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世の中にはもっとNO.2が必要だと思う

きっかけは社会への「反骨心」だった

「なんだよ、東京だからって!意味わかんないわ!」

東京、夜、一人で憤っていた26歳の僕。

大学を出て最初に入ったパチンコ企業で広告宣伝・マーケティングの部門責任者をしていた僕は途中から「採用活動もやってみろ」とトップ直々の指示で採用活動にも関わることに。

ある日、東京でのU・Iターン学生向け合同企業説明会に参加した僕は、説明会後に行われた出展企業関係者の打ち上げに参加しました。
そこには北海道から東京での合説に参加した様々な業界の企業人事が集まり、飲みながら話をしていたのですが、周りを見るとほとんどが50代以上とおぼしき大先輩ばかり。20代で参加しているのは僕だけでした。
最初こそ真面目な話をしていた諸先輩たちでしたが、お酒が進むにつれて本音が口からこぼれるように。
そして酔いがピークに至った頃、ある参加者が口走った言葉に僕は唖然とすることになります。

「いやー、やっぱ東京の学生はいいよね!北海道の学生がお子ちゃまに見えたもん」

何言ってんだこの人…と思った次の瞬間。
「ほんと、そうそう!」
「いやー!わかりますぅ!」
次々と湧き起こる賛同の声と拍手。

つい数年前まで「北海道の学生」だった僕にとって、全員から罵られているかのような錯覚を覚え、頭がクラクラしたのと同時にモヤモヤと怒りで心がいっぱいになりました。

なんで東京の学生は良くて、北海道の学生はダメなんだ。
入った大学の土地で良い悪いなんて決まるわけないだろ。

その想いを約10年抱え続けた30代半ば、初めて複業という可能性に触れた時にすぐにやろうと思ったのが「地元大学生の就活支援サークル」でした。

今振り返れば、26歳当時のあの経験から僕は「東京がなんぼのもんじゃい!」という反骨心を強く持つようになったのだと思います。
東京にはたくさんの刺激があり、様々な人や価値が集まっている。それは確か。
でもその東京の人たちが豊かに暮らす為に必要な電力や食料などは主にどこから供給されているのかと言えば、東京以外のローカルからに他なりません。

日本が元気になる為に必要なのは、東京だけが盛り上がるのではなく、ローカルがもっと元気になることが必要。
そんな想いから、今僕は主に地方の中小企業や自治体の組織創りを伴走型のオーダーメイドで手がける仕事をしています。

大きな志を抱く経営者が立ち上げたスタートアップ、地元に根ざして50年以上続く地元の星とも言える老舗中小企業、個性的な首長が選挙で通ってこれまでのしがらみを壊そうとしている自治体など、様々な組織の支援をしていく中で「伸びる組織と伸びない組織の違い」について、一つの特徴に気づいたのです。

伸びる組織には必ず優秀なNO.2がいる。

そして、それと同時にほとんどの組織でNO.2が不足している現実を目の当たりにしました。

NO.2の苦労はNO.2にしかわからない

僕の仕事は人事顧問ではありますが、実際にクライアントに入ってやっていることと言えば、
・経営者の壁打ち相手
・組織戦略の立案と戦術の実行
・メンバー1on1
・組織内の利害調整、政治案件
・幹部候補者の教育育成
など
人事領域だけに留まらず、全社の戦略や方針に深く関わるポジションを担っています。
言わば、COOや副社長のような、NO.2人材である自分自身をそのまま提供しているようなスタイルです。

その中で不足しているNO.2人材の採用を手掛けることもありますし、元々社内にいるNO.2・幹部の方々と連携しながら仕事をすることもあります。
ただ彼らからは、初めに僕が関わることが決まった時、ほとんどの人が不安を覚えたと聞いています。
なぜなら、僕が組織創りのお仕事を受ける際、最初に価値を感じてくれて依頼して下さるお相手はほぼ経営者や首長といったトップだからです。

トップが連れてきた人事顧問が入ってくる、その時点で僕が社内のNO.2だったら「ちょっと嫌だな」と思うことでしょう。だって、「お前では足りない」と言われているかのような悔しさと社長の目となり耳となる外部人材が入ってくるプレッシャーがかかると思うので。

