行かないとわからない
長いこと英語を教える仕事をしていて一つだけ後ろめたさのようなものを感じることがありました。
それは「海外は良いぞ」「アメリカの大学は素晴らしいぞ」と生徒たちに言っていても、自分は海外に住んだことも海外大学を卒業したわけでもないので、100%の説得力を持って話せていなかったことです。
そうだMIT行こう
そんな時にノーベル賞を受賞されている利根川進さんをMITでインタビューできるという幸運に恵まれまして、ボストンを訪れることになりました。2016年の秋でした。インタビューでは世界を引っ張ってきた知の巨人に衝撃を受け、さらにそれを支え、包み込むMITの懐の深さに感銘を受け、絶対にここで学びたいと決意しました。2年間の受験準備の末、2018年からMITのビジネススクールであるSloan School of Management で大学院生として学び、コロナ禍の中2020年6月に無事卒業しました。
実際に海外の大学に学んだこの経験は、キャタルのメソッドなどにも役に立っているのですが、考え方として大きく変わったのは、やはり行かないと分からないことはたくさんあると思うようになったことです。
経験の中で英語を学ぶ威力
自分が留学する前は「日本でも英語はできるようになりますよ」「海外に行くのと同じような英語力を取得することを目標にしましょう」と思ってやってきました。ただ海外で実際に学ぶことのパワフルさを知った今は、海外に行かないと分からないこともあるし、経験の中で得た英語力ほど強いものはないと思うようになりました。だからこそ日本にいる間は、留学を勝ち取る英語力、行った時に困らない英語力を身につけてもらいたいと考えています。
ネルシャツフライデー
留学先での英語力が飛躍的に向上するのは、経験を通じて学べるからです。僕の例ですが、ある日同級生のSergioと僕が隣同志の席で赤のネルシャツで被ってしまったことがありました。半分恥ずかしさもありましたが、"Twinning"なんて言って笑ってました。するとSergioが「来週クラス全体でこれやろう」って言い出し、"3Fs for Fall Friday Flannel" と題してクラス125人全員に、「ネルシャツきてこいよ」って声をかけたんです。「おー、ネルシャツはFlannelなのか」なんてことに気付いたりもします。下が実際のにSlackに投稿された文です。
3Fs!!!!! (no, @Mike O, not that “F”).3Fs for Fall Friday Flannel. The next Friday we’re on campus, wear your favorite Flannel! Let’s see how many twins (@Mits), triplets...octuplets (@Mark) we can make!!! @Susan will be in the wings for styling advice. @Kelly will be channeling her inner lumberjack spirit, and @Catharine and @Stephen will bring their best boot game. And we all know that @Manuela and @Gita will be their cool selves for inspiration. There will be prizes!
Slackでたくさんいい英語を仕入れる
これを読んで、なんて活きいきとして暖かい英語なんだろうって思いました。みんなのことを理解しながら持ち上げて、twins, triplets, octuplets 作れるかやってみよう!チャーミングな表現だなと思いませんか。こんな文の中から八つ子はoctupletsって言うのかと、学んべたりします。
秋になるとクラスの中に急増する、アメリカ的ダサ服の代表選手ネルシャツ。そんなダサささえもネタにして、クラスを盛り上げようとするアメリカの愉快さ。やはり行かないと分からないことは沢山あります。
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