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【着物コラム】国際ノーダイエットデーに考える、着物と体型の事


こんにちは、着物コーディネーターさとです。

今日、5月6日は国際ノーダイエットデーなんだそうです。
ダイエットに対してのプレッシャーや健康への影響を訴える日なんだとか。
そういう日があるというのを、今日初めて知りました。


中国のSNS、Weiboでは「日本の女の子って細い!」って散々言われます。
私から見ると中国の女の子も凄く細いのですが、
中国の方って遺伝子的に肩の骨が直角に近いんですよね。
それによって服の横幅を取られるから、日本の服の規格が小さく感じるのも原因のようです。

そもそも、「細いのは良い事だ」という価値観ってどこから来ているのでしょうね?
私は60年代あたり流行った、前時代的なモノだと認識しているのですが…

勿論ご本人が「痩せてた方がいい」「健康のために」等と、痩せる事を選択してるなら良い事だと思います。
(私が人様の決断にあーだこーだ言う資格は勿論ないですが。)
「女性は美しくなければならない、美しい女性は痩せていなければならない」という社会からの圧がまだまだ強いな、と感じる事が多いです。

外圧による体型へのコンプレックスの問題は本当に根深いです。
着物でもよくある事で、noteでも何回か「着物が似合うという体型ディス」について触れていたのですが、
今回はその件について少し掘り下げてみようと思います。


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「寸胴」で「胸が小さい」と着物が似合う?


自虐やイジリの類でよく聞くのが、この2つのキーワードです。
「寸胴」も「胸が小さい」も、決して悪い事ではないと私は思います。
しかし、
その言葉を投げかけられたり、自称した本人の認識にもよりますが、
どちらかと言えば悪口の類の言葉ですよね。

アジア人は西洋人と比較したら、ウエストもくびれてないです。
胸の大小については結構センシティブな話題だと思いますけど、
どちらも悪い事ではないです。個性です。
アジア人は西洋人と比較したら足が短いですけど、それも悪い事ではないです。
これも個性というか、人種的な特徴だと思います。
それによって体型ディスと結びつき易いんだなぁ、と感じる事も多いです。
現代の日本の美意識って、とても西洋ナイズドされていますし。

こういうネガティブな響きのキーワードと着物が結びついているの、
私としては大変遺憾です。
なぜなら「その浴衣すごく似合うね!」と褒めたつもりで言っても、
「あぁ、私寸胴だから似合うの~」なんて自虐で返事をされると、
返す言葉がないからです。笑
(これ、実際に女性自身の口から何度も聞きました。苦笑)

これについては声を大にして言いたいのですが、
寸胴で胸が小さい「だから」着物が似合うわけでは決してないです。
確かに着付けはしやすいと思いますが、ただそれだけの事です。
ウエストが括れていて胸が大きくても、
「だから」着物が似合わない、には結びつかないと思うんですね。
着付けは確かにちょっと大変ですけど。

着物が似合う事と体型は、重なる部分は勿論ありますけど、
上記に挙げた2点は、似合う・似合わないを左右する要素にはならないと私は思っています。

そもそも、着物は着付けやコーディネートで、色々な人に合わせることができる服です。
もちろん不可能だってありますけど、洋服と比較したら、遥かに自分で調節できる幅が広いです。



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「●●だから着物が似合う・似合わない」の
●●の部分に体型ディスを入れられると、
着物を体型ディスに使わないで欲しいな、とつい思ってしまいます。

でも、寸胴、短足などなどに代表する「日本人的な体型への自虐やディス」ってずっと無くなりません。
どうしてそれが悪い事なんでしょう?全て「個性」だと思うんですよね。

どんなに「美しい女性像」が西洋ナイズドされていて、
日本人の体型が年々変化していても、その乖離はまだありますよね。
ナチュラルボーン西洋人体型の日本人ってすごく少ないと思うんです。
前述した「痩せている事」等の外圧と同じく、
社会が提示する「可愛い」や「美しい」女性を、万人が目指す必要は別に無いですし、
本来なら目指す自由・目指さない自由、どちらももあって然りです。