修正を行いました。趣旨に沿わない改変はしておりません。)
実際に民族衣装を愛好する人にお話を聞いてみたら、
全く知らなかった情報が盛りだくさんで、驚きの連続でした!
「あの国の民族衣装ってアレでしょ?」
というイメージってどこの国の民族衣装に対しても持ってしまいがちですが、
実際には実情に合わせて進化していたり、
若い人達の感性に合わせて変化していたりして、
ファッションの変化と共に民族衣装も変化している事が分かりました。
今の時点で私がお話を伺える方は限られていますが、
また機会があれば、別の地の民族衣装を愛する人に、
お話を伺ってみたい!と思います。