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マラカイボで失敗した話①

昨年、自身初の重ゲー「マラカイボ」をクローズ会で遊ぼうとして挫折した経験を自分の反省も含め記録しておこうと思う。


【プロローグ】

私が本格的にボードゲームを遊び始めたのは2020年の2月頃からで、それまでにドミニオンやカルカソンヌを購入して所有していたが遊ぶ相手がおらず、ずっと押し入れにしまっていた。ホントは息子たちと遊ぼうと用意していたのだが、遊んでくれなかったので放置していたところ、たまたま友人家族が家に遊びに来た際、子供達がスイッチのスマブラで遊びはじめ手持無沙汰となり、何かしようか、ということでドミニオンをしたのが自宅ボドゲ会のはじまり。

それから月1, 2回のペースで私と友人と高校生の息子さんの三人でボードゲームを遊ぶようになった。カタン、カルカソンヌ、宝石の煌めき…など名作と言われるものから、ディープブルー、クアックサルバー、テラフォーミングマーズ、エバーデールなど流行りのボードゲームも遊ぶようになり、
「ボードゲームって楽しいなぁ。もっと面白いのないかな。」
と、さらに楽しいものを探すようになった。

そんな折、TwitterのTLで「テンデイズゲームズから今年一番の注目作、マラカイボが発売されるぞ!」というツイートが流れてきた。

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「これだ!」ということで、まずは情報収集。

・マラカイボは17世紀のカリブ海を舞台に、船乗りであり冒険者でもあるプレイヤーが富と名声の獲得を競う重量級ボードゲーム。
・デザイナーはアレクサンダー・プフィスターさんという有名な方らしい。
・マラカイボは彼のこれまでの作品である、『モンバサ』『グレート・ウェスタン・トレイル』『ブラックアウト香港』という優秀な作品群の集大成。

もうこれだけの条件が整っていれば、面白くないはずがない!重ゲーはまだやったことないけど、何とかなるだろ!
というわけで購入。

【マラカイボ購入!】

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さっそく箱を開けてみる。まず目についたのは美しいメインボード。カリブ海が美しいアートワークで描かれている。私はこういうのにめっぽう弱い。「これは面白いゲームに間違いない。」そう確信して説明書に目を通す。
・・・・・
さっぱり分からない。

これは自分でも意外な反応だった。これまで遊んだゲームは説明書を一通り読めば、ゲームの流れはだいたい理解できたのだが、このゲームはさっぱり分からない。
フェイズA:航海
フェイズB:メインアクション
フェイズC:カードの獲得
・・・
なるほど…で、何をすればいいの?

困った私は、いつも見ているHAL99さんのレビュー動画を見てみた。
なるほど、さすが春さん!なんか分かった気がする。要するに船を1~7マス進めて、そこのアクションをすればいいのね。
ちょっとすっきりした気分。今日は疲れたから続きはまた今度…。

【失敗①:Aカード、Bカード?】

翌週の恒例自宅ボドゲ会。朝からクランク!を遊んで大盛り上がり。
友人:「あー面白かった。次は何します。」
私:「マラカイボっていう面白いゲームを手に入れましたよ。」
そういって、私は颯爽とマラカイボを友人に自慢げに披露した。

正直、説明書はよく分からないことだらけだけど、その都度調べたらいいかな、という軽い気持ちでマラカイボを広げ始めた。
まず準備…と、ここでまず躓いた。

6:計画カードをAカードとBカードに分けます。2回目からはCカードもあります。キャンペーンを続けたい場合、CカードをAカードに加えてよく混ぜてください。そうでない場合、Cカードを取り分けてストーリーカードの山の底に置きます。
AカードとBカードの山を個別によく混ぜ、各プレイヤーにAカードを8枚ずつ配ります。Bカードの山から40枚を取り、残りのAカードと共によく混ぜます。・・・

え、AカードとBカード・・・混ぜる?
びっくりした。検品した際にはカードにそんな種類は書いてなかったよな。枠線の色が違う…だと?

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確かによく見たら枠線の色が違う…。しかし、これは気付かないレベルだぞ!おい!
こんな調子で準備をしていたら、すでに30分が経過していた。

【失敗②:村ってどれ?】

準備にちょっと疲れたけど、気を取り直してインスト開始。
私:「えー、船を1~7マス進めて、そのマスのアクションを行います。村の場合は村アクション、町の場合は町アクションです。」
友人:「えっと、村ってどれですか?」
私:「え?」

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まいった。どれが村なのか分からない…。①は町タイルがあるから町だよなぁ。②は村なのかな?③は…どこを指してるんだ?
メインボードは美しいが、アートワーク重視で村とマスの関係があやふやだ。私と友人は目を凝らしながら盤面を睨めつけている。高校生の息子さんはちょっと退屈そうだ…。まずい。

15分後、なんとか町と村の関係を把握した後、さらにインストを続ける。

【失敗③:カードを購入?商品はどこ?】

私:「村では村アクションが出来ます。カードを購入するか、1ダブロンもらうか、すべての手札を破棄して2ダブロンもらえます。」
友人:「場からカードを購入するんですか?でも手札は破棄できるんですよね?」
私:「え・・・?」

説明書を二人で睨みつける。うーん。
なんだかよく分からないが、先に進もう。

私:「町では町タイルにある商品を輸送して、示されているアクションができます・・・。」
友人:「商品ってどこにあるんですか?このアイコン何ですかね?」
私:「・・・」

・・・なんだこれ?やっぱり分かんないぞ。
もう完全にお手上げである。
準備を始めてから、すでに1時間30分が経過していた。

退屈そうな息子さんが呟いた。
「・・・もう無理なんじゃね?」

【失敗④:船の改良?】

私:「あ、あと自分の船は改良できるんです。」
友人:「どうやったら改良になるんです。この丸いディスクは何ですかね…?それにこのアイコンもよく分からないし…。」
私:「・・・」

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実はこれまでやったボドゲでは駒を除去すると能力開放されるものはなかったのだ。他の重ゲーではよく見られる能力開放のギミックだが、このときの私たちには、プレイヤーボードがたくさんのディスクが乗った奇妙なものに見えていた。

さっきまで必死に説明書を見ていた友人も疲れ果てた様子で、場の空気はこれまで感じたことのないほど重いものになっていた。

私:「これは・・・無理ですね。」
友人:「無理ですね・・・。」
何とも言葉にならない絶望感でいっぱいになりながら、私は無造作にコンポーネントを箱に放り込んで棚にしまいこんだ。

【ボドゲ会終了】

結局、その後は以前やったことのある十二季節の魔法使いを楽しんでボドゲ会は無事に終了したのだが、その夜の私のくやしさは言葉では言い表せないものだった。

「絶対、面白いはずだったのに・・・。」
「貴重なボドゲの時間を無駄にしてしまった・・・。」
「重ゲーはまだ無理だったのか?」

色んな思いが頭の中を駆け巡って、自然と涙があふれてきた。
今夜は眠れそうにない。

つづく。


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Sato39
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