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009:「チャレンジャーズ!」が面白くなってきた話 前半

昨年のドイツ年間ゲーム大賞エキスパート部門受賞作。昨年遊んでいたが、まだ感想を書いていなかった。実はあまり良い感想を持たなかったので書くのをためらっていたのだが、先日、続編の「ビーチカップ」も遊んでやはり同じような印象だったので感想を書いておく・・・つもりだったが、調べて遊んでいるうちに超絶面白くなってきたので、その経緯について書くことにする。

ちなみに前提として、私はマジック・ザ・ギャザリングや遊戯王などのTCGは好きだったし、デッキ構築の祖であるドミニオンは今でもオールタイムベスト10に入れるぐらいに大好きなので、その点も踏まえて読んでいただけると嬉しい。



ゲーム概要

「チャレンジャーズ!」はフラッグバトルと呼ばれる大会形式のカードゲームで、プレイヤーは予選7ラウンドを戦い、ファンの多い上位2名が勝者を競う決勝に進出する。各ラウンドはデッキフェイズとマッチフェイズに分かれており、デッキフェイズではデッキの強化が行われ、マッチフェイズでは対戦相手との勝負が繰り広げられる。

試合では場に出ている最大数字のカードがフラッグを保持し、相手はその数字を上回るまでデッキのカード1枚ずつ公開する。試合はフラッグ保持者が敗北するか、6つのベンチが埋まるまで続き、勝者がラウンドに応じたファンを獲得。予選を通過した上位2名が決勝で対決し、最終的な勝者が決まる。


予約購入!

2023年8月、「チャレンジャーズ!日本語版」がホビージャパンより発売されたので早速予約購入した。この作品は海外版をプレイされた方からも好評で非常に前評判が高く、7月に発表されたドイツ年間ゲーム大賞エキスパート部門を受賞したことから、とてもワクワクしていた。

まずコンセプトが非常に面白い。皆同じ初期デッキ6枚からスタートして、試合前に5枚のカードを引いて指示されたカード(例えばA2枚など)を自分のデッキに加える。

そして決められた対戦相手と対戦して、終わったらまた5枚引いて、指定のカードをデッキに加える・・・。そうしてどんどんと自分のデッキが強くなっていくのだが、他プレイヤーも強くなるので歯応えのある対戦が続いていく・・・。

もうシステムを聞くだけで、「これは面白いに決まってる!」という気持ちになっていた。TCGのゲーム大会をシミュレートしたようなシステムが面白くないはずがない。私は期待に胸を膨らませていた。


初プレイ!

10月、ようやくプレイの機会が訪れた。
いつものようにボドゲカフェDEJANAで朝から色んな方と遊んでいたところ、午後になり続々と人が増えてついに8人になった。店長さんがスッと持ち出して来てくれたのが「チャレンジャーズ!」だった。

「やった!ついにチャレンジャーズ!を遊べるぞ!」

私のテンションは爆上がりだ。数か月間、楽しみにしていた作品だ。しかもドイツ年間ゲーム大賞エキスパート部門受賞作なので、大げさに言えば今年を代表する新作で、今後も語り継がれる名作かもしれない。もうワクワクが止まらなかった。

<デッキ構築?なにそれ?>

だが、意外にもゲームが始まると面白くない。まず思ったようにデッキが構築できないのだ。初期デッキは効果のない1~4の強さを持った6枚。まずAの山札から5枚のカードを引いてみると、なかなか面白そうな効果を持ったカードが引けてデッキに2枚入れてみるが、特に効果のシナジーなんかもなく、ただただカードが8枚になっただけである。

<カードを1枚ずつ引いていくだけ。戦略性はあるの?>

対戦では自分の作ったデッキを上から1枚ずつ引いて場に出すだけ。何の思考もない。ただただカードを出すだけ。出したカードの攻撃力は累積されていくので、そりゃいつかはフラッグを勝ち取ることができるが、すぐにまた相手に取られてしまう。

私は不思議な気持ちでデッキのカードをめくり続け、そしてベンチが溢れたところでゲーム終了。敗北した。なにこれ?戦略も何もあったもんじゃない。

<ゲーム終了・・・>

そしてそんなことを7戦繰り返した。正直、4戦目以降はもうどうでも良くなり私は考えることを止めて、ただただカードを2枚追加してデッキをめくり続けた。7戦中2回ほど勝ったが別に嬉しくない。自分がゲームをプレイしている気さえしなかった。

だが、周りは違った。みんなカードを引くことを楽しんでおり、めくるカード1枚1枚に一喜一憂して大騒ぎだ。そのうち上位2名による決勝戦が始まり部屋は大盛り上がりなのだが、カードテキストを真面目に読んでいない私には、正直何をやっているのか全く分からなかった。


売却・・・

面白くなかった。
デッキ構築の魅力は全く感じられなかったし、対戦のドキドキ感もなかった。むしろ熱狂している周りとの温度差を感じて孤立している感じさえあった。

残念だった。
数か月前からずっと楽しみにしていた「約束された名作」で、よもやこんな気持ちになるとは想像もしていなかった。なんとなく情けない気持ちにさえなる。

数日後、妻に棚から溢れ出たボードゲームを処分しろとうるさく言われた私は、一度開封しただけの「チャレンジャーズ!」をそっと売却用の段ボールに詰め込んだ。

さようなら、チャレンジャーズ!。
誰か良い人に遊んでもらうんだよ。
失望と寂しさが入り混じった複雑な気持ちでいっぱいになっていた。

しかし、この時の私はまだ気付いていなかった。
チャレンジャーズ!の本当の面白さに気付いて買い直す羽目になることを。


ちょっと長くなったので、後半に続きます。


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