でも、実際のところ僕が組織内に入ってみての経験では、大体すぐに皆さんと仲良くなって一緒に仕事を進めていけるようになります。
それはどうしてかと言うと「NO.2の苦労はNO.2にしかわからない」からです。
僕が新しいクライアントに入る時、お仕事をご一緒させて頂く組織幹部の方々に最初に必ずお伝えしていることがあります。
それは「僕はトップの言う通りに動くのではなく、ビジョン実現が叶う組織を創る為にここに来ました」ということ。
仮に社長が「この人を採りたい!」と人づてで出会った人を連れてきたとしても、その人がビジョンの実現にとってマイナスであれば「見送りですね」と突き返します。
そのことを事前にトップにもお話しし、そのスタンスでいいよと許容して下さるトップとしか付き合わないことも決めています。

なので、現在NO.2または幹部の方々にとって僕は「トップに物申せる」人であるのと同時に、苦労を共にする仲間なのです。僕にとっても、社内でトップに次いで大きな影響力を持つ彼らを助けることがビジョン実現への近道である為、敵対する理由は一つもありません。

上からも下からも無茶振りが次々と降りかかるNO.2ポジションの仕事を一緒に乗りこなしていくことで、僕がこれまで培ってきた仕事術や仕事に向かうスタンスを盗んでもらえる機会になり、トップにとっては結果的に幹部育成にもなるわけです。

NO.2同士で繋がり、市場価値を高めたい

ではなぜ様々な組織でNO.2人材は不足しているのでしょうか。
僕が思う理由は「まだまだ市民権を得ていない」から。

副社長やCOOといった役職はありますが、組織のNO.2とは何も会社全体の2番手だけに限りません。部や課といったそれぞれのユニットにも必要ですし、部署横断型のプロジェクトチームにも必要です。

こんなに必要とされる場面があるのにも関わらず、NO.2という職種は世の中に認知されていないですよね。転職サイトなどを見ても職種一覧に「NO.2」という仕事は載っておらず、まだまだ市民権を得ていないなと感じます。

NO.2に必要な素養については、これまでの章でもまとめてきましたが、人事やマーケティングのような何か決まった職業のように知識や技術があるということだけでは足りないと思っています。
NO.2というポジションを担う上で僕が必須だと感じている能力。

それは「何とかする力」です。

なんじゃそりゃ?って思うかもしれません。
でも本気でそう思っています。

なぜなら、NO.2の立ち位置ってパターンが決まった・ルーティンな仕事はほとんどないから。
トップの気まぐれやワガママに対応しつつ、対外的には窓口としての対応もこなし、メンバーからの組織やトップへの不信感を拭う為に1on1で翻訳して成長機会へと転換し、業績アップにまで繋げる。

出来ないなんて言っている暇も代役もいないので、どうしたら出来るかをひたすら考える。
弱音を吐いても何も変わらないので、ただただ前を向いて動き続ける。

それが出来る人って中々希少なんだと思うんです。
だから、各所でNO.2人材は足りておらず、必要とされている。

僕は今、北海道から全国各地でお仕事をしていく中でNO.2人材だなと思う人と出会えたら仲良くなって連携する取り組みを進めています。
それは、僕自身がNO.2という自分の個性を事業にしているように、もっと日本全国でNO.2同士が繋がり、NO.2人材を複数社でシェアするネットワークのようなものが創れたら、さらに多くのローカル中小企業や自治体を元気にすることができると思うから。

そして何より、NO.2というポジションの希少性とその大切さをみんなが認知することに繋がり、市場価値が高まって欲しいと思っています。
夢を語り、旗を振る人だけじゃなく、支える個性を持つ人が活躍できる社会になるように。

世の中にはもっとNO.2が必要です。


《お知らせ》

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引き続き応援よろしくお願いします!

本書は「何者か」を目指すよりも、周りの人を「支える」ことに喜びを感じる人たちに向けて、「支える個性」を活かすコツを伝えたくて執筆しました。

社会は「支える人」の存在なしには回らない。
だからもっと「支える」個性を持つ人たちの価値が認められ、活躍できる機会が生まれるような世の中にしたい!


・「何者かに、主役になれ」という世の中の風潮が苦手だ
・これから社会に出ることに不安を感じている
・誰かを支えることに生きがいを感じている
・今まさにNO.2・裏方として日々を過ごしている
・今後NO.2を仕事にして生きていきたい

もしあなた自身が、または周りの大切な人でこれらに当てはまる方がいたら、この本を読んで・存在をお伝え頂けたら嬉しいです。
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