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010:「チャレンジャーズ!」が面白くなってきた話 後半

前半の続きです。



チャレンジャーズ!ビーチカップ

「チャレンジャーズ!」が我が家を去ってから数ヶ月が経った。子供たちと楽しく遊ぶことを期待して購入したボドゲなので、一度も子供と遊ぶことなく売却したのは残念だったが、貴重なボドゲ時間を好きじゃないゲームで費やす気にはならなかったので仕方ない。

そしてすっかり「チャレンジャーズ!」のことも忘れていた年明け。ボドゲカフェDEJANAでいつものように遊んでいたら、続々と人が増えて8人になった。

ん!?この展開は以前見たことがあるぞ。

そして店長さんが嬉しそうに持ってきてくれたのが「チャレンジャーズ!ビーチカップ」!

続編だ(笑)

なんと「チャレンジャーズ!」のトラウマからようやく復活したというのに、また新たな刺客が現れた!今度は「コーチ」というリーダーカードが加わり、永続効果を発揮するという。うーん、でもそれ以外はあまり変わっていないような。

そしてプレイ開始。
新しい要素は少し増え、カード効果もやや複雑になり面白くなったため周りのプレイヤーたちは大盛り上がりなのだが、やっぱり面白くない。プレイ感は全く同じだ。

一回だけ遊んだゲームというのは評価が難しい。1回目で好きになれば何の問題もないが、面白くない場合でも2回目に遊ぶと面白いことがあり、ボードゲームは特にその時のメンバーや雰囲気により体験が異なることが往々にしてある。このため「チャレンジャーズ!」も評価を保留にしていたのだが、やはり駄目だ。面白くない。


ボドゲーマで新たな発見

仕方ないので、「チャレンジャーズ!」の点数は6点ということにした。初回の体験的には4点ぐらいなのだが、ゲームのコンセプトや完成度としてクソゲーではないので、おそらくリプレイしていけばさすがに6点以上はあると思った。しかしそれ以上の点をつける気にもなれない。

そして、この日記を書き始めた。いつものようにゲーム概要を調べて書き始めたのだが、ふと他の人の評価が気になり、ボドゲーマで「チャレンジャーズ!」の評価を調べてみた。

8点以上の人が多く、やはりかなり高評価となっているが、中には5、6点の評価もあり、私と同じような気持ちになった人が数名いるのかもしれない。

そして普段はほとんど見ることはないのだが、何となく「戦略・コツ」ページを覗いてみると戦略を書いたページがあった。もう私がこのゲームをプレイすることはないと思うが、一体このゲームにはどんな戦略があったのか知りたいとも思いページを開いてみる。

書いたのは、忖度なく鋭い感想をズバッと述べる神さまレビュワー「白州」さんだ。いつもレビューを楽しませてもらっているが、戦略・コツを書くのは珍しいような。そしてそこには、以下のように書いてあった。

チャレンジャーズの戦略とコツ 5つのポイント
①予選突破するために最低25点以上を意識する
②基本的には、同じカードを集める
③早い段階で、デッキの方向性を決める
④カードを引く選択肢はデッキに合わせて選ぶ
⑤プレイ人数によって、引けるカードが変わるのを意識する

特に私がハッとさせられたのは②の「同じカードを集める」というポイントだ。このゲームが今まで遊んできたTCGと最も違うのは、撤退したカードが移動する6カ所のベンチの存在。このベンチが一杯になるとプレイヤーは敗北してしまうため、出来るだけベンチが埋まらないうちに相手を倒す必要がある。

そう、このゲームは対戦相手の強いクリーチャーを倒すゲームというよりは、撤退したカードがベンチを溢れないようにコントロールするゲームなのだ。当たり前なのだが、言われて初めて気が付いた。そういえば、私が負けた試合ではいつもベンチ負けをしていたと思う。

②基本的には、同じカードを集める
このゲームの基本ともいえる戦略。
最初は何も考えずに選んでもあまり問題はないが、後半になるにつれ、ベンチのキャラクターが7種類以上になると即敗北(ベンチ負け)になるというルールがあるため、ただ闇雲に強いカードを入れてもこのゲームでは勝てない。

このベンチ負けを回避する方法は大きく分けて2つ。

A:同じカードを集めてベンチを節約する
B:ベンチのカードをなくすカードをデッキに入れる


ただし、Bの方法に必要な「ベンチのカードをなくすカード」は、執事、魔術師、パンプキンの3種類しかなく、全カード261枚中12枚しか存在しない。

そしてベンチ負けしないために必要なのは、
・使用するカードを6種類以内にする(A)
・ベンチカードを除去する効果カードを使う(B)

ことである。

もうこの時点で目から鱗状態となり、夢中で記事を読んでしまった。特にカードの種類を6種類にするのは今思うと基本中の基本なのだが、ヘボゲーマーの私は全く気付くことができなかった。


