アイスランド　レイキャビク　ギャオ　火山と温泉

アイスランド

　広々とした露天の温泉につかってほっこりしたい人いる？ーーーこれは多だろう。絶対に多いよ。
　マグマがどろどろと流れ出ている火山を間近に見てみたい人いる？ーーーいるよ、スリル満点だからね。
　ついでに圧倒的な氷河の前に佇んでみたい人いる？ーーー凍えそうだけどいると思うよ。
　地球がひび割れているところを見てため息つきたい人いる？ーーーだいぶ少ないと思うけどいるだろう。
　いっぺんに全部体験したい？はいはい、そんな人におすすめの観光地がアイスランドである。時期によっては夜空にきらめくオーロラも拝めるという特典付きだ。
　地図画像でアイスランドを見ていただきたい。大西洋の北、北極のほうだとは思っていたが、こんなにグリーンランドに近かったのか。

　右はノルウェー海をはさんでノルウェー、下はイギリス。左はデンマーク海峡をはさんでグリーンランド。

　これがアイスランドの本島。白いのは雪だ、氷河のあるところだからね。

　首都はレイキャビク ( Reykjavik )、左下。

レイキャビク

　衛星画像は２０２３年７月１８日。レイキャビク近郊を南北に二分割してみよう。まず北側。中央から右上は世界遺産のシンクヴェトリル国立公園。右上端はラウング氷河。

　南側。左にケプラビーク国際空港。近くに温泉地ブルーラグーン。火山の噴煙が見えると思う。

　レイキャビク。ズームイン。

ペルトラン

　レイキャビク中心部。

　参考衛星画像は２０２２年９月２５日。レイキャビク空港の右に観光スポットのペルトラン。

　ドームのまわりに６基のタンクが見える。タンクには地熱発電所から送られてきた温水が貯蔵され、市内の住居暖房や給湯をまかなってきたそうだ。今では一部のタンクはアイスランドの自然や歴史を紹介するミュージアムとして使用されている。追加でつくられたドームの屋上には展望デッキとレストランがある。高台にあるので見晴らしはよいとのことだ。ペルトランとは真珠のこと。

シンクヴェトリル国立公園

　衛星画像は２０２３年７月１８日。シンクヴェトリルとはアイスランド語で議会平原という意味。なぜ国立公園にそんなに堅苦しい名前がついているのか。だだっ広いこの平原で９３０年、世界で初めての民主的な議会、アルシング（全島集会）が開かれ、１７９８年まで毎年開催されていたという。ノルウェーなどからの移住者たちが全島から集まって話し合い、いろいろなことを決めていた。演説などが行われていた「法律の岩」なんていうのも残っている。
　ここはいわばアイスランドの誇りの地なわけだ。アイスランドの国旗も立っている。ズームイン。

　参考衛星画像は２０２１年１０月１４日。中央あたりが全島集会が行われていたところ。
　と同時にこの辺は東のユーラシアプレートと西の北米プレートの境界になっており、大地溝帯と呼ばれる珍しい地形が見られる。ここには大地にたくさんの裂け目が走っていて、アイスランド語でギャオというこうした裂け目は毎年数センチずつ広がっているんだとか、怖いね。ズームイン。

　白い線は道路。黒い筋がギャオ。

　中央に「法律の岩」がある全島集会の場所。

　次はラウング氷河。衛星画像は２０２３年７月１８日。ズームイン。

　山を下り落ちる氷河の先端。アイスランドの地表の１割以上が氷河でおおわれている。

火山活動

　衛星画像は２０２３年７月１１日。レイキャビクから３０キロほどのこの火山は７月１０日から噴火が始まった。新たな活動期に入ったようだ、有毒ガスに注意するようにと専門家は話している。この程度の噴火には冷静な様子だね。ズームイン。

　左上のケプラビーク国際空港からブルーラグーン温泉までは約２０キロ。

　噴火口にはマグマが見えると思う。データ処理して火山の様子を見てみよう。

　２，３００ｍにわたって溶岩が流れ出ているね。

　２０２３年７月１３日。

　２０２３年７月１８日。

ブルーラグーン温泉

　衛星画像は２０２３年７月１８日。世界最大の露天風呂温泉、といっても源泉かけ流しというわけではない。１００％天然、隣の地熱発電所が汲み上げる熱水を利用している温泉である。効能としてはミネラル防府で皮膚病などに良いということらしい。ズームイン。

　参考衛星画像は２０２２年８月２６日。

　湖かと思えるような広さで、かなり自由につくってあるね。

　言うまでもなく水着着用だ。お忘れなく。

　こちらが地熱発電所。アイスランドの電力供給はほぼすべて再生可能エネルギーによるものだ。地熱発電が３割、氷河の水力発電が７割となっている。アイスランドには火力・原子力発電所はゼロである。地の利というか、地産地消といっていいのか。

　ケプラビーク国際空港。

　参考衛星画像は２０２１年１０月１４日。

　よく考えてみると、狭い国土に３０もの活火山、動きつづける地球の裂け目など、心配性の人には不安の種は尽きないような気がする。しかしいろいろなリスクを考慮しても、アイスランドって総合的には安全な国と評価されているだよね。
　地熱資源の利用と温泉地の共存。日本だとなかなか難しいよね。有毒物質が出てくることもあるし・・・。

注記）
a.衛星画像は、欧州宇宙機関 ( European Space Agency : ESA ) が運用する EO ブラウザからスクリーンショットしたものを使用しています。
b.地図画像・参考衛星画像は、Esri が運用する World Imagery Wayback からスクリーンショットしたものを使用しています。