見出し画像

【詩作】夏、流れて


夢、見てた気がするけど、忘れちゃって、
下着姿のまま、ベランダ立って、
ぬるい風、崩れた日和、過ぎる時間、
気付けば午後ね、うだるよな夏、
あたしは部屋の中

フラペチーノの氷に、溶ける、噂、
興味がないから、あたしは制服脱いで、
扇風機の前、寝そべって、
パーフリ聞いて、時代を上る
女の子はいつだって、可愛くて、
未来も昔も、今も、
いつだって、

真っ青って言葉はあんまり似合わないから、
青い空、でいいの、
そう、物事はいつも単純で、
グラウンドに落ちる汗よりも、
あたしは彼が好きだよ
眼鏡の奥で、どんな世界を見てるの
ねえ、教えて、って、言いそびれた、
夏、帰り道
その小説、あたしも買った
花火の音は、遥かに遠く
タ流みの素足、黒い髪、そんな気になって、
溺れないくらいのちょうどよさで、
恋の話をしてみたかった


あたし、明日もきっと、キミを思いながら、
冷たい炭酸のジュースに弾けた泡の、
ひとつひとつに夏を感じて、
焦りともどかしさの中で、
遠くのほうまで行くこともなく、
自由な身体を遊ばせるでしょう
ねえ、キミは何してますか?
あたしは今日も、部屋の中、
夢、見るほどのこともない一日を、
見送りました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?