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ヤングケアラーについて考える②

ヤングケアラーの担っているケアについて、どんなものを想像しますか?

祖父母の介護をする姿
幼い兄弟のお世話
料理や掃除等の家事
病気や障がいのある家族の世話

私がイメージしたものはこのような物でした。

しかし、本に書かれていた物で私がハッとしたのは
感情労働です。

私は介護の仕事をしておりますので、認知症の方にはどう接すれば落ち着いて過ごしやすいのか、学んでも来ましたし、実践してきました。

自分の感情をコントロールして、相手に合わせる。プロとしてやっているが、子供がこれを行うのは簡単ではない。

他にも精神疾患。
前回の①にも書きましたが、元妻は精神疾患歴20年以上。
何度も自殺未遂をし、リストカットやODなんて数えきれないぐらい。
当然感情は不安定。病気だから仕方ないし、元妻も苦しかったと思います。

私も当然支えてきましたが、どうしても生活する為には働かないといけない。そうなると私が仕事の間、元妻の様子を見たり、過呼吸が起こった時の対応は子供達にゆだねる事になる。極力、何かあれば私も早退するなどの対応はしていましたが、それもできない場合もある。
張り詰めた空気のなか、常に母親の様子を観察する。

立派な感情労働です。子供たちにとってはとんでもないストレスが掛かっていたと思います。それでも大好きだった母親の為に子供たちは頑張っていました。
今となっては・・・ですが。

これが前回私の子供がヤングケアラーだったと言った内容です。

感情が不安定だった母親の顔色を見て育った子供たちは、祖父母に何かを聞かれた際に、必ず親の顔色をうかがいます。それは離婚した今でも抜けない癖になっています。

介護支援専門員として

介護支援専門員の研修では社会資源を使えとよく言われます。
フォーマル(介護保険制度等)やインフォーマル(家族やボランティアなど)、とにかく利用者さんの為に使えるものは何でも使えと。

利用者さんはそれでいいのかもしれません。しかし家族はどうでしょうか?
介護の為に自分の時間を削り、時には人生そのものを削っている事もある。

それは果たして正しい状態なのでしょうか?
家族として、できる部分とできない部分があって当然だと思います。

私が介護の世界に入ったキッカケは元妻のケアをしていて、自分が大変だったから。介護を要する人も当然助けたいのですが、それを支える人を支えたいとの思いからでした。

皆さん、家族を大切にするのは素晴らしいことです。
しかし、同じように自分自身も大切にしてください。

近所でお手伝いを頑張っている子供を見かけたら、声を掛けてあげてください。
頑張りすぎて、その子の人生がダメになる前に。
大人から手を差し伸べてあげましょう。

自分の子供がヤングケアラーだった事にも気が付かなかった私です。
今まで沢山の支援を必要としていた人を見逃してきた可能性があります。

もっと視野を広げないといけません。

つい先日、令和6年6月12日にヤングケアラー支援強化の法律が施行されました。まだまだ日本ではヤングケアラーについての実態把握や支援が十分とは言えない状態です。

先ずは自分の周りから、一人でも、ほんの少しでも力になれたらと思っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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