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マラカイボで失敗した話②

前回の話をまだ読んでいない方は、こちらからどうぞ。



「今夜は眠れそうにない・・・」
そう思ってベッドに潜り込んだ途端、深い眠りに落ちてしまった。よっぽど疲れていたらしい。

翌朝、私は起きるやいなやYoutubeでマラカイボの動画を探し始めた。昨日、ボドゲ会終了時に友人が「お互い動画を探して見てみましょう。」と言っていたこともあるし、説明書は昨日穴が開くほど読んだけど、やっぱり全然分からなかったから他に方法が思いつかなかったのだ。

【カードの謎】

とりあえずもう一度、春さんのレビュー動画を見てみる。するとどういうことだろう、一度聞いたはずの説明が違う角度ですんなり頭に入ってきた。
「あー、なるほど。」
春さんの一言一言で次々と謎が解けていく感じ。
町に輸送する商品の謎も解けた。

複雑怪奇な150枚もあるカードをよく見ると、商品/物品は枠線の外にある。なんとマラカイボのカードは、商品/物品として使う用途と、購入して使う用途の2種類の意味があったんだ。これは気付かなかった。いや、説明書にはちゃんと書いてあるんだが、これまで遊んだゲームではこういうカードの使い方はなかったので、まったく理解できなかったようだ。

【プレイ動画見る】

かなり分かった気になってきたが、待て待て。昨日はこれで失敗した。
さらに海外の動画を探す。英語の動画だから何を言っているのか正確には分からないが、とにかくゲームの流れはなんとなく分かる。1時間以上にわたる動画ばかりだが仕方ない。私はCC字幕を表示させて苦手な英語に耳を傾けつつ、プレイ動画を見続けた。

翌日、仕事から帰った私は自分の机の上のパソコンを片付けて、広いスペースを確保して、マラカイボのメインボードを広げた。ギリギリ机の上に広がる大きさだ。昨日見たソロプレイの動画をそっくり真似してプレイしてみる。
「なるほど、ここのアクションはこれか・・・」
説明書を片手に船駒を動かしていくと、いくら読んでも分からなかった説明書の意味がようやく理解できてきた。

毎晩、寝る前の時間にマラカイボのボードを広げては駒をセットアップ。1ラウンドほど船駒を動かしては片付ける。(こうしないと翌朝、妻が駒を掃除機に吸い込んでしまうかもしれない。)そんなことを繰り返していたら、いつの間にかセットアップも自然と出来るようになった。

【ソロプレイ】

次の週末、子供を寝かしつけたあと、就寝時間まで2時間はある。いよいよソロプレイ本番だ。相手はオートマルールのジーン。難易度は「非常に簡単」を選択してゲーム開始。ジーンはオートマデックのアクションを淡々とこなすだけなのだが、意外と行きたい町などに先に行かれて邪魔をする。
「ジーン、そこは勘弁してくれよ~」
ブツブツ言いながら船駒を進めること2時間。ついに4ラウンドを周回し、ゲームは終了した。

結果は、92 vs 116でジーンに完敗。100点にも届かないロースコアだったが関係ない。
「ついにやった!」
私は初めてカリブ海を4周できた喜びでいっぱいだった。

【いざ本番!】

私は友人にLINEを送った。
私:「次の日曜日、ボドゲ会どうです?前回できなかったマラカイボにリベンジしたいんですが。」
友人:「いいですよ。やりましょう!」
快くオーケーしてくれた。ありがたい。

次の日曜日、いよいよ本番だ。
私は朝食を済ませるとテーブルを片付け、プレイマットをひいてマラカイボの準備を始めた。もう慣れたものだ。何の迷いもない。

そうこうしているうちに友人家族がやってきた。
友人:「こんにちは~」
私:「いらっしゃい。もう準備できてますよ。動画は見ました?」
友人:「いや、ぜんぜん(見てない)w」
なんてこった。見てねーよ。
私:「大丈夫ですよ。任せてください。」
内心、少しドキドキしながらも平静を装った私はインストを開始した。

インストは思いのほか順調だった。何を聞かれても大体すぐに答えることが出来たし、プレイサマリーにアクションに関しては全部書いてある。
私:「じゃあ、始めましょう。」

プレイ内容に関しては正直あまり覚えていない。頭の中が真っ白な感じ。でも窓の外は澄みきった快晴で、青く美しいカリブ海に船駒を進めるのは、なんとも気持ちのいい心地がした。

およそ3時間ほどかけて4周まわりゲーム終了。
結果は、122 vs 120 vs 110で最下位。
収入をMAXまで上げた友人の勝利だった。

でも勝敗はどうでも良かった。
「できた。自分たちにもマラカイボが出来た。」
もうそれだけで十分満足だった。
「まだまだ点が取れそうなんですよね。いや、なかなか面白かったです。またやりましょう。」
友人のそんな言葉で幸せな気持ちになれた。

【反省点】

今回は色々反省すべき点があった。

①よく理解できていないゲームを出した。
これが一番良くなかった。説明書を読んだ自分も理解できていないのに、それを説明書も読んでいない友人たちに放り投げて遊べるはずはなかったのだ。月に1回しかないボドゲ会の貴重な1時間30分を無駄にした後悔は大きい。

②実際にボードを広げて駒を並べることをしなかった。
やはり何が理解できていないのか、自分でも分からない状態だったように思う。レビュー動画を見た後に実際にボードを広げて駒を並べてみるべきだった。そうすれば少なくともAカードやBカードの違い、村と町の違いぐらい気付けたはずだ。

③できればプフィスターさんの他の作品から挑戦すべきだったか。
マラカイボはプフィスターさんの集大成的なゲームで、他の重ゲーのシステムをたくさん盛り込んだものだ。特にディスクを除去することで船を改良するシステムは今は当たり前のように感じるが、最初は想像もできなかった。誰かインストできる人と一緒なら問題なかっただろうが、自身初の重ゲーインストで選択するゲームではなかったのかもしれない。
いや、でも他の重ゲーでも結果は同じだっただろうとも思う。このあたりは私にはまだ分からない。

【今後の改善点】

①説明書を一通り読んだ後に、実際にボードを広げて準備してみる。
②説明書を片手にテストプレイしてみる。
③疑問点がある場合は動画も積極的に参考にする。
④可能ならサマリーを作成してみる。

・・・当たり前ですかね(笑)
いや、今は当たり前と感じているが、そこに中量級と重量級の溝があるのかもしれない。少なくとも、以前の自分にとって当たり前ではなかったと思う。

【感想】

「自分には重ゲーは無理なんじゃないか。」
そんな不安を抱いたこともあったが、マラカイボを最後までプレイすることが出来て少し自信がついた感じ。その後、
「重ゲーも少しずつプレイしていきましょう。」
と、友人も言ってくれたので、「テラミスティカ」や「ブラス:ランカシャー」も楽しく遊ぶことが出来ている。「マラカイボ」もソロプレイで夜な夜な楽しんでいるが、ジーンにはいつも完敗だ。
その話はまたの機会に・・・。

【謝辞】

今回、「マラカイボで失敗した話①」を公開した後にコメント欄、ツイッターで非常にたくさんの方から、叱咤激励、アドバイスをいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

また思った以上に反響が大きく、「マラカイボ 日本語版」を出版・販売されているテンデイズゲームズさんにはご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。

ボードゲーム業界の温かい雰囲気を感じつつ、業界全体の発展を期待しています。

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