BGAで実践してみる

もう日記など書いていられない。
私はすぐさまBGA(Board Game Arena)へ行き、「チャレンジャーズ!」をプレイした。幸い、BGAでもソロプレイに対応しているためすぐにBOTと対戦することができる。

ロボットはほとんど初期デッキと同じ構成なのだが、「サイボーグ」が特殊でその強さはラウンド数と同じになる。つまりラウンド1では強さが「1」と最弱なのだが、ラウンド7では強さ「7」の凶悪なカードへと変貌する。

この徐々に強くなるロボットが練習相手にはちょうど良い。私は夢中になって10ゲームほど対戦した。1ゲーム5分ほどなのであっという間だ。


おもしろポイント

そして10戦ほどロボットと対戦すると今度は人間と対戦したくなった。さすがにロボットは単調なのと、自分がどの程度人間相手に通用するのか試してみたくなったのだ。私は早速BGAで募集されている卓に参加して実感した。

なるほど、面白い!

何をいまさら、と思うかもしれない。私も思う。
だが、あえて私が面白いと思うポイントを述べてみる。

①オートマチック対戦

まず通常のTCGと最も違う点は、対戦がほぼ自動で処理されていく点だ。試合が始まると自分のデッキの上から1枚ずつ引いて場に出していく。本作はアナログゲームなので自分の手で処理をしているが根本的には自動処理であり、プレイヤーにはどうすることもできない部分である。

余談だが私は昔から自動処理されるシミュレーションゲームが大好きだ。古くはアートディンクから発売されたPC-9801用ソフト「南海の死闘」や「地球防衛軍IIファーサイドムーン」は夢中で遊んでいたし、PlayStationソフト「カルネージハート」にのめり込んでいた。いずれもプログラミング的な要素が特徴的で起こりうる場面を想定して、その時にどういう処理をしていくのか決めていく。

「チャレンジャーズ!」もそういう意味でプログラミング的な面白さがあるように感じる。カードを捲ってフラッグの奪取を行なっていくとベンチが埋まってくるので、この時にどういう処理をしてベンチコントロールを行うのか決める楽しさである。あらかじめカードの種類を6種類に絞っておいて対応するのか、それともベンチのカードを消耗パイルというゴミ箱に捨ててしまうのか。そこにプレイヤーの判断が委ねられており、腕の見せ所なのである。

②様々な状況に応じたカード効果

初期デッキは何の効果もないカードばかりなのだが、A・B・Cの山札から引くカードには様々な特殊能力が付与されている。フラッグを持つと強くなるカード、ベンチから応援するカード、ファン(勝利点)をもらえるカードなど、非常に多彩な効果があり面白い。

それらをどういう方針で自分のデッキに組み込んでいくのか考えるところが面白い。また引けるカードは何十枚もある山札から5枚だけなので、いつもお気に入りのカードを引けるわけではない。その引けたカード内で最適な作戦を考えてカードを選択する必要があるところがまた面白い。


だが、上記の面白さに気付くにはカードゲームへの慣れとある程度のゲームセンスが必要なようにも感じる。プレイは非常に簡単だが、決して誰もが初めてプレイして面白さを感じるほど簡単なものではない気もするのだ。

特に初めてプレイされる方には当たり前のことだが、
・カードの種類が7種類以上になるとベンチ負けすること。
・全7戦中、序盤の1〜3戦は負けても仕方ないこと。

を伝えたい。

考えてみれば、ドイツ年間ゲーム大賞作品だが「エキスパート部門(KDJ)」の受賞作品なのである。SDJではないので、遊ぶ人を選ぶゲームだという認識は忘れないようにしたい。


感想

まずは6点の評価を付けてしまった「チャレンジャーズ!」に謝罪したい。ごめんなさい。あなたは面白かったです。ぜひ子供たちと遊んでみたいので買い直しましたw

今の自分の中では8点ぐらいになっているが、点数的な再評価はBGAではなく実際のプレイ後に改めてしたいと思う。なぜならそれは多くの人が評価しているように、このゲームの最大の魅力はミニゲーム大会を体験できるところにあると思うからだ。

前半に述べたように、私以外のプレイヤーはみんな楽しそうにプレイしていたので今ならみんなと同じような気持ちで楽しくプレイできる気がする。そしてその場の盛り上がる空気感を一緒に味わいたい。

8人のゲーマーが集まって楽しめるゲームはなかなかない。そういう意味で非常に貴重なボードゲームである。アートワークはもうちょっと頑張って欲しかったなぁ、という気持ちはあるが、今後の展開も楽しみだ。

そして最後に、先のボドゲーマの評価で私のように5〜6点を付けた方は多くはないが確かにいる。どんな気持ちで採点したか分からないが、もしかしたら私と同じように悲しく残念な気持ちで点数を付けているかもしれない。そんな方にこの記事を届けたい。そしていつかその人たちと「チャレンジャーズ!」を笑いながら一緒に遊びたいと思う。


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