見出し画像

【詩作】スロウダイブ


ガラガラに澄んだその声で
朝の日差しを掻き消した
白いシャツが乾いてないから
黒いセーターを羽織った
気怠さでカムフラージュした願いを
閉めたカーテンの内で育てた
新時代の風が吹き抜ける街のどこかで
彼女の髪だけが 靡かない


とっ散らかったかなしみよ
ネバつく空気の中で 凝縮されて
ダルい角度で寝そべった、
僕の腹の上に落ちてくる


白い肩に光が跳ねて
彼女はミルクのアイスを舐める
休日の自転車が駆けていく
信号機が行手を阻む
僕は焦って街へ出るが
どうにも暑さには敵わない
だからきらめく濁流の中へ
ダイブするよ ゆっくりね


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?