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【組織創り】1on1は焦らない。 〜初めての人と打ち解けるコツ

みなさんこんにちは!
僕は普段から複数の企業にて人事顧問として組織創りの支援をしているのですが、そのお仕事の中の1つに「メンバー1on1」があります。

その組織のコアメンバーと毎月1回30分程度の面談をするのですが、その目的は「望まない離職」の防止と「メンバーの成長」を促し業績向上に繋げること。

それをなぜ半分外部の僕が行なうのかというと、どんなに経営層がメンバーへフレンドリーに接したとしても経営と現場の間にある大きな溝《雇う側と雇われる側》を越えることはできないからです。

例えば、経営者が「メンバーにチャンスをあげたい。ただ、強制はしたくないから選ばせてあげよう」と良かれと思って、「新しい事業立ち上げるんだけど、主担当としてどうかな。やりたい?やりたくない?選んでいいよ」と聞いたとします。

経営者側は「選択の自由を提供している」と本気で思っていても、従業員側としては経営者に向かって「やりたくないです」とは言いにくいですよね。
つまり、実質的には1択(強制)になってしまう。
このように結局雇われている側は雇い主に対して「本音」を話すことはほぼできないと思った方がよく、転じて経営者から見たメンバーの評価や印象は当てにならないわけです。

その良かれと思ってが、メンバーにとっては実は苦痛で過度なストレスや業務過多に繋がり最終的に追い詰められてやめてしまう。
これがまさに「望まない離職」を生んでしまう一つの要因と言えます。

そこで僕のような内部事情に精通した外部の人間が定期的に1on1をすることでメンバーの本音や不安、経営には言いにくいことを吸い上げ、全体を俯瞰した上で経営課題になり得るものがあれば「人事顧問としての提案」として経営側に提言する、という役割を担っています。
同時に、経営側とも日常的にコミュニケーションをとり、会社の方針や価値観を僕自身が理解して、1on1の際に「物事の解釈と捉え方」がズレているメンバーがいればその場でアドバイスして軌道修正をはかることも請け負っています。


とはいえ、僕に対してもメンバーが本音で話してくれるとは限りませんよね。
なので、1on1案件を頂いたクライアントに入る際にまず僕が最初に取り組むのはメンバーみんなとの信頼関係を築くことです。

先日、とある方より僕の1on1のスタンスに対して、
「しょうごさんの入り込み方がエグい(良い意味で)。メンバーがみんな心を許している」
と言われまして、ありがたい限りだなと思ったのですが、何か僕が特別な魔法を使っているというわけではないんですよね。

そこで今日は僕が1on1に入る際に意識しているちょっとしたことについてシェアします。


結論から話してしまうと、僕が意識していることはとてもシンプルで
●信頼醸成を阻害するキーワードを排除し
●信頼醸成を促進するキーワードを積極的に活かす

ただそれだけです。

その為に大切なのは「1on1での成果を焦らない」こと。
僕はどんな組織で1on1をさせて頂く際も初回は雑談回(後ほど詳しく)としています。本格的な1on1は2回目以降より行なっていきます。

では、僕が意識している「信頼醸成を阻害するキーワード」「信頼醸成を促進するキーワード」とは何か。

●信頼醸成を阻害するキーワード:未知の恐怖
●信頼醸成を促進するキーワード:共通点(共通体験・共通言語)

人は「知らない・見えない」物事に対して恐怖を感じ、壁を作ったり逃げたりする生き物です。
外部から入ってきた僕はまさに「未知の存在」であり、未知の恐怖を抱く相手なわけです。
その人に最初から心を開くかというとまずそんな人はいないでしょう。

なので、1on1を始めるにあたって初回は全員と「自己紹介回」として雑談をするようにしています。
向こうのことを聞くだけではなく、僕自身も過去のことから今に至るまで、これからやりたいことなども自己開示して、経験・できること・価値観などを知ってもらう機会とします。

その自己紹介回で意識しているのが「共通点(共通体験・共通言語)」です。人は共通点がある人や自分と似ている人に好感を抱きやすいという心理があります。
なので、地域や趣味、キャリア、家族のことなど何でも良いので面談相手との間に共通点を見出し、お互いにそれを認知し合う時間を設けているわけです。

「そんないろんな人と共通点ってある?」

と思われるかもしれません。
この点については正直どこまで再現性があるかはその人(これまでの経験・好奇心・アンテナ感度など)次第になっちゃうのですが、僕は昔から新しいもの好きだったり、何でも興味を持つ好奇心旺盛なタイプだったり、いじめや鬱などまあまあ底を這った時期もあったりと引き出しが広いという個性もあり、ほとんどの方と何かしらの共通点が見つかり、その話で盛り上がります。
仮に共通点がなさそうだった際には「やったことないけど興味ある」相手のトピックに対して食いつきます。(「それ、教えてください!」のように)

そうして互いに共通体験・共通言語を認知して信頼関係の土台を作った上で未知の恐怖を排除し、本題の1on1へと入っていくわけです。

1on1の中でも意識していることや技術的なポイントがありますが、それはまたの機会に。

最後まで読んでいただいてありがとうございました!
この記事をご覧の皆さんの中にも社内・社外で1on1を行なっている方がいらっしゃるかと思います。
何かの参考になれば幸いです。

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