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恋バナにおける情報戦略の重要性。

大学生になり、恋人をつくりたい私にとっての恋バナの重要性にようやく気づいた。

恋バナをする場面というのは様々で、誰と話しているかによってその戦略を柔軟に練らねばならない。例えば同性同士の場合。学校や職場関係であればなおさらだが、まずは相手の出方を見ねばならない。すなわち、相手と同じ人を好きになったなどとうかつには言えないのだから、敵になるか味方になるか慎重に見極める必要がある。また、様子を伺うのではなく先手を打つという策もある。最初に言うことで周囲を牽制し、同担を許さない雰囲気を構築するのだ。これが異性を交えた場合、さらに細かく状況を場合分けする必要がある。第一にその異性が自分の恋愛対象に入っている、もしくは入る可能性のある場合。慎重に言葉を選ばなければならない。なるべく相手の気分を害すことのない当たり障りのないことを言うべきか。はたまた詳細に打ち明けることで相手の恋愛観を知ることができ、その後の関係性を考える上で役立つという考え方もある。

恋人の途切れない人は、この恋バナにおける情報戦略が優れているように思う。フランクに話しているように見せかけ、自分の恋愛観に近いものをもつ未来の恋人候補を絞りこみ、親交を深めてゆく。

私の場合、そもそも高校生になるまで自分の恋バナをすることが苦手だった。私にとって恋愛関係はとてもプライベートな話題で、クラスメイトぐらいの仲では到底話すことのできない極秘情報だったのだ。であるから、駆け引きの下手なことは言わずもがなである。

大学生になってもう少しオープンになりたいと思っていた私は、好きなタイプは?と聞かれると、イケメンだと答えることにした。事実として、私の恋愛における外見の優先度は高い。すると、すぐに私は面食いだとコミュニティ内に広まり、あまりいい人を探してもらえず、まあ若いからねと小バカにされる始末である。

私は学んだ。恋人を求めているものにとっての恋バナとは、自分のタイプを披露する場ではなく、恋愛をテーマに会話することでお互いの状況に探りを入れ、未来の恋人を探す場である。どの情報を開示するか、相手の何を、どのように聞き出すかといった情報戦略およびコミュニケーション力が問われる試合会場なのだ。

大学デビューという1番のチャンスを面食い発言で棒に振ってしまったことは、悔やんでも悔やみきれない失態である。自分の恋愛経験のなさを恨む。しかしやってしまったことは仕方がない。この教訓を必ず生かし、私は恋バナにおける情報戦略を習得してみせる。そして素敵な恋人を手に入れる。

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