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あけ!ポンキッキ!【日本語】開け(アンディ・ウィアー『プロジェクト・ヘイル・メアリー』)

どうして目が開けられないんだ?
開け。
さああああ……開け!
開け、くそっ!(位置No.45)

アンディ・ウィアー『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(2021)

地球存亡の危機を扱った傑作SFより。初っ端から謎のオンパレードで、何を語ってもネタバレになってしまいそうなので詳細は伏せるが、語り手が目を開けようとする冒頭の場面である。

Audible で楽しませていただいているが、何度聞き直しても「け」と言っている。

「ひらけ」だろう、ふつう。

でもいい声で何度もはっきりと「あけ」って言ってるものだから、自信がなくなってきた。

調べてみると、「あけ」と読むのは連用形で「開けて」など、あるいは連用形が名詞化した「口開け」「幕開け」などだ(weblio)。

誰かに何かを「あけよ」と命じることはできるが、自分の目はもちろん何かや誰かに「あけ」と命じる日本語はあるのか。

単に「ひらけ」の読み間違いなのか。

そんな事があるだろうか。

朗読者含め、商品化するまで誰も気が付かなかった、などということがあるだろうか。

知らない間に「あけ」という命令形が存在するパラレルワールドに、私が紛れ込んでしまったのだろうか。

いや、そんな日本語は検索しても出てこない。

インターネットごと、私だけパラレルワールドに紛れ込んでいるのかもしれない。

あなたはどちらの世界の住人ですか?

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