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フレンチディスパッチ(ネタバレ有)

こんばんは。タイトルどおり、本日公開のフレンチディスパッチを鑑賞してきました。
記憶が新しいうちに書き留めておきたいです。

はじめに言うと、私はウェス・アンダーソン監督の大ファンです。
彼の長編作品はすべて鑑賞しています。「アンソニーのハッピーモーテル」からなので、本作品もすっごく待ち遠しかったです。
3つの短編ストーリーから成り立っていて、すべて情報量が細かいし、映像もファッションや配置・配色のこだわりもみたいのに話しの内容や言い回しも難しいから集中力がとっても必要な映画でした。
もう一度みるつもりでいます。
ウェスアンダーソン作品が好きな人、普段から彼の作品に慣れている人ならば特に戸惑わずに見ることができるけど、彼の作品を初見で見る人だと、構成の仕方に少しびっくりするかもしれないです。

好き嫌いがすっごく分かれそう。
でもそれって村上春樹氏の作品みたい。万人受けはしないけど、あつい固定のファンが絶対について、彼が何を出版しても、作品に絶対についてきてくれるファン。
ウェス氏も同じような感じがする。
そして村上春樹氏もウェス氏も私はどちらも大好きなので、その「彼らの作品だから観る・読む」ファンの一人なのです。

下記ネタバレ有りなのでご注意ください。まだ鑑賞していない人これから鑑賞予定のある方は見ないでください。

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【感想】
オムニバス作品で、新聞社の記者達がそれぞれ自分たちの取材した出来事について執筆・その背景がドラマになってる。

個人的に3つのお話どれも好きだった。

はじめの、囚人と画商と看守の女の子の話は結構好きだった。

エイドリアン・ブロディが個人的に大好きなので、ウェス組にいてくれて本当に嬉しい。「ダージリン急行」のエイドリアンもよかった、「グランドブダペストホテル」の役はいじわるであんまり好きじゃなかったけどお髭が可愛かった。
今回の画商の役も素敵でした、彼って存在がお洒落。

それと才能って、本当に才能のある人ってどこにいても発掘される、発掘してくれる人がいるってことがわかった。
だから、発信し続けることが大事なんだね。囚人の彼は別に見つけてほしくて発信していたわけではないけど本当に天才的だったから嫌でも発掘されて。だったら凡人はもっと発信し続けないと。だから私はnoteを毎日書く。もっと行動する。

次の学生運動の話は大好きなティモシーシャラメが出ている。
ウェスアンダーソンが好きなのに、さらに一番好きな俳優のシャラメが出るなんてもう私にとってご褒美でしかなかった。役どころは無精髭のはえた学生運動のリーダー。

それとヘルメットかぶってミニスカートタイツの女の子がとっても可愛かった。
あのヘルメットは江口寿史氏の「ストップ!!ひばりくん」のひばりくんがかぶっている印象。

シャラメの最後の詩が良かった。少し泣きそうになった。

最後の警察署長と息子の誘拐劇は、シェフメインのお話っていうのが良かった。ネスカフェイエ。
最初のお話の入り方は「一体どういう展開になるんだ。。。?」という気持ちだったけど、だんだんこの話の方向性とかやりたいことが見えてきて。
そこから一気に楽しめる。カラーとモノクロの使い分けがすごい。この食卓こんなにカラフルだったんだ、おばさまの髪の毛の色はピンクだったんだ、って。

今回、犬は死ななかった。ウェスアンダーソン作品はやたら犬が死んだり無残な結末を終えることが多い印象だったから。
今回はあんまり残酷すぎるシーンはなかった。彼の作品は世界観が素敵とかそういう綺麗事だけじゃなくて、残酷さと狂気と死と人間の孤独とか悲しさも共存させて、それも人生だからって悲観しないところが好き。

あとね、真正面からキャラクターをアップで捉えて、無表情で、表情を崩すことなく涙をツーっと流す演出がとっても好き。
これは「ファンタスティックMr.Fox」でも見られる演出なんだけど本当に美しいの。
綺麗に泣いているからなのかな、顔を崩して感情をむき出しにして泣くよりも表情を一切変えずに無言で一筋の涙をこぼす、あるいはぽろぽろと流す描写が本当に好き。
それだけでもこの映画を見る価値はある、そう思う。

モノクロとカラーを使い分けていたのもすごく斬新だった。
彼の作品は色使いにこだわりがあると思っていたのでそれを一気に奪ってしまうのが驚いたけど、その分カラーになったときに一気に心が奪われる。

ああー。一度でいいからお会いしたい、監督と。本当に憧れの存在です。









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