Winter_山口線

細胞核オーバーロードと筋サテライト細胞(筋衛星細胞)の活性化

先日紹介した「細胞核オーバーロード」もう少し追加情報をいろいろ調べてみました。

「細胞核オーバーロード」は、その紹介のされ方から、常識破りな非科学的なとてもマニアックな筋トレ方法の印象を受けてしまいますが、その理論背景は「筋サテライト細胞(筋衛星細胞)の増殖と分化を促進させる事を最大目標にした実践的筋トレ法」と言えます。
ただ、その実践方法がまだ試行錯誤の段階であり、従来の常識からみるとかなり乱暴なやり方が注目されているのが今の現状のようです。

筋サテライト細胞(筋衛星細胞)の増殖に関して調べていて感じた事は、高齢者の健康問題の一つとして注目されているサルコペニア(加齢に伴う骨格筋量の低下による身体能力の低下)の研究において、筋サテライト細胞に関する研究が非常に重要な研究テーマになっているという事に気づきました。

限られた一部の筋トレマニアが注目している事と多くの高齢者の課題であるサルコペニアが「筋サテライト細胞」という共通点で繋がっているというなんとも不思議な感じがします。
でも考えようによっては、若者に比べて中高年トレーニーに大きな筋肥大があまり期待できないのは「筋サテライト細胞」による差が大きな要因になってると考えれば根底にあるものは同じと言えます。

「細胞核オーバーロード」に関する科学的エビデンスはほとんど無いと
いわれていますが、「筋サテライト細胞」に関する科学的エビデンスは沢山
あります。基本的な内容は以下の文献は比較的わかりやすかったと思います。

 ●「マイオカインによるサテライト細胞の制御機構」

 ●「サルコペニア研究の現状と臨床への応用」

結局は、高齢者も筋トレのトレーニーも、「筋サテライト細胞の増殖と分化を促進させる因子」をいかにして増やすか?より効果的な方法を見出す事が今の課題です。
筋トレのトレーニーが今実践していいる「細胞核オーバーロード」の滅茶苦茶な方法が、高齢者に適用できるはずはありませんが、ヒントにはなるかもしれません。「細胞核オーバーロード」の視点から科学的エビデンスがもっと揃えば、今の方法とは大きく違った「細胞核オーバーロード」トレーニング法が見つかるかもしれません。

傷ついた筋肉に微弱電流を流すと筋サテライト細胞が2倍近くも増加した

という情報もあります。
今、微弱電流を利用して腹筋を鍛えるEMSベルトのような商品がありますが、そのうち筋サテライト細胞を増やすEMSベルトのような商品が出てくるのでしょうか?

筋サテライト細胞(筋衛星細胞)の増殖と分化の促進は、私なりに
意識して今年は試行錯誤の筋トレをしてみたいと思っています。


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